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米ウォール街、経営幹部の報酬規制を批判-効果を疑問視

経営幹部の報酬を規制しようと するオバマ政権の取り組みにウォール街が反発している。銀行の間で は、報酬規制について、米政府がとりわけ救済したいと考える企業に 打撃を与えてしまいかねないとの懸念が強い。

450億ドル(約4兆1300億円)の公的支援を受けたバンク・オ ブ・アメリカ(BOA)の広報担当スコット・シルベストリ氏は「ウ ォール街で働きたい人たちが同時に望んでいるのは、公正な報酬だ」 と指摘した。同氏は「ライバル行はわが行の最も優秀な人材を探した 上で、優秀な人材を引き抜くために報酬懸念を引き合いに出してい る」と訴えた。

財務省の企業幹部報酬特別監督官、ケネス・ファインバーグ氏 は22日、BOAやシティグループ、アメリカン・インターナショナ ル・グループ(AIG)など公的支援を受けた企業7社の幹部報酬を 最大50%減額する措置を発表した。連邦準備制度理事会(FRB) も同日、リスク管理を重視した銀行報酬の体系作りに向け、新たな指 針を明らかにした。

ファインバーグ氏とFRBの措置は、過剰な報酬によって増長 した経営幹部のずさんなリスク管理に対するオバマ政権の取り組みの 一環。リスク管理の甘さは信用市場を崩壊させ、世界全体で計1兆 6000億ドルに上る貸し倒れ損失・資産評価損や米国で計720万人の 失業を招いた金融危機につながった。

BOAとAIG

一方、金融業界の経営幹部の報酬は依然高額だ。ファインバー グ氏の減額措置が取られた後でも、7社の幹部66人の長期報酬は少 なくとも100万ドル(約9200万円)になる。BOAは今年、成績優 秀な従業員に平均604万ドルの報酬を支払う。ファインバーグ氏が 報酬を調査した136人の社員の合計報酬額は3億4000万ドルで、1 人平均250万ドルだった。

これまでに1820億ドルの公的支援を受けたAIGのロバート・ ベンモシュ最高経営責任者(CEO)は今週、従業員への社内メモで 「ファインバーグ氏の権限は、AIGの大半の従業員には及ばない」 と説明。すでに受け取った報酬の返還を義務付けられることはないと の考えを示し、従業員を安心させた。ファインバーグ氏は既に、 1050万ドルに上るベンモシュCEOの報酬パッケージを承認済み。

ホーム・デポの共同創業者で、ニューヨーク証券取引所の元理 事会メンバーのケネス・ランゴーン氏は、ファインバーグ氏の報酬減 額措置は「ばかげている」と批判。「納税者はこれらの企業が抱える 多大な金融リスクにさらされている。端的に言えば、経営は最適な人 物にお願いしたい。神経外科の手術が必要なら、最も優秀な医師に任 せたい。カネに糸目はつけない」と語った。

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