今日の国内市況:株式は急反落、長期金利一時1.30%-円が上昇

東京株式相場は急反落。増資によ る1株価値希薄化への警戒から、証券や銀行など金融株が売り込まれ、 野村ホールディングスは値幅制限の下限で比例配分された。また、米国 で発表された中古住宅販売件数が市場予想を下回ったことを嫌気し、米 景気不安を背景に輸出関連株も安い。

日経平均株価の終値は前日比278円24銭(2.6%)安の1万265円 98銭、TOPIXは同27.53ポイント(2.9%)安の922.67で、TOP IXの下落率は3.4%下げた6月16日以来、約3カ月ぶりの大きさ。

この日は、3月期決算企業の9月中間期末配当落ち日で、配当取得 の権利を得た投資家の売りも株価の押し下げ要因となった。日経平均ベ ースの配当権利落ち分は50円強と見られている。配当権利落ちに伴う マイナスの影響が相場全般に出たほか、東京外国為替市場で再び1ドル =90円台まで円高・ドル安方向に動いたことから、ハイテク銘柄を中 心とした輸出株に売りが出やすい環境となったもようだ。

野村HDは24日、最大8億株の新株式を発行し、最大約5113億円 を調達すると発表した。これにより株式数は最大29%増加することに なり、1株利益の希薄化や株式需給の悪化懸念から野村HDが終日売り 気配で、ストップ安比例配分となった。

大和証券グループ本社やみずほ証券が急落したほか、三菱UFJフ ィナンシャル・グループなど3大金融持ち株会社も下げ幅を広げた。

亀井静香金融相は25日午前の閣議後会見で、自身が表明した返済 猶予などの中小企業・個人向け資金繰り支援策(モラトリアム)に、与 党内や銀行界から慎重論が出ている点について、「私が担当相としてきっ ちり法案を出す」と述べ、主導権の発揮への意欲を強調。平野博文官房長 官が前日、具体化に向け慎重な検討を促したのに対し、「官房長官はああ だこうだコメントする立場にない」とけん制した。

米国では24日発表された8月の中古住宅販売件数(年換算)が前 月比2.7%減の510万戸と、5カ月ぶりのマイナスとなった。市場予想 の中央値は535万戸で、米住宅販売統計が悪化したことが、輸出など景 気敏感株を中心とした売りの口実にされた面があるとも指摘された。

このほか、24日のニューヨーク商業取引所における原油先物相場 は前日比4.5%安の1バレル=65.89ドルと続落し、1カ月ぶり安値を 付けた。米景気回復への懐疑的な見方から金や銅の先物相場も下げてお り、収益へのマイナスの影響が懸念されて、国際石油開発帝石、三菱商 事、住友金属鉱山といった資源関連株も安い。

東証1部の売買高は概算で19億6525万株、売買代金は1兆2803 億円。値下がり銘柄数が1455、値上がりは186。業種別33指数はすべ て下落。

不動産株の下げも顕著だった。大和証券SMBC金融証券研究所が 投資判断を「1(買い)」から「2(アウトパフォーム)」に下げた住 友不動産が急落、三井不動産や三菱地所も軟調。経営再建計画案につい て国土交通相から実現可能性が不十分と指摘された日本航空が連日の大 幅安で上場来安値を更新。

半面、当面の資金繰り不安が解消される見通しとして、日興シティ グループ証券が投資判断を「3(売り)」から「2(ホールド)」に上 げたアイフルは17%高と急反発し、東証1部の上昇率トップ。豪州炭 鉱会社からの受取配当増を受け、10年3月期の連結最終利益計画を引 き上げた住石ホールディングスも急伸した。

債券上昇、長期金利は一時1.30%

債券相場は上昇(利回りは低下)。前日の米国債相場が中古住宅販 売件数減少などを受けて3日続伸したことに加え、この日の日経平均が 大幅反落したことを背景に買いが優勢となった。新発10年国債利回り は一時、市場で節目とされる1.30%ちょうどまで低下した。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比16銭高の138円98銭 で始まった。その後に買いが増えると、34銭高の139円16銭と15日以 来の高値をつけた。午後も139円台で堅調に推移して、結局は22銭高 の139円4銭で終了した。日中売買高は2兆2453億円。

24日の米国債相場は3日続伸。8月の中古住宅販売件数が予想外 に減少したため、290億ドルと過去最高の発行額となった7年債入札へ の需要が強くなり、買いが増えた。一方、米株相場は続落して、国内市 場でも株価が反落するなど、外部環境面から債券買いが強まった。

現物債市場で新発10年物の303回債利回りは、前日比1ベーシス ポイント(bp)低い1.305%で始まった後、一時は1.30%ちょうどまで 低下し、14日以来の1.3%割れ目前となった。しかし、その後は低下幅 を若干縮小しており、その後は1bp低い1.305%で推移した。

中期債相場も堅調。新発5年債利回りは1.5bp低い0.58%、新発2 年債利回りは一時、1bp低い0.205%まで低下した。

円が上昇

東京外国為替市場では円が上昇。英国がポンド安を容認するとの観 測を背景にポンド売り・円買いが活発化し、他の主要通貨に対しても円 買いが先行する展開となった。決算期末となる9月末が近づき、日本企 業のレパトリエーション(自国への資金回帰)に伴う円買い需要も意識 された。

円は対ポンドで1ポンド=146円と145円の大台を次々と突破し、 一時144円35銭と5月18日以来、約4カ月ぶりまで上昇。対ユーロで も今月16日以来の高値となる1ユーロ=132円53銭まで円高が進む場 面が見られた。

一方、午後には20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット) が景気刺激策の早期解除回避で合意したとの観測報道を受けて、投資家 のリスク回避姿勢が緩和するとの思惑が浮上。高金利通貨に資金が振り 向けやすくなるとの見方から円は伸び悩んだ。

24日の海外市場ではイングランド銀行(英中央銀行)のキング総 裁が英経済のバランスを取り戻す過程でポンド安は「非常に有益」と発 言したとの英紙報道を手掛かりにポンド売りが加速。この日の東京市場 もこの流れを引き継ぐ形となり、ポンドは対ユーロで4月以来の安値を 更新、対ドルでは6月8日以来の安値をつけた。

ポンド・円などクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)で円買いが 進む局面では、対ドルでも1ドル=91円台前半から一時、90円53銭ま で円高が進行。

一方、ロイター通信は25日午後、G20首脳会議が、世界経済の回 復の足取りが確実になるまで景気刺激策を継続し、解除すべき時が到来 した際には互いに協力することで合意したと、声明の草案を引用して伝 えた。

これを受け、市場では景気刺激策の「出口戦略」への警戒感が後退 し、午前の相場で顕著になっていた円やドルに対する買い圧力が弱まっ た。

ロイターによると、G20首脳はまた、金融業界の行き過ぎに歯止 めをかける措置を取ることや、銀行の資本基準の厳格化で協調すること でも合意したという。

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