3カ月CP0.11%台に低下、期末の発行減少で-リースもTB下回る

短期金融市場では、コマーシャル ペーパー(CP)2、3カ月物の金利が0.11%台まで低下した。景気 低迷による資金需要の減退と、決算期末を控えて有利子負債を圧縮す る動きから、企業のCP発行が大幅に減少しているためだ。また信用 危機に対応した日本銀行の潤沢な資金供給が続き、金利低下に拍車を 掛けている。

この日は期末30日の発行分が取引された。最上位格付けa-1プ ラス格の銘柄では、電力卸会社や鉄鋼会社が2、3カ月物を0.11%台 後半と、無担保コール翌日物とほとんど変わらない水準で発行した。

最上位格付けから2番目a-1格のノンバンク・リース会社でも 3カ月物を0.14%強で発行。大方の銘柄が0.145%の新発国庫短期証 券(TB)3カ月物を下回る「官民逆転」が鮮明になっている。

東短リサーチの関弘研究員は、有利子負債圧縮という季節要因と 資金需要の低迷という景気要因が重なり、メガバンクの買い意欲に対 して発行が少ない状態だと説明。「日銀の企業金融支援策はそろそろ見 直しを議論しても良い雰囲気ではないか」と指摘した。

期末30日の発行分は合計5000億円程度と、同日の償還額1兆 5000億-1兆6000億円程度の3分の1まで落ち込んだ。今月末の時 点でのCP残高は前月末の17兆円程度から15兆円台まで減少すると の試算も出ており、その場合は昨年の「リーマンショック」前に比べ て6兆-7兆円程度も落ち込む計算だ。

企業金融支援策の見直し議論

CPなど民間企業債務を担保に0.1%の3カ月物資金を日銀が無 制限に貸し出す企業金融支援特別オペが大手銀行に潤沢な資金を供給 している。このため、CPの発行主体である大手企業の資金調達環境 は大幅に改善した。一方、最近は金融市場の落ち着きで緊急時に備え た資金需要が減少。また企業の投資縮小で運転資金の需要も減退して いるほか、資金調達を社債の発行にシフトする自動車や電機のメーカ ーもあり、CP市場の縮小が鮮明だ。

米連邦準備制度理事会(FRB)は前週、企業の資金調達が以前 に比べて容易になったことを理由に、商業銀行と債券ディーラーを対 象とした2つの緊急融資プログラムを縮小した。日銀の金融政策決定 会合でも、企業金融支援策がCPレートに生じさせているゆがみが言 及されており、12月末に期限を迎える企業金融支援策など、異例の金 融緩和策の見直しが議論され始めている。

一方、亀井静香金融・郵政問題担当相が、返済猶予などの中小企 業・個人向け資金繰り支援策(モラトリアム)を表明していることで、 日銀の企業金融支援策にも影響を与えるとの見方が出ている。

東短リサーチの関氏は、日銀の企業金融支援策が中小企業金融に 効果があったか疑問としながらも、「象徴的な位置づけとして、日銀の 企業金融支援策も変更しづらくなった面はある」という。

レポ低下、期末越えの運用増加も

期末をまたぐ翌日物のレポ(現金担保付債券貸借)金利は低下し た。期末の資金運用が徐々に増えているうえ、日銀が国債買い現先オ ペを3兆円に大幅増額したことで、証券会社などの資金確保が進んだ とみられる。

日銀が公表した東京レポレートは、期末越え(30日-10月1日) のスポットネクスト物が前週末比2.3ベーシスポイント(bp)低い

0.153%に低下した。期末越えの取引では前週末に一時0.25%付近ま で上昇する場面もあった。国内証券のトレーダーは、オペをきっかけ に期末の資金運用が増えるのではないかとみていた。

日銀は午前、スポットネクスト物の国債買い現先オペを前週末よ り1兆円多い3兆円と、5月下旬以来の水準まで拡大。このため最低 落札金利は前週末より2bp低い0.15%に低下した。

国内大手金融機関の資金担当者は、現先オペの拡大が相場に影響 を与えたうえ、国債の償還資金など滞留していた資金がレポ市場にも 行き渡り始めているという。

銀行は自己資本比率の新BIS規制の影響から、期末はリスク資 産となる無担保コールの運用を減らすとの見方もあった。しかし、こ の日は期末越えの翌日物を大手行が0.15%で調達。その後、調達希望 を0.10-0.13%に引き下げた。大手信託銀行は1週間物で0.15%の運 用希望を提示しており、全体的に運用意欲が高まっている。

午後に実施された期末越えの本店共通担保資金供給オペは、期日 10月6日分の最低落札金利が0.13%、期日10月16日分は0.12%と、 前週に比べて1、2bp低下した。10月に入ればレポ金利が一段と低下 するとの見方が増え、応札意欲が弱まったようだ。

取引の受け渡し日が10月に入った短期国債市場では、新発国庫短 期証券(TB)3カ月物57回債利回りが前週末比0.5bp低い0.145% で取引された。市場では、あす入札される3カ月物は償還日が年末を 越えることで0.15%近辺の利回りが予想されているが、年内償還物は レポの低下を受けて0.14%台での推移が見込まれていた。

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