ドル・円の予想変動率が90円割れで上昇-「想定内」でパニック感なし

通貨オプション市場ではドル・円 相場の予想変動率が上昇している。円相場が一時、約8カ月ぶりとな る1ドル=88円台に上昇したことに反応した形だが、「90円割れは想 定内」との指摘も多く、年初来高値を記録した1月に比べるとボラテ ィリティの上昇は限定的となっている。

三菱東京UFJ銀行市場業務部通貨デリバティブグループの佐原 満次長は、「ドル・円が90円を割り込み、年初来高値が視野に入って きたことで、ボラティリティも直近のレンジの上限に近づいてきた。 ただ、世界的なドル安の流れの中で、出遅れ感のあったドル・円が早 晩90円割れを試すという見方が支配的だったため、それほど意外感は なく、パニック的な感じはない」と語る。

円は対ドルで先週末に心理的節目である1ドル=90円ちょうど を突破。週明けの東京外国為替市場では円高がさらに進み、一時は88 円24銭と1月23日以来の高値を付ける場面が見られた。

佐原氏によると、将来の相場の変動率の予想を示す1カ月物のド ル・円オプションのインプライド・ボラティリティ(IV、予想変動 率)は足元15%台まで上昇。ブルームバーグ・データによると、前週 末は13.62%だった。

一方、1月の円高局面では、ボラティリティの水準は20%を越え ており、年初来高値87円13銭(ブルームバーグ・データ参照、以下 同じ)を付けた1月21日は24%台後半まで跳ね上がっていた。

リスク・リバーサルは小幅拡大

1カ月物25デルタのドル・円オプションのリスク・リバーサルの マイナス幅も前週末の1.84%から1.92%まで拡大しているが、1月に 5-6%台だったのに比べるとかなり小さい。

リスク・リバーサルはオプション需給の傾きを示し、マイナス幅 が小さいほど、ドルを売る権利を付与するプットオプションの需要が ドルを買う権利を付与するコールオプションの需要との比較で減退し ていることを示す。

佐原氏は、「ドル・円が87円台をブレイクすると、ターゲットが 分からない世界に入るので、その時はボラティリティがかなり上がる のではないか。スピードにもよるが、16-17%程度まで上昇する可能 性はある」と語る。

一方、佐原氏は、これ以上円高が進まなければ、ボラティリティ は徐々に低下に向う可能性が高い、と指摘。ただ、「期末・期初は特殊 なフローが飛び交うし、週末には米雇用統計もあるので、今週に限っ てはあまり下がらないかもしれない」とみている。

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