NY外為:ドル下落、景気回復の兆候でリスク資産に買い

ニューヨーク外国為替市場では ドルが大部分の主要通貨に対して下落。世界的な景気回復の兆候を受 けて高利回り資産の需要が高まり、ドルが売られた。ドルの対ユーロ 相場は四半期ベースで2四半期連続安。

スイス・フランはユーロに対し、ほぼ3カ月ぶりの高値から下げ た。スイス国立銀行(SNB)がフラン高を抑制するため、フラン売 り介入を実施したとの観測が背景。国際通貨基金(IMF)が評価損 の見通しを下方修正し、欧州中央銀行(ECB)の1年物資金入札で 需要が予想を下回ったこともリスク資産需要を強め、ドル売りにつな がった。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「世界中で強い経済指標が見られ た。金融市場は回復に向かっている。全体的な基調は緩やかなドル安 だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、ドルは対ユーロで0.3% 安の1ユーロ=1.4631ドル(前日は1.4587ドル)。四半期ベース では4.1%下落した。ドルは円に対して0.4%下げ、1ドル=89円 76銭。前日は90円9銭だった。四半期では6.8%安。円は対ユーロ で1ユーロ=131円39銭(同131円40銭)。四半期では2.9%上 昇した。

米ドルは2四半期連続下落

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は7―9月(第3四半期)に4.1%下落した。4―6月(第 2四半期)は6.2%下げていた。2四半期連続で下落するのは2008 年3月以来で初めて。

米連邦準備制度理事会(FRB)のコーン副議長は30日、ワシ ントンで開かれた会議で、貸し渋りや低インフレに加えて、労働力や 製品への需要が低迷しているため、事実上のゼロ金利政策を長期間に わたり維持することができるとの見解を示した。

国際通貨基金(IMF)は30日に発表した四半期報告で、世界 の準備通貨に占めるドルの割合が4-6月(第2四半期)に62.8% と、1-3月(第1四半期)の65%から低下したと明らかにした。一 方、ユーロの割合は第2四半期に27.5%と、第1四半期の25.9%か ら上昇した。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが30日発表した給与 名簿に基づく集計調査によると、9月の米民間部門の雇用者数はエコ ノミストの予想以上に減少。シカゴ地区の製造業景況指数は予想に反 して低下した。

GFTフォレックス(ニューヨーク)の外国為替調査ディレクタ ー、ボリス・シュロスバーグ氏は「20カ国・地域(G20)の中で米国 は出遅れているようだ。この流れが続くようなら、最終的にドルの悪 材料となるだろう」と述べた。

豪ドル、フラン、ポンド

豪ドルは主要16通貨すべてに対して上昇。8月のオーストラリ アの小売売上高や住宅建設許可件数、住宅ローン融資の増加がきっか け。オーストラリア準備銀行(RBA)が政策金利を現行の3%から 引き上げるとの思惑を背景に、四半期ベースで豪ドルは米ドルに対し て9.6%上昇した。

スイス・フランは対ユーロで0.4%安の1ユーロ=1.5167フラ ン。SNBが為替市場でフラン高抑制のため介入を実施したとの思惑 が背景にある。SNBの報道官はコメントを拒否した。

ポンドは2.8%安と、四半期ベースでの対ドルでの下落率は主要 通貨の中で最大だった。イングランド銀行(英中央銀行)が8月に資 産買い取り額を500億ポンド拡大し、1750億ドルに設定したことが ポンド売りを誘った。

ECBがこの日、実施した1年物資金入札での応札額は752億ユ ーロと、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の中 央値1375億ユーロを下回った。

IMFは30日、半期に一度の国際金融安定性報告書(GFSR) を公表し、世界の金融機関の融資や投資での評価損見通しを前回予想 より15%少ない3兆4000億ドル(約305兆円)に引き下げた。信用 市場の改善に加え、景気回復の初期の兆候が表れたことを理由に挙げ ている。

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