日銀短観:大企業・製造業DIマイナス33に-2期連続改善の見込み

日本銀行の企業短期経済観測調査 (短観、9月調査)は、輸出や生産の増加を受けて景気が持ち直しつ つあることを受けて、大企業・製造業の景況感が2期連続で改善する とみられている。ただ、内需の弱さを反映して、非製造業や中小企業 の改善は小幅にとどまりそうだ。

日銀は10月1日午前8時50分、全国約1万社の企業を対象とし た四半期に1度の短観を発表する。ブルームバーグ・ニュースが調査 機関22社を対象にまとめた予想調査では、景気が「良い」と答えた企 業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断指数(DI)は、 大企業・製造業がマイナス33と今年6月の前回調査から15ポイント の改善が見込まれている。

4-6月の実質GDP(国内総生産)は前期比年率2.3%増と5 期ぶりにプラスに転じたほか、同期の鉱工業生産指数は前期比8.3% 増と大きく改善した。一方、設備投資の先行指標である機械受注は7 月に前月比で2カ月ぶりに減少、受注額は過去最低を更新した。個人 消費も弱めの動きが続いており、先行き不透明感は依然根強い。

非製造業は内需の低迷により、製造業に比べて小幅の改善にとど まる見込みだ。大企業・非製造業の業況判断DIはマイナス26と、前 回調査から3ポイントの改善が予想されている。先行きの業況判断D Iは大企業・製造業がマイナス26、大企業・非製造業はマイナス22 と、いずれも改善が続くと予想されている。

設備投資は慎重姿勢を維持

4-6月の法人企業統計によると、企業の売上高は前年同期比

17.0%減、経常利益は同53.0%減と大幅な減収減益が続いている。企 業の収益環境が依然厳しい中、コスト削減圧力が高まっており、夏季 賞与は大幅に減少。雇用環境の悪化にも歯止めが掛かっていない。こ のため、家計も消費を抑制する傾向が続いており、内需に依存する非 製造業や中小企業は総じて厳しい状況にある。

2009年度の大企業・設備投資計画は、事前予想ではマイナス9.0% に小幅上方修正される見込み。大和証券SMBCの野口麻衣子シニア エコノミストは「生産の底打ち感が強まる中、下方修正は回避できそ うだが、今後の内外景気の回復力は弱いとの見方が多いため、設備投 資に対する慎重姿勢は維持される」とみている。

生産設備や雇用判断といった需給ギャップ関連DIも過剰感を強 く示唆するとみられる。日本経済の需要と供給の乖離(かいり)を示 す需給ギャップは4-6月のGDP2次速報段階でマイナス7.8%、 実額40兆円程度に達している。JPモルガン証券の足立正道シニアエ コノミストは「9月短観では、前回に比べて過剰感が幾分緩和するも のの、引き続きレベルは高いまま」とみる。

企業金融も注目点

企業金融関連DIも注目点の1つ。前回調査では、政府・日銀の 各種施策によって金融市場が安定感を取り戻したことで、大企業を中 心に改善した。しかし、日銀は7月の決定会合で、企業金融は「なお 厳しい」として、コマーシャルペーパー(CP)と社債の買い入れ、 企業金融支援特別オペの期限を9月末から12月末に延長した。

同DIは今回も改善が予想されるものの、みずほ証券の上野泰也 チーフマーケットエコノミストは「それが日銀による企業金融支援の ための各種臨時措置の縮小・打ち切りに直結するとは考えにくい」と 指摘。中小企業をめぐる環境が引き続き厳しいことや、景気の下振れ リスクが大きいことから、日銀は「企業金融支援措置からの出口の問 題では、今後も安全運転に徹するだろう」とみている。

--取材協力:伊藤辰雄 Editor:Masaru Aoki,Hitoshi Ozawa

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