9月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円が上昇。対ドルでは7カ月ぶり に1ドル=90円を割り込んだ。藤井裕久財務相が為替市場への介入に あらためて反対の姿勢を示したことから円買い優勢の展開となった。

円は主要16通貨すべてに対して上昇した。20カ国・地域(G 20)首脳会合(金融サミット)が開催されている米ピッツバーグで の藤井財務相の発言に反応した。英ポンドは対ドルで3カ月ぶり安値 に下落。イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁が前日に、ポ ンド安は同国経済がバランスを取り戻すのに有益だと述べたことが きっかけ。

BNPパリバ・セキュリティーズの為替ストラテジスト、セバス チャン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「藤井財務相は為替介入 しないと言明した」と指摘。「発言はドル売り・円買いへの青信号と 受け止められた。ドルは概して圧迫されている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時26分現在、円は対ドルで1ドル=89 円76銭。一時は前日比2%上昇し、2月5日以来の高値となる同89 円51銭を付ける場面もあった。円は対ユーロで1.6%高の1ユーロ =131円74銭(前日は同133円86銭)。ドルは対ユーロで1ユー ロ=1.4677ドル(前日は同1.4666ドル)。

JPモルガン・チェースのテクニカルアナリスト、トーマス・ア ントンジ氏(ロンドン在勤)は25日付調査リポートで、円の対ドル 89円50銭割れは87円15銭を「再度試す」展開を示唆すると記述。 円は1月21日、1995年以来の高値となる1ドル=87円13銭を付 けた。

ポンド安

英ポンドは主要通貨中で最も下げた。24日付英紙ニューカッス ル・ジャーナルによると、イングランド銀行(英中央銀行)のキング 総裁は、英経済のバランスを取り戻す過程でポンド安は「非常に有 益」と発言した。ポンドは対ドルで一時0.9%安と、6月8日以来の 安値。対ユーロでは一時0.7%下げ、4月1日以来の安値となった。

ポンドは対ドルで週間ベースでは2%安。対ユーロでは1.7%値 下がり。

ドルは対ユーロで下落する場面もあった。9月の米消費者マイン ド指数が上昇したことを受け、リスク資産に資金が流れた。ロイタ ー・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は73.5と、前月の

65.7から上昇。速報値の70.2からも上方修正された。

ドルは対ユーロで週間ベースでは0.3%高。円は対ドルで1.8% 値上がり、円は対ユーロでは1.9%上昇した。

バークレイズ・キャピタルはドルの対ユーロでの3カ月見通しを 引き下げ、1ユーロ=1.40ドルから同1.52ドルとした。米連邦準備 制度理事会(FRB)の金融政策により生じた「過剰流動性」が、 「リスクの高い資産を無差別に支援する一方、ドルは手荒い扱いを受 けている」ことを理由に挙げた。

藤井財務相発言

円は対英ポンドで2.6%高。対メキシコ・ペソでは2%上げた。 藤井財務相が前日ピッツバーグで、「安易な市場介入」を疑問視して いると述べたことに反応した。

藤井財務相はガイトナー米財務長官との会談後、記者団に対し、 4月にロンドンで行われた G20首脳会合でも通貨安政策は回避すべ きだとの認識だったと指摘。その上で、「これは円だけに当てはまる ことではない」と述べ、「安易に介入すること」は支持しない考えを 表明した。

同財務相は「円高政策は別にとるわけでもないが、意図的な円安 政策というのはロンドンサミットでもやめようということだった」と 述べた。

トヨタ自動車の布野幸利副社長はこの日、1ドル=90円前後の 為替水準について「実感としてちょっと日本経済にとっては苦しい」 との認識を示した。

ゴールドマン・サックス・グループのシニア・グローバル・エコ ノミスト、ドミニク・ウィルソン氏は顧客向けリポートで、「円に対 する政策声明は分かりにくい一方、日本の金融のタイト化は打撃とな っている」と記述。「まだ円安にはなっていないが、市場は経済が弱 い円を『必要』としていることに賛成しているようだ」と述べた。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。週間ベースでは7月以来の大幅な値下がりだ った。午前に発表された8月の米耐久財受注が予想外に減少したほか、 新築住宅販売も予想ほど伸びなかったことに圧迫され、消費者信頼感 の改善も買い材料にはならなかった。

複合電機のゼネラル・エレクトリック(GE)やアルミ生産の アルコア、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスはいずれ も下落。商務省が発表した耐久財受注は前月比で2.4%減少した。

携帯情報端末「ブラックベリー」を製造するリサーチ・イン・ モーションも大幅安。同社の販売見通しはアナリスト予想に及ばな かった。バンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループも安 い。米連邦預金保険公社(FDIC)のベアー総裁がは大手金融機関 を対象にした救済策の終了を求めたのが背景。

フェデレーテッド・インベスターズ(ニューヨーク)の主任株 式市場ストラテジスト、フィリップ・オーランド氏は、「この日に 限らず、今週発表された経済統計は強弱混在だった。景気は月に向 かって一直線に上昇しているわけではないことが示された。株式市 場についても同じことが言える」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比0.6%安の1044.38。ダウ工業 株30種平均は同42.25ドル(0.4%)下げて9665.19ドル。ナス ダック総合指数は同0.8%下げて2090.92。S&P500種は週間ベ ースでは2.2%安、7月初め以来で最大の下げだった。

S&P500種は今年3月9日から前日までに54%値を戻した。 ブルームバーグがまとめたデータによると、平均株価収益率(PE R)は約20倍と、2004年以来の高水準となっている。

PNCウェルス・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、 ウィリアム・ストーン氏は「米国は回復途中にある。株価は半年前ほ ど割安ではない。しかし予想以上に回復が良好ならば、株式投資はほ かと比べて魅力的な対象と言えよう」と述べた。

金融株

S&P500種金融株価指数は3月6日の17年ぶり安値から 140%戻した。ブルームバーグがまとめたデータによると、米政府 が融資や支出、保証した総額は11兆6000億ドルと、今年3月末時 点から9.4%減少した。

この日のS&P500種金融株価指数は1.1%安。JPモルガ ン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)とF DICのベアー総裁は、ニューヨークで開かれた会議で、破たんした 場合に経済に悪影響を及ぼすほどの大企業に対する救済策の終了を 求めた。ダイモンCEOとベアー総裁は税金で賄われた救済策に頼 らずに、破たん企業を解体できるような仕組みが必要だと訴えた。

BOAは2.2%安、シティは1.1%の下げだった。ウェルズ・ ファーゴやゴールドマン・サックス・グループも値下がりした。

RIMやKBホーム

リサーチ・イン・モーション(RIM)は17%の大幅安。同社 が示した9-11月(第3四半期)の売上高予想は最大38億5000 万ドルと、アナリスト予想平均の39億1000万ドルを下回った。

米住宅建築大手KBホームはS&P500種銘柄のなかで最大の値 下がりだった。同社が発表した6-8月(第3四半期)決算は1株 当たり損失が87セントと、アナリスト予想(63セント)より悪か った。

米資産運用会社レッグ・メイソンも安い。BOAは、同社の株 価が見通しの28ドルを突破した後、同銘柄の投資判断を「ニュー トラル」から「アンダーパフォーム」に引き下げた。

◎米国債市場

米国債市場では2年債が下落。9月の消費者マインド指数が予想 よりも改善し、景気が回復しているとの見方から売りが膨らんだ。

2年債に対する10年債の上乗せ利回りは4日連続で縮小。2.34 ポイントと、5月18日以来で最小となった。ウォーシュ米連邦準備 制度理事会(FRB)理事は「米金融当局は将来、恐らくかつてない 強い力で金融政策の正常化を開始する可能性が高い」と述べた。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジス ト、アレックス・リー氏は「予想を上回るマインド指数は期間が短い 国債には良い材料ではない。それは状況改善を示しているが、政策へ の影響は主要な経済指標の長期にわたる動向から判断する必要があ る」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時32分現在、2年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の0.98%。2年債(表面利率 1%、償還2011年9月)価格は3/32下げ、100 3/32。週間では ほぼ変わらず。

一方、長期債は株安を受けて上昇した。10年債利回りは5bp 低下の3.34%。週間では15bp低下した。これは8月14日に終わっ た週以来で最大の低下幅。

ウォーシュ理事は「もし『何が何でも』という姿勢がパニックを 抑えるのに適切だったのなら、FRBの信頼感を確保するためには、 回復期のある時点で政策を同じような姿勢で解除することが必要に なるかもしれない」と指摘した。ウォールストリート・ジャーナル (WSJ、オンライン版)が24日夜、同理事の寄稿を掲載した。

9月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は

73.5と速報値の70.2から上方修正され、2008年1月以来の高水準 を付けた。前月は65.7だった。

G20

ロイター通信は25日、米ピッツバーグで開かれている20カ国・ 地域(G20)首脳会議(金融サミット)が、世界経済の回復の足取り が確実になるまで景気刺激策を継続し、解除すべき時が到来した際に は互いに協力することで合意したと報じた。共同声明の草案を引用し て伝えた。

ロイターによると、G20首脳はまた、金融業界の行き過ぎに歯 止めをかける措置を取ることや、銀行の資本基準の厳格化で協調する ことでも合意したという。

スプレッドの正常化

信用市場のスプレッドは正常化しつつある。3カ月物ドル建てロ ンドン銀行取引金利(LIBOR)とオーバーナイト・インデック ス・スワップ(翌日物無担保コールレートと固定金利を交換する金利、 OIS)のスプレッド(利回り格差)は13bpまで縮小した。昨年 10月には最高3.64ポイントまで拡大していた。

3カ月物LIBORと同期間の財務省短期証券(TB)利回りと の格差であるTEDスプレッドは20bp。昨年末は135bpだった。

ドル保有

米国の商業銀行や海外中央銀行は米国債の買い増しに動いている。 FRBが海外勢のために保管している米国債は今週、2兆800億ドル とFRBが1983年に統計を始めて以来で最高を記録した。

外国政府の米国債買いは大量のドル保有に起因する。国際通貨基 金(IMF)によると、世界の準備通貨に占めるドルの割合は65% と、08年半ばの62.8%から拡大した。

FRBのデータによれば、米銀の米国債および機関債の保有額は 9日に終わった週に1兆3700億ドル。前年同期は1兆1600億ドル だった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続落。過去最高値に届かなかったこと で、投資家の失望売りを誘い、週間ベースでは7月半ば以来の大幅安 となった。

金は2日連続で1オンス=1000ドルを割り込んだ。17日には

1025.80ドルと、2008年3月に付けた過去最高値の1033.90ドル に接近していた。銀は週間ベースで2月以来の大幅安。年初から前日 までで銀は44%上昇した一方、同期間の金の上げ幅は13%。このま まいけば、いずれも年間ベースで9年連続高となりそうだ。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の金属トレーダ ー、マット・ジーマン氏は、「仮に私が金を買い持ちにしていたとし たならば、1000ドル台を維持できなかったことでかなり気落ちして いただろう。ここ数週間で金を買い込んだ投資家は持ち高の解消を急 いでいる」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比7.30ドル(0.7%)安の1オンス=991.60ドルで 取引を終了した。週間ベースでは1.9%安と、中心限月としては7月 10日の週以降で最大の下げ幅となった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は小幅上昇。オバマ米大統領がイランによ る第2の核燃料施設建設は国連の安保理決議に「違反している」と非 難したことを受け、8週ぶり安値から反発した。イランは世界第4位 の産油国。

原油相場は下落する場面もあったが反転。米国と英国、フランス は、イランが過去数年にわたりひそかに「ウラン濃縮施設」を建設し ているとする「詳細な証拠」をつかんだとするオバマ大統領の発言が きっかけ。米経済が戦後最悪のリセッション(景気後退)から回復に 向かうなか、9月の米消費者マインド指数が上昇したことも原油相場 上昇に貢献した。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「今回 の新事実で、イランに対する広範な制裁発動の可能性が高まる」と指 摘。一方、「国際的な協調行動がとられれば、問題が平和的に解決さ れる可能性も高まるため、市場は最初の反応ほど強気ではなさそう だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前日 比0.13ドル(0.20%)高の1バレル=66.02ドルで終了した。一時 は7月31日以来の安値、同65.05ドルを付けた。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は下落。週間ベースでは、ダウ欧州600指数が7月 以降で最大の下げとなった。この日発表された8月の米製造業耐久財 受注額と米新築住宅販売件数がいずれも予想を下回る内容だったこと を受け、景気見通しに比べて6カ月にわたる株価上昇が行き過ぎとの 見方が広がった。

スイスの資産運用会社、ジュリアス・ベア・ホールディングは 新たな戦略が嫌気されて5.9%下落。英家電小売り大手のDSGイン ターナショナルは4.7%下げた。モルガン・スタンレーが同銘柄の投 資判断を引き下げたことが嫌気された。

一方、ノルウェー最大の銀行、DnB NORは9.9%高。同行 が株主割当を通じ140億ノルウェー・クローナを調達する計画を明 らかにしたことが買いを誘った。

ダウ欧州600指数は前日比0.4%安の238.95で終了。前週末 比では2.2%安となった。

同指数は3月9日の水準からなお51%上げている。ブルームバ ーグのデータによれば、同指数構成銘柄のバリュエーション(株価評 価)は2003年以来の高水準となった。

LGTキャピタル・マネジメント(スイスのプファフィコン)の 株式分析部門責任者、マンフレド・ホファー氏は、「相場上昇の勢い はなくなった。もうそろそろ底固めないしは調整の時期で、実際にそ うなっても健全な動きだと言える」と述べた上で、「経済データが引 き続き納得いくものでなければ、相場は上昇し過ぎたことになる」と 語った。

米経済

米商務省が25日に発表した8月の米製造業耐久財受注額は前月 比で2.4%減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト調査では0.4%増が見込まれていた。また、8月の新築一戸建て 住宅販売は前月比0.7%増と、エコノミストの予想中央値の1.6%増 を下回った。

25日の西欧市場では、18カ国中13カ国で主要株価指数が下落。 ダウ・ユーロ50種指数とダウ・欧州50種指数はいずれも前日比

0.2%安となった。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ドイツ10年債相場が上昇。週間ベースでは1 カ月余りで最大の上げとなった。

独2年債利回りは約2週間ぶり低水準で推移。この日のダウ欧州 株価指数は下落し、3月9日以来の上昇率は52%に縮小した。欧州中 央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ルクセンブルク中央銀行の メルシュ総裁は25日、短期金融市場が改善し、利上げや流動性縮小 を実施する時に備え、「時宜を得た準備」が必要だと語った。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニコラ ス・スタメンコビッチ氏は「株式相場の上昇は勢いを失った。これが 国債相場を支えた」と述べ、「経済データは景気回復の力強さの度合 いに疑問を投げ掛けた。これも支援要因だった」と語った。

ロンドン時間午後4時24分現在、10年債利回りは前日比5ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.26%。前週末比 では12bp低下した。同国債(表面利率3.5%、2019年7月償 還)価格は前日比0.37ポイント上げ101.96。

一方、2年債利回りは2bp上げ1.21%。一時は8日以来の低 水準となる1.18%となった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。ロンドン時間午後4時現在、10年債利回りは 前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し、

3.62%。同国債(表面利率4.50%、2019年3月償還)価格は0.56 ポイント上げ、106.99。2年債利回りは0.74%と、前日から2bp 低下した。

一方、外国為替市場ではポンドの対ドル相場が週間ベースで2週 連続安。ブラウン英首相は24日、ポンド安についてコメントを避けた が、国内経済の強化につながる要素は歓迎すると述べた。

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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