日本株は急反落、増資警戒し野村など金融下げ-輸出安い、権利落ち

東京株式相場は急反落。増資に よる1株価値希薄化への警戒から、証券や銀行など金融株が売り込ま れ、野村ホールディングスは値幅制限の下限で比例配分された。また、 米国で発表された中古住宅販売件数が市場予想を下回ったことを嫌気 し、米景気不安を背景に輸出関連株も安い。

日経平均株価の終値は前日比278円24銭(2.6%)安の1万 265円98銭、TOPIXは同27.53ポイント(2.9%)安の

922.67 で、TOPIXの下落率は3.4%下げた6月16日以来、お よそ3カ月ぶりの大きさ。

メッツラー・アセット・マネジメントの小林光之社長は、「銀行 や証券会社の増資ラッシュが現実味を増してきた」と指摘。また、亀 井静香金融・郵政問題担当相の下での融資返済モラトリアム制度への 不安、日本航空やアイフルに象徴される経営再建の広がりによる金融 機関の不良債権増加懸念も重なることを考えると、「金融株は当面弱 含む展開が避けられそうにない」という。

この日は、3月期決算企業の9月中間期末配当落ち日で、配当取 得の権利を得た投資家の売りも株価の押し下げ要因。日経平均ベース の配当権利落ち分は50円強と見られている。東京外国為替市場で再 び1ドル=90円台まで円高・ドル安方向に動き、「前日に上げが目 立ったハイテク銘柄を中心とした輸出株には反動的な売りが出やすい ことも響いた」と、東洋証券情報部の大塚竜太部長は指摘する。

今年2回目の野村増資、きょうの亀井大臣

野村HDは24日、最大8億株の新株式を発行し、最大約5113 億円を調達すると発表した。これにより株式数は最大29%増加する ことになり、1株利益の希薄化や株式需給の悪化懸念から野村HDが 終日売り気配で、ストップ安比例配分となった。

東洋証の大塚氏は、野村の増資について「タイミングと規模の大 きさに意外感がある。国際的に自己資本規制強化の議論が進められて いる最中なだけに、同様の動きがほかの金融機関で出てくるのでは、 と疑心暗鬼に陥っている」との認識を示した。大和証券グループ本社 やみずほ証券が急落したほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ など3大金融持ち株会社も下げ幅を広げた。

亀井金融相は25日午前の閣議後会見で、自身が表明した返済猶 予などの中小企業・個人向け資金繰り支援策(モラトリアム)に、与 党内や銀行界から慎重論が出ている点について、「私が担当相として きっちり法案を出す」と述べ、主導権の発揮への意欲を強調。平野博 文官房長官が前日、具体化に向け慎重な検討を促したのに対し、「官 房長官はああだこうだコメントする立場にない」とけん制した。

米中古住宅のつまずき

一方、米国では24日発表された8月の中古住宅販売件数(年換 算)が前月比2.7%減の510万戸と、5カ月ぶりのマイナスとなっ た。市場予想の中央値は535万戸。「春先以降に改善傾向を続けて いた米住宅販売統計が悪化したことが、輸出など景気敏感株を中心と した売りの口実にされた面もある」と、野村証券の若生寿一シニアス トラテジストは見ていた。

このほか、24日のニューヨーク商業取引所における原油先物相 場は前日比4.5%安の1バレル=65.89ドルと続落し、1カ月ぶり 安値を付けた。米景気回復への懐疑的な見方から金や銅の先物相場も 下げており、収益へのマイナスの影響が懸念され、国際石油開発帝石、 三菱商事、住友金属鉱山といった資源関連株も安い。

東証1部の売買高は概算で19億6525万株、売買代金は1兆 2803億円。値下がり銘柄数が1455、値上がりは186。業種別33指 数はすべて下落。

不動産も下げ目立つ、アイフル急反発

不動産株も下げが顕著。大和証券SMBC金融証券研究所が投資 判断を「1(買い)」から「2(アウトパフォーム)」に下げた住友 不動産が急落、三井不動産や三菱地所も軟調。経営再建計画案につい て国土交通相から実現可能性が不十分、と指摘された日本航空が連日 の大幅安で上場来安値を更新。

半面、当面の資金繰り不安が解消される見通しとして、日興シテ ィグループ証券が投資判断を「3(売り)」から「2(ホールド)」 に上げたアイフルは17%高と急反発し、東証1部の上昇率トップ。 豪州炭鉱会社からの受取配当増を受け、10年3月期の連結最終利益 計画を引き上げた住石ホールディングスも急伸した。

新興3市場下げる、ダヴィンチ急落

国内新興3市場では、ジャスダック指数が前週末比0.22ポイン ト(0.4%)安の49.74と反落。東証マザーズ指数は同5.56ポイン ト(1.2%)安の460.55と3営業日ぶり反落、大証ヘラクレス指数 は同5.32ポイント(0.9%)安の606.62と7日続落となった。

個別では、資金繰り懸念の高まりでダヴィンチ・ホールディング スが一時ストップ安まで売り込まれた。プロパスト、グリーが下げ、 直近上場のキャンバスは大幅安。半面、アーク、スタートトゥデイ、 スカイマークが高い。親会社の米トイザラス傘下の投資会社がTOB (株式公開買い付け)を実施し、非上場化を目指すと発表した日本ト イザらスはTOB価格にさや寄せする形でストップ高。

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