TOPIXが世界ワースト1位、鳩山政権政策や円高重し-9月騰落率

日本株の出遅れが鮮明だ。9月の 月間パフォーマンスは、TOPIXが世界の主要株価指数の中で最も悪 かった(30日の日本株取引終了時点)。欧米を中心とした世界の株式 相場の上昇基調が続く中、日本株は中期的なトレンド線を割り込んで調 整局面入りの様相。鳩山新政権の政策不安や、為替相場の円高傾向など が重しとなっている。

りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジ ストは、「民主党新政権への評価がこのような形で表れたと言ってよい と思う」との見方を示す。

9月の世界主要88指数の騰落状況(基準通貨米ドル)を見ると、 TOPIXはマイナス2.30%安。エクアドルのグアヤキル証券取引所 株価指数(29日時点でマイナス1.71%、以下同じ)、ポーランドのワ ルシャワWIG20種(マイナス1.65%)、クウェート証券取引所指数 (マイナス0.88%)を抑えて世界最悪だ。

一方、先進国23カ国を対象とするMSCIワールドインデックス は日本時間30日の午後3時25分時点でプラス4.1%となっており、 日本を除くアジアや欧米を中心にした株式相場は上昇トレンドを維持し ている。各国が金融緩和政策など危機対応で足並みを揃えて相場を支え る中、日本株だけが取り残された格好だ。

日本株だけ軟調となった独自要因とは何か――。要因の1つとして、 8月30日の衆院総選挙で勝利した鳩山新政権の政策を挙げる声が多い。 明和証券の矢野正義シニアマーケットアナリストは、「新政権による政 策に対して投資家は疑心暗鬼。具体策が出てくるまでは、相場に織り込 めず、民主党リスクが上値を抑えている」と話す。

ブルームバーク・データで東証1部の業種別33指数の騰落状況を 見ると、1位証券(マイナス22%)、2位その他金融(同18%)、3 位銀行(同13%)、4位空運(同10%)などとなっており、9月は金 融株中心に下げた。世界的な自己資本規制強化の流れが警戒される中、 亀井静香金融相が「返済猶予(モラトリアム)」制度を表明し、経営環 境の悪化が懸念された。

三井住友アセットマネジメントの山岸優チーフストラテジストは、 「新政権の発足でお手並み拝見となったが、大臣から発せられる発言は 資本主義に逆行するもので、日本株を見送る要因になった可能性があ る」と指摘している。

円急伸

もう1つの要因は為替相場の円急伸。9月のドル・円相場の平均値 は1ドル=91円38銭。4月から8月末までの平均値は同96円29銭 だったが、内需回帰を唱える新政権が誕生した9月以降は、円が上昇し ている。6月調査の日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)では、大 企業製造業の2009年度の想定為替レートは1ドル=94円85銭だった ため、下半期の輸出採算性悪化への警戒感が高まった。

各国政府の金融緩和政策の長期化からドル安観測がくすぶる中、藤 井裕久財務相が為替市場への介入に慎重な姿勢を示し、東京時間28日 午前には1ドル=88円24銭まで円が急伸し、8カ月ぶりの円高水準と なった。

三井住友アセットの山岸氏は、「外需中心の企業業績の回復期待で 相場は戻ってきたが、為替相場の円高傾向を受けて冷や水を浴びせられ た」と見る。ブルームバーク・データで年初から8月末までの33業種 別の騰落率上位を見れば、輸出関連業種が相場のけん引役だったことが 分かる。輸送用機器(51%高)が1位、精密機器(36%高)が4位、 電機(34%)が5位と上位を占めていた。

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