日銀議事要旨:中小企業と低格付先の改善は限定的-金融環境

(発表内容を追加します)

【記者:日高正裕】

9月25日(ブルームバーグ):日本銀行は25日午前、8月10、11 日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、多くの 委員は国内の金融環境について、大企業の資金調達環境が大きく改善 している一方で、中小企業や下位格付け先の改善度合いは「なお限定 的なものとどまっている」と指摘した。

日銀は7月の金融政策決定会合で、コマーシャルペーパー(CP)、 社債の買い入れ、企業金融支援特別オペの期限を12月末まで延長する ことを決定した。日銀はこれをさらに延長するか、見直し、ないし終 了するか、期限までにあらためて決定する。

委員は国内の金融環境について「なお厳しい状態にあるものの、 改善の動きが続いている」との認識を共有した。企業の資金調達コス トについて、何人かの委員は「資金余剰感が強い下で、社債・CP発 行金利の一段の低下や、中間期末越えプレミアムの低さなどに示され るように改善が続いている」と述べた。

複数の委員は「高格付けCPの発行レートが短期国債レートを下 回る官民逆転現象が再び定着してきている」と指摘。企業の資金調達 動向については、何人かの委員が「社債発行額が銘柄の拡大を伴いつ つ高水準となっているほか、金融機関の融資姿勢も積極化してきてい る」と述べた。一方、何人かの委員は「企業の間では、先行きの業況 や資金調達環境に対する不透明感が依然根強く残っている」と述べた。

需給悪化の影響が広がっている

日銀は同日の金融政策決定会合で政策金利を0.1%前後に据え置 くことを全員一致で決定した。白川方明総裁は同日の定例記者会見で、 昨秋以降、世界経済に加わったショックが非常に大きかったことから、 「物価下落圧力が解消されるには相応の時間がかかる」と述べ、物価 の下落が長期化するとの見方を示した。

8月10、11日の決定会合では、何人かの委員が「価格下落品目の 範囲が広がりを見せており、需給バランス悪化の影響が徐々に広がっ ている可能性が注目される」と述べた。また、ある委員は「輸出や生 産の回復ペース、物価の低下ペースがいずれもこれまでの想定対比幾 分速めとなっており、こうした一見相反する動きについてどのように 解釈するかが、今後の情勢判断のポイントになる」と述べた。

個人消費については、多くの委員が「自動車・家電等一部の品目 で各種政策の効果などから持ち直しの動きが見られるものの、全体と しては弱めで推移している」との認識を示した。

個人消費の先行きを取り巻く環境については、複数の委員が「今 後、景気回復後の経済の水準が低位にとどまる場合には、正社員の雇 用・賃金も含めてもう一段の調整を余儀なくされ、雇用・所得環境が 一段と厳しくなる可能性がある」と述べた。その上で、委員は「家計 の節約志向が根強い中、厳しい雇用・所得環境を背景に、個人消費は 当面弱めの動きが続く」との見方で一致した。

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