味の素:M&Aに1000億円超、海外強化で今後3年間-伊藤社長

企業の買収・合併(M&A)を 収益拡大への重要戦略と位置付けている国内調味料最大手の味の素は、 今後3年間で1000億円を超える資金をM&Aに投入する構えだ。

伊藤雅俊社長は24日、本社でブルームバーグ・ニュースのイン タビューに応じ、主力の食品分野は「国内は収益を安定化させ、海外 は拡大する」と述べ、M&Aに投じる金額は案件次第で3年で1000 億円を超える場合もあり得ると語った。国内は物流などを効率化。海 外は新規市場参入を目指し、「食」「アミノ酸」「医薬」の3つの柱 でM&Aを模索する。

調査会社ユーロモニターによると、2008年の加工食品世界市場 は1兆8900億ドル(約171兆円)と5年間で約48%成長したが、国内 は1890億ドルと同15%にとどまった。味の素は07年に清涼飲料水 のカルピスを完全子会社化し、めんつゆなどを製造・販売するヤマキ へ33%出資。06年には香港のアモイ・フード・グループをダノン・ グループから買収、スパイス製造・販売のギャバンも子会社化した。

国内食品業界について伊藤氏は「基本的にはオーバープレーヤー だと思う」と述べ、経営統合に向けた交渉を進めているキリンホール ディングスとサントリーホールディングスの動きにも「意図は良く分 かる」と理解を示した。

大和住銀投信投資顧問の小川耕一チーフ・ポートフォリオ・マネ ジャーは、味の素について「海外展開の投資を積極的にやるべきだ」 と述べ、特に成長が著しい新興市場での食品事業拡大に期待を示した。 味の素の株価の25日午前終値は、前日比23円(2.5%)安の908円。 年初来の下落率は6.5%で、同期間に日経平均株価は16%上昇して いる。

前期は8期ぶり赤字

伊藤氏は味の素冷凍食品社長や主力事業の食品カンパニープレジ デントを務めた後、6月に社長に就任した。味の素は前期(2009年 3月期)、為替の影響やアミノ酸事業の不振などで8期ぶりの連結最 終赤字となっている。

今期(10年3月期)の連結売上高予想は前期比0.4%増の1兆 1950億円、同営業利益は同2.9%増の420億円。飼料用アミノ酸の 競争が一段と激化しているなどマイナス材料もあるが、伊藤氏は今期 予想は「達成するつもりでやっている」と述べた。

同社は16年度には海外売上高を倍増させ、現在約3割の海外売 上高比率を、4割へ引き上げることを目指している。アジアや中南米、 アフリカ、中東への進出を加速し、海外展開は現在の130カ国から、 16年には150カ国へ増やす計画だ。

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