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ドル下落、中国の外貨準備巡る思惑で-対ユーロで昨年8月以来新安値

東京外国為替市場ではドルが対ユー ロで昨年8月以来の安値を更新した。中国の外貨準備についてユーロと 円の保有高を引き上げるべきとの報道がきっかけとなった。

ユーロ・ドル相場は日本時間午後3時45分現在、1ユーロ=1.5030 ドル付近で推移。午前には一時1.5063ドルまでドル売りが進行し、昨年 8月11日以来の安値を塗り替えた。

ドル・円相場は朝方に約1か月ぶりのドル高値、1ドル=92円21 銭を付けた後、91円58銭までドルが下落。しかし、ドル売りも続かず 午後にかけては91円台後半でもみ合う展開となった。

一方、米金融政策の出口戦略に対する警戒感がくすぶる中、午後に かけてはドルが下げ渋る展開となった。週内に過去最大規模の米国債の 入札を控えて、米長期金利の動向を見極めたいとの姿勢が広がった。

東海東京証券金融市場部トレーディンググループマネージャー、二 瓶洋氏は、「今週については米国の入札が見もの。経済指標もいろいろ 出てくるので、当局者発言ともども見ていきたい」とした上で、「根本 的には、リスク選好が強まる中で流動性が高く、低金利のドルがもっと も調達通貨にされやすい」と指摘。ドル安の流れが大きく変わることは ないとみている。

「中国は円とユーロの保有高引き上げるべき」

中国人民銀行(中央銀行)系の金融時報は26日、中国は円とユー ロの外貨準備の保有高を引き上げるべきだと報じた。同紙はまた、米ド ルを外貨準備の主要な通貨として維持する必要があるとし、米国は引き 続き世界の経済大国であるためだと説明した。さらに、中国は香港ドル を外貨準備に含める必要性はないとも伝えた。

朝方は米国の「出口戦略」に対する警戒感からドルが強含みで推移 していたが、中国の外貨準備に関する報道が伝わると、一転してドル売 りが活発となった。

東海東京証の二瓶氏は、中国の外貨準備の話に反応する形でユー ロ・ドルが上昇し、それにつられてドル・円が下がったと説明。しかし その後は同論文が執筆者の「個人的な見解」ということが伝わり、「落 ち着きどころを探る展開になっている」としている。

米金利動向に注目

一方、米紙ウォールストリート・ジャーナルは24日、米連邦準備 制度理事会(FRB)当局者が来月、利上げの可能性を示すシグナルを 出す方法やその時期について議論するだろうと伝えた。同紙によると、 FRB当局者は「長期にわたる」超低金利が終了することを市場に知ら せる最善策の検討を開始している。この問題は11月3、4両日の米連 邦公開市場委員会(FOMC)の議題となる可能性がある。

FRBが利上げを示唆し始めるとの観測から、前週末の米国債相場 は下落(利回りは上昇)。外国為替市場ではドル買いが優勢となってい た。

三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、今週は過 去最大の米国債の入札が予定されているが、「FRBの出口政策の話が 出てきている中で、入札が不調で金利が上がってしまうと、ドル買い戻 しの発想につながりやすい部分がある」と指摘する。

米財務省は26日に5年物インフレ連動債(TIPS)の入札を実 施する。規模は70億ドル。翌27日には2年債(440億ドル)、28日に は5年債(410億ドル)、29日は7年債(310億ドル)の入札を行う。

また、今週は米国で10月の消費者信頼感指数や9月の耐久財受注 および新築住宅販売、7-9月期の国内総生産(GDP)速報値などの 経済指標が発表される予定で、米長期金利の動向にどのような影響を与 えるかが注目される。

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