レポ金利急上昇、期末の資金繰りに警戒感-期越え翌日物は上限に接近

短期金融市場ではレポ(現金担保付 債券貸借)金利の急上昇を受けて、期末の資金繰りに警戒感が再燃して いる。一部金融機関に国債の償還資金が集中するあまり、証券会社など へのカネまわりが悪くなり、市場資金の偏在化が起きる公算があるため だ。

25日の東京レポレートは、2営業日後に始まる翌日物のスポット ネクスト物が前日比0.8ベーシスポイント(bp)高い0.176%と、7 カ月ぶりの高水準を記録。4営業日で5bp弱上昇した。午後から取引 が始まった期末・期初物(30日-10月1日)は0.25%付近と、上限 金利の日銀補完貸付(ロンバート型貸出)の適用金利0.3%に接近し た。

日本銀行は、期末・期初物に焦点をしぼった全店共通担保資金供 給オペを今月9日から開始。15日の同オペでは最低金利が0.14%まで 低下して市場に安心感が広がっていた。しかし、ここ数日のレポ金利 急上昇を受けて警戒感が再び高まっている。

レポ金利の上昇は24日の国債決済日から始まった。大量の国債償 還資金が一部の金融機関に滞留して、国債発行を支えるレポ市場への 資金の流れが滞ったためだ。国内証券のトレーダーは、日銀の金融調節 が資金の偏在を予測しきれなかった結果ではないかとみていた。

日銀はこの日、スポットネクスト物の国債買い現先オペを前日よ り5000億円多い2兆円まで拡大したが、最低金利は前日比1bp上昇 の0.17%と、6カ月ぶりの高水準。金利上昇が止まらなかった。ただ、 3月期末には同オペを3-4兆円まで拡大しており、日銀は今回はレ ポ金利の上昇を静観しているとの見方もある。

「出口観測」のマイナス

こうしたなか、日銀はレポ市場の機能回復を試しているとの観測 報道もあるが、国内大手銀行のトレーダーは、異例の金融緩和措置か らの出口の地ならしとして、金融政策に対する思わぬ観測を生じさせ ることは日銀にとってマイナスだと指摘する。株式相場が不安定な動 きを示しているためだ。

この日の日経平均株価は急反落した。金融機関の増資問題や、亀 井静香金融・郵政問題担当相が主張する「融資返済モラトリアム」制 度への警戒感が生じているうえ、日本航空など一部企業の経営問題も 懸念されているためだ。企業金融支援を主軸とする異例な政策の見直 しを進める日銀にはマイナスの動きだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)が24日に商業銀行と債券ディー ラーを対象とした2つの緊急融資プログラムを縮小したほか、日銀が 各国中央銀行と協調して実施している米ドル資金供給オペも期間短縮 が決定されるなど、異例の緩和策からの出口を探る動きは出ている。

市場金利にゆがみを生じさせている企業金融支援特別オペなど、 日銀幹部から制度の見直しを検討する声は出ている。しかし、大手銀 行のトレーダーによると、意図しないところで出口政策の思惑が高ま れるのは、日銀にとって好ましくないという。

TB・CPは安定

もっとも、レポなど足元金利の上昇は一時的との見方が多い。国 庫短期証券(TB)やコマーシャルペーパー(CP)の利回りは低位 安定しており、TBやCPを購入している銀行の資金余剰には変わり がないためだ。

新発国庫短期証券(TB)3カ月物利回りは、前日の入札で7週 間ぶりに0.15%台に上昇。一時0.155%まで売られたが、この日は

0.15%に買い注文が集まった。レポが5bp前後上昇する一方、TB利 回りの上昇幅は1bp未満だ。

CP市場では、最上位格付けの電力会社や化学メーカーが発行し た1-3カ月物が0.12%で取引された。一方、スポットネクスト物の 現先金利は、レポ金利の影響を受けて0.18%まで上昇した。

国内大手銀行のトレーダーは、レポの急激な上昇に対して、TB やCPの落ち着きぶりは驚きだと話す。資金調達圧力を強めるディー ラーと、TBで余資を運用する投資家で、市場参加者が異なっている という。

午後の全店共通担保オペ8000億円(28日-10月15日)の最低落 札金利は、前回オペ(25日-10月8日)に比べて1bpの上昇にとど まった。期間が長めの同オペ8000億円(29日-12月21日)の最低金 利は0.13%で横ばいだった。

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