米国債:四半期では上昇、昨年第4四半期以来最大の上げ

米国債市場では10年債が7-9 月(第3四半期)ベースで上昇。昨年第4四半期以降で最大の上げを 記録した。景気回復のペースが鈍化するとの兆候が示され、米連邦準 備制度理事会(FRB)は過去最低水準の政策金利を維持するとの見 方が広がった。

午前の取引でシカゴ購買部協会景気指数が予想外に低下したこと が示されると、2年債利回りは今年7月以来の低水準に3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01ポイント)未満に迫った。メリルリンチの データによると、7-9月期の米国債投資リターンは2.1%だった。

キャンター・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は、「債券相場の動向から、この夏の景 気回復は景気刺激策によるものだったことが証明されつつある。シカ ゴ購買部の統計がこれを裏付けている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時55分現在、10年債利回りは前日比1bp上げて3.31%。 10年債(表面利率3.625%、2019年8月償還)価格は2/32下げて 102 21/32。

10年債利回りは四半期ベースで24bp低下。8月10日には

3.89%まで上昇。9月11日には3.27%に低下した。

シカゴ購買部協会が発表した9月のシカゴ地区の製造業景況指数 (季節調整済み)は46.1と、前月の50から低下した。同指数は50 が生産の拡大と縮小の分岐点を示す。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値の最低値よりも低かった。

メリルリンチのデータによると、年初から前日までの米国債の下 げは2.4%に縮小した。今年上半期の米国債は4.5%値下がりし、少 なくとも1978年以降では最大の下げだった。過去最大規模の米国債 入札が嫌気された。

雇用統計

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に 基づく集計調査によると、9月の米民間部門の雇用者数は前月比25万 4000人減少した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央 値では20万人の減少が見込まれていた。

10月2日に発表される9月の米雇用統計では失業率は9.8%へ の上昇と予想されている。8月は9.7%だった。

コーン副議長

FRBのコーン副議長はワシントンで開かれた会議で、インフレ の抑制や貸し渋りに加えて、失業者の増加や設備稼働率の低迷が超低 金利政策を「長期間にわたり」正当化することになるだろう、との見 解を示した。

一方、FRBのウォーシュ理事は、景気や金融市場回復に向けた 政策の解除をFRBは導入時と同じ積極性を持って実行する必要があ るとの考えを示した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、 オンライン版)が先週、同理事の寄稿を掲載した。

グッゲンハイム・キャピタル・マーケッツの米金利トレーディン グ責任者のトム・ディガロマ氏は「コーン副議長がウォーシュ理事の 発言内容を覆した格好だ。コーン副議長は極めて重要な立場にある。 コーン副議長の発言前はウォーシュ理事の見解から、よりタカ派的な 語調になると予想されていた」と語る。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・ オドネル氏は、10年債利回りが年内3-3.5%のレンジで推移するだ ろうと予想している。同氏は「銀行のバランスシートへの負荷や貸し 倒れの増加、商用不動産問題」に加え、消費者が引き続き貯蓄を増や し、支出を抑えていることなどが重なり、利回りは3%に押し下げら れるだろうとみている。

財務省は10月1日、来週実施する入札の詳細を発表する。米調 査会社ライトソンICAPによると、発行額の予想は3年債が390億 ドル、10年債が200億ドル、30年債は120億ドル、10年物インフ レ連動債(TIPS)は70億ドルとなっている。

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