ドルは準備通貨でなければ危機に直面-ストラテジストのシンチェ氏

独立系ストラテジストのロバート・ シンチェ氏は24日、ドルが世界の準備通貨でなければ、財政赤字が原 因で信認低下に直面するとの見方を示した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)でグローバル金利・為替・商 品戦略責任者を務めた経験のあるシンチェ氏は、ブルームバーグテレ ビジョンとのインタビューで、「米国が新興市場国であれば、ドルの 信認危機が起こるだろう」と指摘し、「ドルは世界の準備通貨である ため多少のゆとりがある」と語った。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は、リセッション(景気後退)下で株価が下落し、安全資産 とされるドルが買われたことで3月4日に年初来高値を付けたが、そ の後13%下落した。国際通貨基金(IMF)によると、ドルが世界の 準備通貨に占める割合は65%と、2008年半ばの62.8%から上昇して いる。

米国の今会計年度(08年10月-09年9月)最初の10カ月間の財 政収支の赤字累計額は過去最大の1兆2700億ドル(約115兆円)に膨 張した。リセッションで税収が減少する一方、政府は景気対策のため に支出を増やした。米議会予算局(CBO)によると、財政赤字は10 年度に1兆6000億ドルに達した後、11年度には1兆4000億ドルに縮 小すると見込まれている。

シンチェ氏は「長期の投資家は、このような大規模な刺激策を実 行した後で、長期的な財政ファンファメンタルズ(基礎的諸条件)が 一段と安定した状態に戻るかを注視している」とした上で、「これは 今後、政権が直面する大きな問題だ」と指摘した。

G20首脳会議

同氏は、現行の為替水準について「真にろうばいしている国を見 つけるは難しい」ことを理由に挙げ、米ピッツバーグで24日開幕した 20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)はドルの支援材料に はならないと予想。「皆がポジションを大幅にドル・ショート(売り 持ち)にしてきた」とした上で、「市場が一方向に偏る傾向がある場 合、逆方向に戻る可能性があり、ここ数日はそのような状況だ」と説 明した。

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