「闘う」建築家の安藤忠雄氏、南仏のワイナリーにアートセンター計画

フランク・ゲーリー氏、ジ ャン・ヌーヴェル氏、レンゾ・ピアノ氏といった建築界の巨匠が かかわった新アートセンターが来年南仏に開館する。彼らの英知 を率いる役割を果たしたのが安藤忠雄氏だ。

独学で設計を学び、建築界最高の賞であるプリツカー賞を 1995年に受賞した建築家の安藤氏(68)は同アートセンターの マスタープランを策定したほか、敷地面積3000平方メートルの メインギャラリーを設計した。

南仏エクサンプロバンスの「シャトー・ラ・コスト・ワイナ リー」に開館するアートセンターにはゲーリー氏設計の音楽パビ リオンや、ヌーヴェル氏によるワイン貯蔵室、ピアノ氏とノーマ ン・フォスター氏が手掛ける他の建築物が配されるという。安藤 氏含め5人全員がプリツカー賞受賞者という超一流のチームだ。

安藤氏は東京でのブルームバーグ・ニュースとのインタビュ ーで、同アートセンターについて、「水面を作って、ギャラリー が水面のなかに浮いているように見せる」と述べた。代表作の1 つ、大阪「光の教会」に見られるように、コンクリートを使った 幾何学的建築で知られる安藤氏は、同アートセンターには野外の 彫刻庭園やレストラン、ゲストルーム約20室の小さなホテルが 設けられると説明した。

自然と歴史と美術の共有

安藤氏はまた、セザンヌやゴッホの芸術的霊感の源となった 南仏の田園地方に計画された新プロジェクトは、「自然と歴史と 美術というものを人間が共有できる」環境を作ろうと心がけてい る自身の内的関心と一致すると述べた。

安藤氏の自伝「建築家、安藤忠雄」(2008年)によると、 建築学を正式に勉強したことがない安藤氏は17歳の時に、わず か1カ月足らずの練習でプロボクサーのライセンスを取得。工業 高校卒業後、建築を志した安藤氏は建築周辺の雑多な仕事を手掛 けながら、国内外を行脚した末に28歳で建設事務所を設立、54 歳でついにプリツカー賞を受賞するまでに上り詰めた。安藤氏は 「リングの中でボクシングをした時に、誰も助けてくれないとい うことを学んだ」と語った。

2016年の東京オリンピック招致委員会の理事を務める安藤 氏は「日本の太陽エネルギーや風力発電を含めて自然エネルギー に対する技術レベルは世界でも有数と言われてきた。東京が化石 エネルギーの時代から自然エネルギーの時代に転換するときの代 表的都市にならないか」という思いがオリンピック誘致にあると 説明した。

ゴミ埋立地を森に再生

また同氏は現在、東京湾のゴミの埋立地を森に変える「海の 森」プロジェクトにも力を入れている。3年前から東京の小学生 が埋立地に植樹するイベントも始まった。同氏は世界の主要都市 で精力的に講演活動を行い、50万人から1人当たり1000円の 寄付を集めることを目指している。「環境というものが人間と深 くかかわっているということを子どもたちに知ってもらいたい」 と同氏は語った。

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