円伸び悩み、日本の介入姿勢めぐる観測に振らされる展開

東京外国為替市場では午後の取引に かけて円が伸び悩んだ。藤井裕久財務相が市場に広がっていた円高容認 観測を否定する発言をしたことから円買いの勢いが鈍る格好となった。

ただ先週末に米国のピッツバーグで開かれた20カ国・地域(G20) 首脳会合(金融サミット)を受けて、各国政府による金融緩和策の継続 見通しを背景としたドルの先安観は根強く、ドル高・円安の進行も限ら れた。

ソシエテ・ジェネラル銀行の斉藤裕司外国為替本部長は、さすがに これだけ円高進行のスピードがあると「口先けん制」が出ることは十分 に考えられたと指摘。しかし、金融サミットで各国が景気刺激策を継続 していくことが示され、「利上げは当分先」との観測から、緩やかなド ル安の流れが続くとみている。

ドル・円相場は朝方の取引で一時1ドル=88円24銭と、1月23日 以来の円高値を付けていたが、午後の取引では89円台半ば近辺まで円が 反落。その後は89円台前半でもみ合った。

ユーロ・円相場は朝方に一時1ユーロ=129円83銭と、7月14日 以来の水準まで円高が進んだあと、午後は130円台まで円安方向に戻し た。

日本の介入姿勢めぐる観測

藤井財務相が24日に安易な市場介入に反対する姿勢を示したのを 受けて、為替相場は先週末の海外市場から円買いが一段と活発化。週明 けの東京市場では対ドルで約8カ月ぶりの水準まで円高が進む中、株式 市場では急激な円高の進行が輸出企業の収益圧迫要因になりかねないと の懸念から、日経平均株価が1万円台を割り込む場面もみられた。

この日の昼過ぎに藤井財務相は記者団に対し、「最近の動きはトレ ンドが変わったとは思っていないけれど、やや一方に偏ってきている なと思っている」との認識を示していた。また、午後には、ブルーム バーグ東京支局で講演を行い、為替相場について「円高になるのを放 置するとは全然言っていない」と述べた上で、「通貨は安定するのは望 ましい」と話した。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、この日の藤井財務 相の発言について、「急速に円高が進んだ分が戻るような力がある」と 指摘していた。

ドル安基調は継続へ

一方、G20金融サミットの首脳声明では、短期的には景気刺激策を 継続することが示された。出口戦略は景気回復が十分に確保された時点 で実施されるべきだとして、11月のG20財務相・中央銀行総裁会議に結 論が持ち越される格好となった。

各国の景気刺激策が継続される見通しとなるなか、ドルの短期金利 が一段と低下。低金利のドルで資金を調達して比較的利回りの高い通貨 に投資するドル・キャリートレードが意識されやすい。

バークレイズ銀行の逆井雄紀FXストラテジストは、最近のドル売 りの原因が過剰流動性ということであるとすれば、米金融当局はまだ過 剰流動性を吸収するという方針をはっきりと出していないため、「もう しばらくドル売りの流れが続いてもおかしくない」とみている。

半面、逆井氏は、目先の市場動向について、「ポジションがかなり ドル売りに傾いていたため、ある程度の利益確定を目的とした巻き戻 しの動きが出やすい」とも指摘。今週は米国で主要な経済指標の発表 が多く控えており、発表前に持ち高調整に伴うドル買いが進む局面も あり得るとみている。

--取材協力:平野朋美 Editors: Hidekiyo Sakihama,

Hidenori Yamanaka

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