9月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで上昇。2週間 ぶりの高値を付けた。9月の米消費者信頼感指数が予想外に低下した ため、低金利のドルで資金を調達し、高利回り資産で運用する動きが 弱まった。

ポンドは対ユーロで6月以来の大幅高。英国内総生産(GDP) の上方修正がポンド買い・ユーロ売りを誘った。ロシアが外貨準備に 占めるドルの割合を維持する方針を示したため、中央銀行の外貨準備 の多様化が進みドル離れが起こるとの懸念が弱まった。これも朝方の ドル買い材料となった。

RBSセキュリティーズの為替戦略責任者、アラン・ラスキン氏 は「米個人消費は世界の景気回復で大きな要素だ。個人消費が低迷す れば、景気回復も鈍るだろう。ドルの先安を見込んだ持ち高は全般に 逆をつかれた」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは対ユーロで0.4%高の 1ユーロ=1.4571ドル(同1.4622ドル)。一時は1.4527ドルと、 今月14日以来のドル高水準を付けた。円は対ドルで0.6%下げ、1 ドル=90円21銭。前日は89円63銭だった。円は対ユーロで

0.3%安の1ユーロ=131円44銭。

円は主要16通貨すべてに対して下げた。藤井裕久財務相が為替 介入の可能性に言及したことが円売りを誘った。

同財務相は記者会見で、為替相場が「異常に動いたら国益のため にしかるべき措置を取ることもあり得る」と発言。円高を是認してい るわけではないとの認識を示した。

16日に民主党新政権が誕生した直後、藤井財務相は為替介入に 原則的に反対する姿勢を表明した。

ドル離れ懸念が後退

ロシア中央銀行のウリュカエフ筆頭副総裁は29日、モスクワで 記者団に対し、外貨準備のうち米国債が占める割合を30%程度で維 持する考えを示し、オーストラリア・ドルやカナダ・ドルへの多様化 は流動性に懸念があるとして避けた。

スコシア・キャピタルの外国為替トレーディング責任者、スティ ーブン・バトラー氏(トロント在勤)は「中央銀行が外貨準備を多様 化し、ドルから急速に離れている兆候はない。だれもドルの暴落を望 んでいない」と指摘した。

ブラジル、ロシア、インド、中国(BRICs)は6月、ドルへ の依存度を下げるため、相互の国債購入と通貨スワップを検討した。 ドルは9月23日に対ユーロで1.4844ドルと年初来安値を付けた。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが29日発表した9月 の消費者信頼感指数は53.1と、前月の54.5(速報値54.1)から 低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値の57.0も 下回った。

ポンド上昇

ポンドは対ユーロで一時、6月1日以来で最大の1.1%高とな る場面もあった。英政府統計局(ONS)が29日発表した2009年 4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)確定値(季節調整済 み)は、前期比0.6%減となった。先月28日公表の改定値(0.7% 減)から小幅に上方修正された。

イングランド銀行(英中央銀行)の会議に出席した複数のエコノ ミストの話として、同中銀が金融機関が中銀に積む準備預金の金利変 更を近く計画していないとロイター通信が報じたこともポンド買いを 誘った。同中銀はまた、ポンド相場に関する前週のキング総裁の発言 に対する市場の解釈に懸念を表明したという。

ポンドは先週、対ユーロで5カ月ぶりの安値に下落した。英紙ニ ューカッスル・ジャーナルが報じたところによると、英中銀のキング 総裁は24日、経済が再均衡を図る過程においてポンド下落は「一助 となる」と発言した。

シティグループの通貨ストラテジスト、マイケル・ハート氏(ロ ンドン在勤)は、ポンドが対ユーロで3-6カ月以内に等価まで下落 すると予想した。英国経済が世界のほかの地域に比べて後れを取って いることに加え、金融システムが脆弱(ぜいじゃく)なことを理由に 挙げた。

ゴールドマン

ゴールドマン・サックス・グループの通貨ストラテジスト、トー マス・ストルパー氏(ロンドン在勤)は29日付の顧客向けリポート で、ドルが一段安になるリスクが高まっており、その後の回復時期は 依然として不透明であるとの見方を示した。

ストルパー氏はほかの主要中央銀行と比べ、米連邦公開市場委員 会(FOMC)の利上げ時期が遅くなり、ドル回復を危くすると指摘 した。さらに、海外投資家が米国への投資に二の足を踏み、米財政赤 字は一段と拡大すると予想した。

同氏は対ユーロのドルが1.40-1.50ドルのレンジ内で安定す る可能性があるとしながらも、「ドルはクロス取引の大部分でもう少 し低いレンジでの値固めとなるリスクが強まっている」と指摘した。 今後1年間の対ユーロでのドルについては1.35ドルまで上昇すると の見通しを維持した。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。テクノロジー関連株が1年ぶり高値から値 下がりしたほか、ドルの上昇で原油相場が下げたことを受けエネルギ ー関連株も軟調に推移した。7月の住宅価格指数が前月比で4年ぶり の大幅上昇を記録したものの、貢献度は限定された。

ネットワーク機器最大手シスコシステムズと半導体最大手インテ ルはともに下落し、テクノロジー株の下げの中心となった。エクソン モービルも安い。ドルが対ユーロで2週間ぶり高値に上昇したことを 背景に原油相場が値下がりしたことが売りにつながった。

一方、住宅建築大手のKBホームは値上がりし、住宅建設株の上 昇をけん引。7月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケ ース・シラー住宅価格指数が前月比で4年ぶりの大幅な伸びを示した ことが買い材料になった。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1060.61。一時は

0.6%上昇する場面もあった。ダウ工業株30種平均は同47.16ド ル(0.5%)下落の9742.20ドル。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズのランディ・ベイ トマン最高投資責任者は「相場はこれまでかなり上昇した」と指摘。 「不確実性を考慮すればバリュエーションが十分に回復したことから、 一部投資家が資金を引き揚げた」と述べた。

S&P500種株価指数は3月に記録した12年ぶり安値から 57%値上がり。ブルームバーグのデータによると、株価収益率(P ER、営業利益実績ベース)は約20倍と、04年以来の高水準とな っている。アルミニウム生産最大手のアルコアはダウ工業株30種平 均の採用銘柄では先陣を切って、10月7日に7-9月期の決算を発 表する。

S&P500種のテクノロジー株指数は0.7%安。前日は08年9 月以来の高値で取引を終えていた。同指数は年初来では45%高と、 セクター別の上昇率では依然トップを維持している。

シスコ、インテルが安い

シスコシステムズとインテルはともに1.3%値下がりした。

S&P500種のエネルギー株指数は0.6%安。ドルの上昇が影 響した。エネルギー最大手のエクソンモービルは0.8%下げた。

ドルは対ユーロで2週間ぶり高値に上昇。9月の米消費者信頼感 指数が予想に反して低下したことを受け、利回りの高い通貨への需要 が後退したことが背景。

金融保証会社(モノライン)最大手のMBIAは4.7%安。格 付け会社S&Pが同社の信用格付けを従来の「BB」から引き下げ、 投資適格級を3段階下回る「BB-」を付与したことを嫌気した。S &PはMBIAのストラクチャードファイナンス商品に絡む損失の継 続を格下げの理由に挙げた。

「惜しみなく投資」

ウエストウッド・マネジメントのファンドマネジャー、マーク・ フリーマン氏は、「投資家は営業ベースで業績の良い企業を積極的に 物色しており、そうした企業には惜しみなく資金を投じている」と指 摘。「リセッション(景気後退)は抜け出したかも知れないが、環境 は依然厳しい。こうした低成長の環境では、すべての企業が好調に事 業を展開できるとは限らない」と述べた。

KBホームは1.6%高。7月の米S&P/ケース・シラー住宅 価格指数が前月比で1.2%上昇し、ほぼ4年ぶりの大幅な伸びを示 したことが買い材料。

キャボット・マネー・マネジメント(ボストン)のロバート・ラ ッツ社長は「住宅市場は底を打った」と指摘。「株式相場が見極めた いのは個人消費の健全性だ。住宅価格が少し上昇するたびに景気の底 が形成され、市場はそれを好感する」と述べた。

ウォルグリーン、ガネットが高い

ドラッグストアチェーンのウォルグリーンは9.2%高の37.35 ドルと、08年4月以来の高値を付けた。同社の6-8月(第4四半 期)の決算では1株当たり利益がアナリスト予想を13%上回った。 処方薬の販売増が寄与した。

新聞発行のガネットは18%高と、S&P500種構成銘柄の上昇 率トップ。同社は7-9月の決算が市場予想を上回るとの見通しを示 し、4億ドルの優先債を起債する計画を発表した。

◎米国債市場

米国債市場では10年債相場がほぼ変わらず。利回りが2週間 ぶりの低水準近くにあるほか、今週発表される9月の米雇用統計で雇 用減のペース鈍化が予想されていることから、積極的な買いはみられ なかった。

午前に発表された7月の米スタンダード・アンド・プアーズ (S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で13.3%低 下、エコノミスト予想ほどは落ち込まなかった。同指数の発表後、米 国債は売られた。9月の米消費者信頼感指数は予想外に低下した。

債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マ ネジメント(PIMCO)のビル・グロス共同最高投資責任者(CI O)はデフレ懸念が再燃するなか、ここ数週間は期間の長い米国債を 購入していると明らかにした。

スタイフェル・ニコラウスの債券ストラテジスト、ジム・デマ シ氏は「消費者信頼感指数が予想外の低下を示すまで、朝方は売りが 続いていた。長期的には米国債利回りは上昇するとみている」と述べ た。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時43分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上げて3.29%。一時は9月11 日以来の低水準となる3.27%を付けた。10年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還)価格は3/32下げて102 25/32。

PIMCOのウェブサイトによると、グロス氏は運用資産 1775億ドルの「トータル・リターン・ファンド」に占める政府債の 割合を7月の25%から44%に引き上げた。これは2004年8月以来 の高水準。一方、住宅ローン担保証券の比率は47%から38%に減ら した。

消費者信頼感指数

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した9月の消 費者信頼感指数は53.1と、前月の54.5から低下した。現況指数、 今後6カ月の期待指数はともに低下した。

2年債と10年債の利回り格差は2.30ポイントに縮小。米金 融当局が政策金利の引き上げを見送るとの見方が背景にある。利回り 格差は今年5月27日に過去最大の2.75ポイントに拡大していた。 米財務省による巨額の国債発行がFRBの借り入れコスト抑制策の影 響を打ち消すとの懸念が長期債売りにつながっていた。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリア ム・オドネル氏は、投資家に中長期債の押し目買いを推奨した。同氏 は「国債市場では、世界的なリスク選好の動きが実際は『リスクの低 い』国債の利回りを押し下げる一助となっている構図がある」と述べ た。

ロシアの外貨準備

ロシア中央銀行は、外貨準備に占める米国債の割合を約30%で 維持することを明らかにした。同国の米国債保有額は1180億ドル、 世界最大の保有国は中国の8010億ドル。日本は7250億ドルとなっ ている。

金利先物市場動向によると、フェデラルファンド(FF)金利 誘導目標が12月に0.25ポイント引き上げられ0.5%になっている 確率は4.7%。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合は11月 4日に開かれる。

財務省は10月1日、入札の詳細を発表する。米調査会社ライ トソンICAPによると、発行額の予想は3年債が390億ドル、10 年債が200億ドル、30年債は120億ドル、10年物インフレ連動債 (TIPS)は70億ドルとなっている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は小幅続伸。ドルが伸び悩んだため、代 替投資としての需要が高まり、朝安から上げに転じた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は一時0.4%上昇したが、前日比ほぼ変わらずで終えた。 ドル指数が年初から5.2%下落している一方、金は12%上昇してい る。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドデ ィーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は「ドルが軟化し始め、 株価が戻すと、金には押し目買いが入った」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物12月限は前日比30セント高の1オンス=994.40ドルで取引を 終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は下落。ドルが対ユーロで上昇し、代替投 資としての商品の魅力が減退した。燃料在庫の増加予想も売り材料だ った。

原油価格は今年2月以降、約2倍に上昇。この間ドルは対ユー ロで17%下落した。先週の燃料在庫は製油所の点検整備を背景に増 加したとの予想が広がっている。

トラディション・エナジー(コネティカット州)のアナリスト 兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「ドル相場は今後も原油価 格の先行指標となる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は 前日比0.13ドル(0.19%)安の1バレル=66.71ドルで終えた。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は続伸。フランスの銀行、BNPパリバが公的資金 返済を目的とした増資計画を発表したほか、米住宅価格指数がリセッ ション(景気後退)が和らぎつつある兆候と受け止められ、株価は上 昇した。

BNPパリバは2.4%高。同行は43億ユーロの増資計画を明ら かにした。英保険会社、リーガル・アンド・ゼネラル・グループを中 心に保険株が高い。企業買収の動きが加速するとの思惑から買いが膨 らんだ。

一方、ドイツのエンジニアリング会社シーメンスがこの1年間は 「困難な」年だったとの見方を示したことで売られたほか、9月の米 消費者信頼感指数が予想に反して低下したことから、株価指数は伸び 悩んだ。

ダウ欧州600指数は前日比0.2%高の243.59で引けた。この 日の取引は方向感のない展開に終始した。同指数は3月9日の水準か ら54%上げている。ブルームバーグのデータによれば、同指数構成 銘柄の株価収益率(PER)は2003年以来の高水準となった。

ウニクレディト・プライベート・バンクの調査責任者、モニカ・ ローゼン氏(ウィーン在勤)はブルームバーグテレビジョンとのイン タビューで、「市場は明らかに予想以上に底堅いことを示した。株式 をオーバーウエートとしているかどうかにかかわらず、市場はやや神 経質になっている」と語った。

29日の西欧市場では、18カ国中11カ国で主要株価指数が上昇。 ダウ・ユーロ50種指数は前日比0.2%安となった一方で、ダウ・欧 州50種指数は0.2%上昇した。

リーガル・アンド・ゼネラルは続伸し、4.8%高となった。27 日付の英紙サンデー・テレグラフによれば、同社は、英資産家クライ ブ・カウデリー氏率いる投資会社レゾリューションによる買収回避に 向け文書を準備している。レゾリューションは先月、英生保のフレン ズ・プロビデント・グループ買収で合意した。

英保険会社のアビバとスタンダード・ライフはいずれも3%上げ た。ダウ欧州600指数を構成する19産業グループの中で、保険株 指数は最大の上げを記録した。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ドイツ2年債相場が下落。9月のユーロ圏景況 感が1年ぶり高水準となったことを受け、安全資産としての国債需要 が後退した。

独2年債利回りはほぼ1週間ぶり高水準となった。欧州連合(E U)の欧州委員会が同日発表した9月のユーロ圏景況感指数は82.8 と、前月の80.6から上昇した。イタリアが約97億ユーロ相当の国 債入札を実施したほか、7月の米住宅価格指数の低下率が市場予想よ りも小幅だったことも、国債相場の押し下げ要因となった。

クレディ・スイス・グループのシニア債券ストラテジスト、ミヒ ャエル・マルコビッチ氏(チューリヒ在勤)は、「利回りが低下する トレンドは比較的早期に終わる。経済状況の改善は続くだろう」と語 った。

ロンドン時間午後4時40分現在、2年債利回りは前日比3ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.25%。一時は

1.28%まで上げた。同国債(表面利率1.25%、2011年9月償還) 価格は0.06ポイント下げ100.01。

一方、10年債利回りは前日比3bp低下の3.22%。この結果、 2年債との利回り格差(スプレッド)は198bpとなり、8月26日 以降で最小となった。

◎英国債市場

英国債市場では2年債相場が下落。同利回りは前日比12ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し、0.89%。一 方、10年債利回りは3.61%と、前日から2bp低下した。一時は

3.67%まで上昇する場面もあった。

外国為替市場ではポンドの対ユーロ相場が6月初め以来の大幅高 となった。英産業連盟(CBI)が発表した9月の英小売売上高指数 が過去5カ月で最高となったことが背景。

イングランド銀の金融政策委員会(MPC)は今月、資産買い取 り規模を1750億ポンド(約25兆1800億円)に維持することを決 定した。MPCは借り入れコストを引き下げ、第2次対戦以降最悪の リセッション(景気後退)からの脱却を目指している。

東京ニューズルーム  +81-3-3201-8900

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 藤田比呂子 Hiroko Fujita +81-3-3201-8662 hfujita2@bloomberg.net Editor:Akiko Kobari 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE