東京外為:円弱含み、財務相の介入発言で売り優勢―対ドル90円挟み

東京外国為替市場では円が弱含 み。前週末からの急激な円高に一服感が広がる中、株価の反発に伴う 投資家のリスク許容度改善期待から円売り・高金利通貨買いが優勢と なった。藤井裕久財務相が異常事態では為替介入もあり得ると発言し たことも円売りを後押しした。

1ドル=89円台後半で東京市場を迎えたドル・円相場は徐々にド ル高・円安基調が強まり、午前10時過ぎには一時90円23銭まで円売 りが進行。その後は90円ちょうどを挟んで一進一退の展開が続いた。

みずほコーポレート銀行国際為替部の佐藤大参事役は、きのうは 日本が介入しないという方向性で88円台まで円高が進んだが、きょう の東京市場では「円高是認とは言っていないとの発言がけんでんされ て、ショートカバー(ドルの買い戻し)がより一段大きくなった」と説 明する。

一方、大半の日本企業の半期末をあすに控えて、新たに持ち高を 傾けることには慎重な向きが多く、円売り一巡後は小動きの展開とな った。週後半に日銀短観や米雇用統計など重要指標を控えていること も、様子見姿勢を強める背景となったようだ。

ユーロ・円相場も1ユーロ=131円ちょうど付近からじりじり円売 りが進み、午後には131円79銭まで円が下落。日米株高を背景に投資 リスクが取りやすくなるとの見方から高金利通貨を選好する動きが強 まった。

財務相、異常な動きには「しかるべき措置」

藤井財務相は29日午前の閣議後の会見で、前日に約8カ月ぶりと なる88円台まで一時急伸した円相場の動向について「異常に動いたら 国益のためにしかるべき措置を取ることもあり得る」と述べ、為替介 入も辞さない構えを示した。また、「円高是認とはひと言も言っていな い。継続的な通貨安政策は必ず世界経済を破滅させる」との考えをあ らためて示した。

先週は藤井財務相が為替介入に慎重な発言を繰り返したことか ら、民主党政権は円高を容認するとの観測が広がり、週末にかけて円 買いが加速した。週明け28日のアジア市場では円が対ドルで1月23 日以来となる88円24銭まで円高が進む場面があり、日本株が大幅下 落する要因となった。

東海東京証券金融市場部トレーディンググループマネージャー、 二瓶洋氏は、財務相発言の変化について、輸出企業の対応が追いつか ないレベルまで円高が進んだ状況を受けて、企業業績の腰折れを避け たいという姿勢がにじみ出ていると指摘する。

もっとも、市場関係者の間では、実際に日本の金融当局による円 売り介入の可能性が高まったとみる向きは少ない。

為替介入に対する見方

みずほコーポレート銀の佐藤氏は、ドル以外の通貨に対してはそ れほど極端な円高になっているわけではないとした上で、例えばドル 安が進み、米国債が暴落するなどして「米国の要請で協調介入という ことはレベルに関係なくあるのかもしれないが、ドル・円がこのレベ ルだから介入するということはない」と言い、日銀による単独介入の 可能性について否定的な見方だ。

カナダロイヤル銀行債券為替部の高安佳子部長も、「今のレベル はおそらく『異常事態』ではないので、介入はまだ先の話。そういう 意味ではまだ円高の流れが変わったという感じはない」と語り、足元 の円の下落については、急激な円高進行の後の「スピード調整」に過 ぎないとの見方を示す。

ユーロ・ドルは1.4600ドル絡み

一方、ユーロ・ドル相場は午前に1ユーロ=1.4600ドルを割り込 む場面も見られたが、前日に付けた今月15日以来のユーロ安値 (1.4565ドル)を試す勢いはなく、その後は1.46ドル台前半から半 ばでもみ合う展開となった。

高安氏によると、1.4600ドルにはこの日のニューヨーク時間に行 使期限を迎えるオプションが設定されている。このため、同オプショ ンに絡んだ売り買いが交錯しやすいという。

---取材協力 吉川淳子 Editor:Hidekiyo Sakihama Hidekiyo Sakihama

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