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米国債増発で長短金利差拡大-長期債リターンは2年連続マイナスか

ガイトナー米財務長官は2010 年の借り入れコストを過去最低付近で確定したい方針であることか ら、比較的長めの債券のリターンは2年連続でマイナスとなりそうだ。

米財務省は、1930年代以降で最悪のリセッション(景気後退) の終了を目指すオバマ米大統領の景気対策の財源として1兆9000 億ドル(約175兆円)の短期債を発行した後、既発債の平均償還年 限を72カ月と、26年ぶり低水準の49カ月から伸ばす計画だ。FT Nファイナンシャルによると、これは10年債と30年債の今後1年 間の発行額が40%増加し6000億ドルに達することを意味し、長期 債の価格を押し下げかねないという。

ブルームバーグがまとめた67社の予想の加重平均では、米政策 金利は2010年7-12月(下期)まで現行のゼロに近い水準で据え 置きとなる見込みであるため、短期債の長期債への置き換えは利回り 曲線(イールドカーブ)の傾斜拡大(スティープ化)につながるとみ られる。2年債と10年債の利回り格差(スプレッド)は先週、2.49 ポイントに拡大した。1977年以降の平均は0.8ポイント。

イールドカーブのスティープ化は通常、投資家が景気拡大やイン フレ加速を見込み債券需要が減退するサインであるものの、国債に対 する投資意欲は十分にあることが過去最低付近にあるクーポンから 示されている。

利払い費

財務省は財政赤字の穴埋めに向けて1兆6000億ドルの中長期 債を発行してきた。既発債の残高は5兆2100億ドルから34%増加 し7兆ドルに達したものの、政府の利払い費は678億ドル減少した。 10年債利回りは先週3.48%と、過去40年の平均7.31%の半分未 満の水準で終了した。

10年債利回りは昨年12月の2.04%から上昇しており、ブルー ムバーグ・ニュースがエコノミストとストラテジスト57人の予想を 加重平均したところでは、11年までには4.19%に上昇すると見込ま れている。2年債利回りは現在1%で、昨年末は0.76%だった。

メリルリンチの債券指数によれば、償還年限10年以上の米国債 の今年のリターン(利息再投資ベース)はこの調子で年末を迎えると マイナス12.7%となる一方、より年限の短い債券のリターンはマイ ナス1.4%となる見込み。

ペイデン・アンド・ライジェルやブラックロック、フィフス・サ ードは、国債発行の増加で中長期債のリターンが2年連続で短期債に 出遅れるとみている。メリルリンチの指数によれば、こうした状態は 少なくとも1988年以来となる。

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