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東京外為:円全面安、リスク選好的な売り継続-日本の財政懸念も重し

東京外国為替市場では、円が全面安 となった。日本の低金利長期化が見込まれる中、堅調な株価動向を背景 に投資家のリスク許容度が改善するとの見方から、比較的金利の高い通 貨に対して円売り圧力が強まった。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明統括マネージャーは、日 本の物価は低下傾向が当面続くとの観測を背景に、米国と並んで利上げ 期待が生じにくく、ドルと円は「キャリートレード」の対象になりやす いと説明。また、国内の財政問題をめぐる懸念を背景に「日本売り」 を指摘する声が目立ちはじめているとも言い、円の重しになっていると 言う。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=137円84銭と、8月13日以来約2 カ月ぶりの水準まで円安が進行。また、主要16通貨に対して円は全面安 の展開となっており、ドル・円相場は一時1ドル=91円88銭と9月22日 以来の円安値を更新した。

藤井裕久財務相は20日に、2009年度の税収について当初見通しの

46.1兆円を6兆円超下回り、「40兆円割れもあり得る」との見方を示す とともに、税収減の穴埋めについて「国債の増発で対応する」考えを表 明した。

ドル・キャリーに「安心感」

前日の米株式相場は、一部企業の好決算を受けて、3営業日ぶりに 反発。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CB OE)のボラティリティ指数(VIX指数)は昨年8月以来の水準に低 下しており、リスク資産向け投資を敬遠する姿勢が緩和する可能性が示 されている。

この日の東京時間日中は、日本株がプラス圏を維持して推移し、ク ロス・円(ドル以外の通貨と円の取引)で円売りが進んだ。

米国時間には、9月の中古住宅販売件数が発表されるほか連邦準備 制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演が控えている。みずほコ ーポレート銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、米金融緩和策の「出口 論」が焦点になる中、市場の観測がだんだんと後ずれしていると指摘。 利上げ時期が先送りになるほど、ドル・キャリートレードに「安心感」 が生じると言う。

自国通貨高けん制

一方、カナダ銀行(中央銀行)は金融政策報告で、「世界的に米ドル 建て資産離れが見られる状況で、カナダ・ドルは想定以上に上昇してお り、経済成長への悪影響をさらに長引かせ、インフレ率にさらなる下押 し圧力をかける可能性がある」との見解を示した。

同中銀のカーニー総裁は22日、自国通貨の上昇がインフレ目標を脅 かすとの感触を政策当局者が得るならば、「市場介入は常に選択肢として 存在する」と言明している。

各国中銀から、ドル安の進行に伴う自国通貨高をけん制する姿勢が みられることから、一段のドル売りは限定的となる可能性も残る。

この日のユーロ・ドル相場は、午前の取引で一時1ユーロ=1.5060 ドルと、昨年8月11日以来のドル安値を更新したものの、午後の取引で は1.50ドル割れとなる場面もあった。

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