日本株は反発、円高一服し輸出上昇-証券も、デフレ懸念で戻り鈍い

日本株相場は反発。為替相場で 急激な円高進行が一服したため、今年度下半期の業績悪化に対する過 度の警戒感が後退し、電機や自動車、精密機器などの輸出関連株が買 い直された。公募増資による1株価値希薄化への懸念で、直近急落し ていた野村ホールディングスをはじめ証券株も高い。

日経平均株価の終値は前日比90円68銭(0.9%)高の1万100 円20銭。TOPIXは同1.16ポイント(0.1%)高の904.00。

岡三アセットマネジメントの伊藤嘉洋上席ストラテジストは、 「ドルキャリー取引や、月末に向けた国内勢のレパトリエーション (自国への資金回帰)は一巡しつつあり、10月以降の為替相場は落 ち着きを取り戻すだろう」と指摘。世界経済は回復基調にあり、「過 剰流動性は続いているため、相場は大きく下がることはないと見てい る」と話した。

TOPIXの上昇寄与度上位には電機、輸送用機器、精密機器な どが入った。東京時間のドル・円相場は1ドル=90円台に入るなど、 直近の急激な円高が一服。米金融緩和の長期化や日本政府の円高容認 観測を背景に、前日午前は同88円24銭と8カ月ぶりの円高水準ま で急伸したが、藤井裕久財務相が「異常事態では、為替介入もあり得 る」と発言したと29日午前に時事通信などが報道し、円安方向への 動きを見せた。

また、東証1部の業種別33指数の値上がり率1位は証券。野村 ホールディングスは4%以上の上げで、10営業日ぶりの反発。売買 代金上位では野村HDのほか、みずほフィナンシャルグループ、三井 住友フィナンシャルグループなど、自己資本規制強化や増資に伴う1 株価値希薄化への懸念で、急落が目立っていた金融株の戻りが目立っ た。東証1部の売買高は18億323万株。

戻り鈍く、ディフェンシブ中心内需弱い

上昇して終えたものの、相場の戻りは鈍かった。大阪証券取引所 の日経平均先物12月物は、前日のシカゴ先物市場(CME)の円建 て清算値1万205円に一度も届かず、日経平均現物も前日までの2 日間の下げ幅534円に対し、この日の戻りは90円にとどまった。東 証1部の騰落銘柄状況は、値下がり826と値上がりの719を上回り、 全般的に軟調な値動きの銘柄の多さから、TOPIXは午後に一時マ イナスで推移する場面もあった。

下げが目立ったのが、電気・ガスや情報・通信、食品、陸運など のディフェンシブ銘柄だ。いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、 「CPI(消費者物価指数)はデフレ傾向を鮮明に示唆している。内 需不振の深刻化懸念がディフェンシブ売りにつながっている」と指摘 していた。

朝方発表された8月の全国の消費者物価指数(除く生鮮食品、コ アCPI)は、前年比の下落率が4カ月連続で過去最大を更新した。

洋エンジや神戸鋼高い、ダイセキやWNIウェ急落

個別では、第2四半期(4-9月)の業績予想を増額修正した東 洋エンジニアリングが午後に急伸し、5日ぶりに反発。29日付の日 本経済新聞朝刊で、自動車や家電部品に使う銅製品を増産すると報じ られた神戸製鋼所も上昇。みずほ証券が投資判断を「3(ホール ド)」から「1(強い買い)」に2段階上げたカルソニックカンセイ、 三菱UFJ証券が新規に投資判断を「2(アウトパフォーム)」とし たDOWAホールディングスは反発した。

半面、産業廃棄物の処理受託量の回復ペースが予想以上に遅いと し、10年2月期の業績予想を下方修正したダイセキが大幅反落。先 行投資負担などで第1四半期は大幅減益のウェザーニューズも急落し、 ムーディーズ・インベスターズ・サービスが格付け見通しは「ネガテ ィブ」とした武富士が3日続落した。

新興3市場も堅調、スパクスGは1万円割れ

国内の新興3市場は、ジャスダック指数が前日比0.1%高の

49.46、東証マザーズ指数は同1.4%高の450.19、大証ヘラクレス 指数が同0.1%高の595.57と、小幅ながらそろって上昇。

個別では、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS) の会員数が9月25日に1500万人を突破したグリーが3日ぶりに反 発。光波は52週高値を更新し、日本ライトン、田中化学研究所、フ ェローテックの上げが目立った。

半面、大和証券が投資判断を引き下げたデジアーツが3日続落。 いちよし証券が投資判断を「買い」から「売り」に下げたバックスグ ループが大幅続落。米国と欧州のマーケティング子会社を解散すると 前日発表のスパークス・グループは連日安で、終値では5カ月半ぶり の1万円割れ。

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