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債券相場は下落、米債続落や国債増発懸念-10年債利回りは1.4%目前

債券相場は下落(利回りは上昇)。 前週末の米債相場が大幅に続落したことや国債増発懸念が引き続き売り 材料視された。新発10年国債の利回りは午前にじり高歩調をたどり、 一時は8月半ば以来となる1.4%台目前まで売り込まれた。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャーは 現物債の押し目買いが断続的にはあっても思ったほどでないと指摘。 「足元の需給不安はもとより、中長期的に財政規律が維持されるのかと の不透明感が投資家の買いを慎重にさせている」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月12月物には売りが先行して、開始後まも なくに前週末比38銭安の137円93銭まで下げ、中心限月ベースでは8 月14日以来の138円割れを記録した。その後、午後には一時138円10 銭まで下げ渋る場面もあったが、総じて138円を挟んで軟調に推移して おり、結局は32銭安い137円99銭で取引を終えた。

国債増発に伴う需給悪化懸念に加えて、米債相場の続落や為替市場 における最近の円安傾向、国内株価の堅調推移など週初の債券市場にと っては売り材料に事欠かない展開となった。

23日の米債市場では早期利上げや需給懸念が広がり、10年債利回 りは7ベーシスポイント(bp)高の3.49%程度で終了した。また、週 明けの東京外国為替市場で一時は1ドル=92円台をつけるなど円安傾 向が続き、株式相場は輸出関連株中心に買われて堅調に推移した。

しかし、10年債の1.4%や5年債の0.7%など、現物債利回りでみ て節目とされる水準に接近したことから、先物市場でもいったんは売り 圧力が弱まった。大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グ ループリーダーは、金利がさらに上がればよほどのことがないかぎり買 いが入るとの読みが有力だといい、「きょうの相場は悪材料そろい踏み のなかでよく持ちこたえた印象がある」とも指摘した。

10年債利回りは1.39%

現物市場で新発10年物の304回債利回りは、前週末比1bp高い

1.37%で始まった。その後も売りが優勢で、午前10時過ぎには1.395% まで上昇して、新発10年債としては8月半ば以来の高い水準に到達。 午後に入ると1.385-1.39%にやや持ち直した。午後4時21分現在では 3bp高い1.39%で取引されている。

304回債利回りは8日に1.245%をつけて以降にじり高に推移して いる。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ時期が早まるとの 憶測も広がる中、BNPパリバ証券の山脇貴史シニア債券ストラテジス トは「大手銀が現物売りに動いているとみられることも地合いを悪化さ せており、市場の見通し以上に金利上昇に勢いがついた」との見方を示 した。

前週には藤井裕久財務相が新規国債発行額について、2009年度は 50兆円超となる可能性を示唆したほか、10年度については今年度補正 後の44兆円以下に抑制する意向を表明した。

ただ、金利水準が一段と切り上がる局面では投資家の買い余力はお う盛との指摘も根強い。トヨタアセットの深代氏は、年末に10年度予 算案が具体化するまで不透明感は残るとしながらも、需要不足に伴って 今後も物価下落が持続するとの見通しのもとでは、投資家の運用資金が 債券にシフトする構図は変わらないといい、「足元の相場は下値固めの 時期であっていずれは反発する」と分析していた。

11月にも国債増発の可能性

市場では、11月から短中期ゾーンの発行が膨らむとの観測が広が り、この日は5年債などに売り圧力が強まる場面もあった。ドイツ証券 の山下周チーフ金利ストラテジストは、来月からの国債増発の可能性を 「市場は想定済み」としながらも、今年度の下期に上期以上に発行が膨 らむだけに需給懸念が想定以上に強まることも考えられるという。

財務省が23日に開催した国債市場特別参加者(プライマリーディ ーラー)会合では、個人向け国債の今年度販売計画に届かない分や年度 内の発行を取り止める10年物価連動国債と15年変動利付国債の合計

2.6兆円程度の振り替え先について議論がなされた。1年物国庫短期証 券(TB)、2年、5年、10年債が振り替え先の中心となり、早けれ ば来月から各年限で毎月1000億円程度増額される可能性がある。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、一部の銀行が中期債の残高を落 としているなかで、こうした増発観測は市場の地合いを悪化させたと指 摘。ただ、「地方勢を中心に押し目買いが着実に入るなど、金利水準か らは売りよりも買いを志向する向きが出始めた」ともいう。

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