NY外為(25日):円上昇,対ドル90円割れ-介入反対表明

ニューヨーク外国為替市場では 円が上昇。対ドルでは7カ月ぶりに1ドル=90円を割り込んだ。藤 井裕久財務相が為替市場への介入にあらためて反対の姿勢を示した ことから円買い優勢の展開となった。

円は主要16通貨すべてに対して上昇した。20カ国・地域(G 20)首脳会合(金融サミット)が開催されている米ピッツバーグで の藤井財務相の発言に反応した。英ポンドは対ドルで3カ月ぶり安値 に下落。イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁が前日に、ポ ンド安は同国経済がバランスを取り戻すのに有益だと述べたことが きっかけ。

BNPパリバ・セキュリティーズの為替ストラテジスト、セバス チャン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「藤井財務相は為替介入 しないと言明した」と指摘。「発言はドル売り・円買いへの青信号と 受け止められた。ドルは概して圧迫されている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時26分現在、円は対ドルで1ドル=89 円76銭。一時は前日比2%上昇し、2月5日以来の高値となる同89 円51銭を付ける場面もあった。円は対ユーロで1.6%高の1ユーロ =131円74銭(前日は同133円86銭)。ドルは対ユーロで1ユー ロ=1.4677ドル(前日は同1.4666ドル)。

JPモルガン・チェースのテクニカルアナリスト、トーマス・ア ントンジ氏(ロンドン在勤)は25日付調査リポートで、円の対ドル 89円50銭割れは87円15銭を「再度試す」展開を示唆すると記述。 円は1月21日、1995年以来の高値となる1ドル=87円13銭を付 けた。

ポンド安

英ポンドは主要通貨中で最も下げた。24日付英紙ニューカッス ル・ジャーナルによると、イングランド銀行(英中央銀行)のキング 総裁は、英経済のバランスを取り戻す過程でポンド安は「非常に有 益」と発言した。ポンドは対ドルで一時0.9%安と、6月8日以来の 安値。対ユーロでは一時0.7%下げ、4月1日以来の安値となった。

ポンドは対ドルで週間ベースでは2%安。対ユーロでは1.7%値 下がり。

ドルは対ユーロで下落する場面もあった。9月の米消費者マイン ド指数が上昇したことを受け、リスク資産に資金が流れた。ロイタ ー・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は73.5と、前月の

65.7から上昇。速報値の70.2からも上方修正された。

ドルは対ユーロで週間ベースでは0.3%高。円は対ドルで1.8% 値上がり、円は対ユーロでは1.9%上昇した。

バークレイズ・キャピタルはドルの対ユーロでの3カ月見通しを 引き下げ、1ユーロ=1.40ドルから同1.52ドルとした。米連邦準備 制度理事会(FRB)の金融政策により生じた「過剰流動性」が、 「リスクの高い資産を無差別に支援する一方、ドルは手荒い扱いを受 けている」ことを理由に挙げた。

藤井財務相発言

円は対英ポンドで2.6%高。対メキシコ・ペソでは2%上げた。 藤井財務相が前日ピッツバーグで、「安易な市場介入」を疑問視して いると述べたことに反応した。

藤井財務相はガイトナー米財務長官との会談後、記者団に対し、 4月にロンドンで行われた G20首脳会合でも通貨安政策は回避すべ きだとの認識だったと指摘。その上で、「これは円だけに当てはまる ことではない」と述べ、「安易に介入すること」は支持しない考えを 表明した。

同財務相は「円高政策は別にとるわけでもないが、意図的な円安 政策というのはロンドンサミットでもやめようということだった」と 述べた。

トヨタ自動車の布野幸利副社長はこの日、1ドル=90円前後の 為替水準について「実感としてちょっと日本経済にとっては苦しい」 との認識を示した。

ゴールドマン・サックス・グループのシニア・グローバル・エコ ノミスト、ドミニク・ウィルソン氏は顧客向けリポートで、「円に対 する政策声明は分かりにくい一方、日本の金融のタイト化は打撃とな っている」と記述。「まだ円安にはなっていないが、市場は経済が弱 い円を『必要』としていることに賛成しているようだ」と述べた。

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