コンテンツにスキップする

短期金利、企業金融支援オペ打ち切りで上昇圧力も

日銀が30日に開催する金融政策決 定会合で企業金融支援特別オペの打ち切りが決まった場合、金利への上 昇圧力が強まると短期金融市場の関係者は警戒している。金融機関の安 定的な資金調達手段のひとつが年内にもなくなる可能性があるためだ。

日銀が会合で見直しを協議するとみられる企業金融支援策のうち、 コマーシャルペーパー(CP)の買い入れは応札額が3回連続でゼロに なるなど、終了しても影響ないとの見方が市場で多い。半面、日銀が民 間企業債務を担保に金融機関に政策金利と同じ水準で貸し付ける企業金 融支援特別オペは残高が7兆円弱と需要が高い。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、日銀が特別オペを打ち切った場 合、日銀の安定的な資金供給が市場に明確に伝わるまで、「思惑で金利 が上昇しやすい」と指摘する。

いまのところ、金融機関は特別オペを通じて、CPなどを担保に現 行の政策金利と同じ0.1%で3カ月物の資金を無制限に借りることがで きる。一方、特別オペから引き継がれると見込まれている共通担保オペ は競争入札制で貸付金利が決まるため、金融機関の調達コストが増える 可能性がある。現在の共通担保オペでは、3カ月物の落札水準が0.13 -0.14%となっている。

国内銀行の資金担当者は、日銀に金利を上昇させない意思があるな ら、これまで以上に潤沢な資金を供給するとみる。一方、セントラル短 資の金武審祐執行役員は、金利動向次第としながらも、「特別オペ以上 に共通担保オペを増やす可能性は低い」とみる。

企業金融支援特別オペの終了が決まれば、替わりとなる共通担保オ ペからの資金調達が増えるとみられている。東短の寺田氏は、こうした 動きがTB3カ月物利回りの上昇圧力にもつながると指摘する。

12月末に期限を迎える企業金融支援策を終了するには、遅くとも 11月19、20日の決定会合までには結論を出す必要がある。国内銀行の 資金担当者は、日銀が支援策を終了するのであれば、早めに決定しなけ れば市場に混乱を与えると懸念する。

政府への説明に時間も

今週の決定会合で企業金融支援特別オペの終了が決定されるかどう かについては、短期市場参加者の間でも見方が分かれている。日銀幹部 から終了に前向きな発言が相次ぐ一方で、中小企業支援を打ち出す政府 との調整に時間がかかる可能性もあるためだ。

セントラル短資の金武氏は、特別オペについて「日銀内では終了す る方向で意見がまとまっても、政府に対する説明が終っていない可能性 がある。へい害が小さいのなら継続してもいいのではないかとの声が政 府には根強いようだ」と指摘する。

日銀の西村清彦副総裁は21日の会見で、企業金融支援の時限措置 は「異例の措置」で、「市場に対しても歪みをもたらす」と指摘。「セ ーフティーネット(安全網)がずっと存在することはモラルハザードの 問題が生じる」と述べ、14日の白川方明総裁の会見に続き、企業金融 支援特別オペの終了に前向きな姿勢を示した。

一方、政府は中小企業向け融資の返済猶予(モラトリアム)法案の 成立に向けて動いている。国内銀行のCPディーラーは、市場コンセン サスは特別オペ終了の見方がやや優勢な程度だとの見方を示し、不透明 感の残る状況と話している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE