今日の国内市況:株は大幅続落、債券堅調-円が一時8カ月88円台

日本株相場は大幅続落。日経平均 株価は7月24日以来、約2カ月ぶりに一時1万円台を割り込んだ。ド ル・円相場で円が急伸し、業績悪化懸念から電機、自動車など輸出関連 株が下落。自己資本規制強化への警戒、増資に伴う1株価値希薄化への 懸念などから、証券や銀行といった金融株も売られた。

日経平均株価の終値は前日比256円46銭(2.5%)安の1万9円52 銭。TOPIXは同19.83ポイント(2.2%)安の902.84。東証1部の 業種別33指数は、電気・ガスや倉庫・運輸、小売などを除く28業種が 安く、時価総額は298兆円と7月23日以来、300兆円を割り込んだ。

週明けの日本株相場は、朝方から下げ基調を強めた日経平均が午後 早々に一時、294円安の9971円と7月24日以来の安値まで下げた。投 資家の中期的な平均売買コストである75日移動平均線(1万71円)も 7月15日以来、2カ月半ぶりに割り込み、目先は調整局面入りの様相 を呈している。

投資家が警戒感を強めているのが、為替相場の動向だ。東京時間 28日午前には、ドル・円相場が一時1ドル=88円24銭と、1月以来の 円高水準まで急伸。米金融緩和が長期化するとの見方からドルの先安観 が強まっている上、藤井裕久財務相が為替介入に否定的な姿勢を示して いることなどを材料視し、円買いの動きが活発だった。

ただ藤井財務相は午後、ブルームバーグ・ニュースの東京支局で行 われた講演で、「為替は安定的なのが望ましい」などと発言し、円上昇 の勢いはやや鈍った。しかし、ドルの先安・円の先高観は根強く、輸出 関連株が終日相場の下げを主導。TOPIXの下落寄与度上位に電機、 輸送用機器、化学、機械などが並んだ。

日本銀行が7月に発表した6月調査の企業短期経済観測調査(短 観)では、大企業製造業の今年度の想定為替レートは1ドル=94円85 銭、足元の為替水準はこれより5円以上の円高だ。今後始まる第2四半 期(7-9月)決算の発表を控え、採算性悪化の懸念から、輸出関連株 には売りが出やすかった。

自己資本規制の強化を警戒し、銀行株も売られた。20カ国・地域 (G20)首脳は25日、声明で、銀行に健全な報酬慣行を直ちに実行す るよう求めるとともに、2013年までに自己資本規制の強化を図る方針 を明らかにした。金融機関が一段の増資に動けば、1株利益の希薄化に つながるとの懸念が根強い。公募増資を24日に発表した野村ホールデ ィングスは下げ止まらず、半年ぶりの安値水準。

東証1部市場の騰落状況は値上がり銘柄数458、値下がり1138。売 買高は21億2047万株、売買代金は1兆4126億円。

長期金利は2カ月半ぶり低水準

債券相場は堅調(利回りは低下)。外国為替市場で円相場が8カ月 ぶり高値圏に到達したため、外需依存の景気回復期待の後退や、これを 受けた株安が先物主導の買いを促した。長期金利は午後に入って2カ月 半ぶりの低い水準で取引された。

東京先物市場の12月物は前週末比22銭高い139円26銭で始まり、 一時は中心限月として3日以来の高値となる139円40銭をつけた。そ の後も139円30銭付近で堅調な展開が続いた。午後に円高や株安の勢 いが鈍ると上値は抑えられ、結局は27銭高の139円31銭で引けた。 日中売買高は1兆7130億円だった。

現物市場で新発10年物の303回債利回りは、前週末比2ベーシス ポイント(bp)低い1.285%で始まり、新発10年債としては14日以来の

1.3%割れとなった。その後は1.285%で小動きが続いたが、午後2時半 前後には1.28%と7月9日以来の低い水準をつけた。その後も1.28% で取引された。

5年物の85回債利回りは午前に1.5bp低下の0.565%まで低下した が、その後は売りが優勢の展開となっており、午後には変わらずの

0.58%まで戻している。

財務省は29日に2年利付国債(10月債)の入札を実施する。2年 物の284回債はこの日に0.22%で取引されているため、新発債の表面 利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント低い0.2%となる見通し。 発行額は前回債と同じ2兆4000億円程度。

2年債のクーポンが0.2%に引き下げられれば、量的緩和局面にあ った2005年11月以来の低い水準にあたるが、市場では無難な結果を予 想する見方が有力。

新発2年債利回りは8月半ば以降にじりじりと水準を切り下げてお り、9月14日には0.20%ちょうどと、2005年9月以来の低い水準まで 下げた。その後は0.205-0.22%で安定的に推移している。

円が午後伸び悩む―一時8カ月ぶり88円台

東京外国為替市場では午後の取引にかけて円が伸び悩んだ。藤井裕 久財務相が市場に広がっていた円高容認観測を否定する発言をしたこと から円買いの勢いが鈍る格好となった。

ただ先週末に米国のピッツバーグで開かれた20カ国・地域(G 20)首脳会合(金融サミット)を受けて、各国政府による金融緩和策の 継続見通しを背景としたドルの先安観は根強く、ドル高・円安の進行も 限られた。

ドル・円相場は朝方の取引で一時1ドル=88円24銭と、1月23 日以来の円高値を付けていたが、午後の取引では89円台半ば近辺まで 円が反落。その後は89円台前半でもみ合った。

ユーロ・円相場は朝方に一時1ユーロ=129円83銭と、7月14日 以来の水準まで円高が進んだあと、午後は130円台まで円安方向に戻し た。

藤井財務相が24日に安易な市場介入に反対する姿勢を示したのを 受けて、為替相場は先週末の海外市場から円買いが一段と活発化。週明 けの東京市場では対ドルで約8カ月ぶりの水準まで円高が進む中、株式 市場では急激な円高の進行が輸出企業の収益圧迫要因になりかねないと の懸念から、日経平均株価が1万円台を割り込む場面もみられた。

この日の昼過ぎに藤井財務相は記者団に対し、「最近の動きはトレ ンドが変わったとは思っていないけれど、やや一方に偏ってきているな と思っている」との認識を示していた。また、午後には、ブルームバー グ東京支局で講演を行い、為替相場について「円高になるのを放置する とは全然言っていない」と述べた上で、「通貨は安定するのは望まし い」と話した。

一方、G20金融サミットの首脳声明では、短期的には景気刺激策 を継続することが示された。出口戦略は景気回復が十分に確保された時 点で実施されるべきだとして、11月のG20財務相・中央銀行総裁会議 に結論が持ち越される格好となった。

各国の景気刺激策が継続される見通しとなるなか、ドルの短期金利 が一段と低下。低金利のドルで資金を調達して比較的利回りの高い通貨 に投資するドル・キャリートレードが意識されやすい。

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