9月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルがほとんどの主要通貨に対 して上昇。8月の米中古住宅販売件数が予想外に減少したことを受け、 高利回り通貨への需要が減退、ドルは対ユーロで朝方の下落から反発 した。

カナダ・ドルは対米ドルで2カ月ぶりの大幅安。カナダ最大の輸 出品目である原油が1カ月ぶり安値に下落したことが売り材料。英ポ ンドは対ユーロで4月以来となる1ユーロ=91ペンス台まで下げた。 イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁が、英経済のバランス を取り戻す過程でポンド安は「非常に有益」と発言したとの英紙報道 が背景。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの為替グループのマネジン グディレクター、サマルジット・シャンカー氏(ボストン在勤)は、 「悪材料がリスク回避につながり、ドルを支援する構図に変化はな い」と指摘。「この日の住宅指標は外為市場にとってマイナスの衝撃 となった」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、ドルは対ユーロで0.5% 高の1ユーロ=1.4656ドル(前日は同1.4735ドル)。ドルは対円 でほぼ変わらずの1ドル=91円21銭(前日は同91円29銭)。円 は対ユーロで0.6%高の1ユーロ=133円67銭(前日は同134円 52銭)。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシャンカー氏は、ドルは なお対ユーロで年末までに1ユーロ=1.50ドルまで値下がりすると の見通しを示した。利回りの高い通貨へ資金が流れるためと説明した。

ドイツのメルケル首相はベルリンで記者団に対し、米ピッツバー グでこの日開幕する20カ国・地域(G20)首脳会談では為替レート について協議すると語った。

ワコビアのシニア為替トレーダー、アラン・カッバーニ氏(ノー スカロライナ州シャーロット在勤)は「G20首脳会合を控え、相場 は若干、不安定になりそうだ」と述べた。

カナダ・ドル

カナダ・ドルは対米ドルで一時1.9%値下がりした。これは日 中取引では6月12日以来の大幅安。原油先物11月限が一時、前日 比4.9%下落の1バレル=65.60ドルを付けたことを嫌気した。カ ナダ・ドルは過去3カ月に6.4%上昇したものの、ほかの資源国通 貨に比べ上げは限定的。ニュージーランド・ドルは同期間に12%値 上がりした。

英ポンドは対ユーロで一時1.5%下げ、1ユーロ=91.57ペン スと、4月3日以来の安値。英紙ニューカッスル・ジャーナルが報じ たキング総裁の発言が材料視された。ポンドは対米ドルでは一時2% 下げ、1ポンド=1.6023ドルと7月8日以来の安値となった。

ルッツ・カーポウィッツ氏らコメルツ銀行のアナリストは24日 付調査リポートで、「自国の中央銀行が下落を好むような通貨は、明 らかに魅力的な投資先とはいえない」と指摘。ポンドは対ユーロで年 末までに1ユーロ=94ペンスまで値下がりすると予想した。

ドルもみ合い

ドルは朝方、対ユーロで1ユーロ=1.4802ドルまで下落し、1 年ぶり安値に接近した。米労働省が発表した新規失業保険申請件数が 前週から減少したことがドル売り材料になった。その後、全米不動産 業者協会(NAR)の発表で、8月の中古住宅販売件数が前月比

2.7%減の510万戸になったと示されると、ドルは買い戻され、下 げ幅を縮めた。

INGファイナンシャル・サービシズの為替トレーディングディ レクター、レーン・ニューマン氏(ニューヨーク在勤)は「ドルは本 当に荒い値動きとなっている」と述べた。

FRBはこの日、商業銀行向けのターム・オークション・ファシ リティー(TAF)と債券ディーラー向けのターム物証券貸与ファシ リティー(TSLF)の2つの緊急融資プログラムを縮小すると発表。 金融市場の一段の環境改善をその理由に挙げた。

FRBは来月、ターム・オークション・ファシリティー(TA F)に基づき商業銀行向けに70日物資金を500億ドル供給する。 9月には期間84日の資金750億ドルを供給していた。債券ディー ラー向けのターム物証券貸与ファシリティー(TSLF)は来月に 500億ドル規模と、750億ドルから縮小させ、さらに250億ドルま で縮小させる。

◎米国株式市場

米株式相場は続落。午前に発表された8月の中古住宅販売件数 が予想外に減少したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が2種類 の緊急融資プログラムを縮小すると述べたのが売りにつながった。

アルミ生産のアルコアや複合電機大手ゼネラル・エレクトリッ ク(GE)、建機大手キャタピラーが下落。全米不動産業者協会(N AR)の発表によると、8月の中古住宅販売件数(季節調整済み、年 換算)は前月比2.7%減だった。住宅建設のD.R.ホートンを中 心に住宅建設株が下落した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループはいずれ も下落。FRBは商業銀行と債券ディーラーを対象とした2つの緊急 融資プログラムを縮小すると発表した。

セキュリティ・グローバル・インベスターズの資産運用担当者、 マーク・ブロンゾ氏は「住宅統計は失望を誘う内容だった。投資家は FRBが景気刺激策を若干縮小する兆候を探している。株式市場には 疲れが見えており、四半期末にかけて大規模な売りがあるかもしれな い」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比1%安の1050.78。ダウ工業株 30種平均は同41.11ドル(0.4%)下げて9707.44ドル。

S&P500種は今年3月9日から前日までに57%値を戻した。 ブルームバーグがまとめたデータによると、平均株価収益率(PE R)は約20倍と、2004年以来の高水準となっている。

FRBの支援策縮小

FRBは来月、ターム・オークション・ファシリティー(TA F)に基づき商業銀行向けに70日物資金を500億ドル供給する。 9月には期間84日の資金750億ドルを供給していた。11、12月に は規模縮小と期間短縮をさらに進める。債券ディーラー向けのターム 物証券貸与ファシリティー(TSLF)は来月に500億ドル規模と、 750億ドルから縮小、さらに250億ドルまで縮小する。

79社の銀行、保険会社および投資会社で構成するS&P500種 金融株価指数は1.8%下落。同指数は今年3月6日につけた17年ぶ り安値から143%戻した。

BOAは3%安、シティグループは2%値下がりした。

ドイツ銀行のヨゼフ・アッカーマン最高経営責任者(CEO) は24日、20カ国・地域(G20)緊急首脳会合(金融サミット)で 協議される金融規制の抜本改革は銀行の収益性を損なうとの意見を表 明した。

アッカーマン氏はスイスの日刊紙ノイエ・チュルヒャー・ツァ イゥングに寄稿し、「政治的意図は明らかだ。それは銀行セクターに より厳しい規制を課すというものだ。これにより、金融業界全体の収 益性は押し下げられるだろう」と述べた。また、政府は銀行の自己資 本比率を引き上げ、それも「より質の高い」資本の保有を求めるよう になる一方、負債比率を設定する可能性があると付け加えた。

住宅建設株

住宅建設業者12社で構成する株価指数は2.2%安。不動産株 は3.6%下落と、業種別24指数の中で値下がり率最大だった。

8月の中古住宅販売件数は前月比2.7%減の510万戸だった。

D.R.ホートンは4.2%安、レナーは4.5%の下落だった。 家庭用品のベッド・バス・アンド・ビヨンドも安い。同社が発表した 1株当たりの通期利益予想はアナリスト予想を下回った。

◎米国債市場

米国債相場は3日続伸。8月の中古住宅販売件数が予想外に減 少したため、290億ドルと過去最高の発行額となった7年債入札へ の需要が予想よりも強くなり、買いが膨らんだ。

7年債入札の最高落札利回りは3.005%と、市場予想の

3.047%を下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.79倍 と、過去7回の平均2.48倍を上回った。同国債を含め今週は入札が 3回実施され、発行総額は1120億ドルに上った。

HSBCセキュリティーズの金利ストラテジスト、ローレンス・ ダイヤー氏は入札について「意外に強かった。この利回り水準ではリ スクをとってでも入札への意欲が強い」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時26分現在、既発7年債利回りは前日比4ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)低下の2.99%。7年債(表面 利率3%、償還2016年8月)価格は1/4上げ、100 2/32。10年 債利回りは3bp低下の3.38%。一時は3.361%と14日以来の低 水準を付けた。

スタイフェル・ニコラウスの国債トレーディング責任者、マーテ ィン・ミッチェル氏は「米連邦準備制度理事会(FRB)が機関債と 住宅ローン担保証券(MBS)の積極的な買い手であるため、信用ス プレッドが縮小している。それにより、銀行がこれらのセクターから 資金を米国債に移しているため、国債に買いが集まっている」と指摘 した。

7年債入札では、海外の中央銀行を含む間接入札の落札に占める 割合が61.7%になった。過去7回の平均は46.2%。

住宅

全米不動産業者協会(NAR)が24日に発表した8月の中古住 宅販売件数(季節調整済み、年換算)は前月比2.7%減の510万戸。 中古住宅価格(中央値)は前年同月から12.5%下落した。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利責任者、 ブライアン・エドモンズ氏は「雇用は依然として減少しており、住宅 市場は波がある。リスク資産から米国債に向かっている資金が多い。 米国債の需要は引き続き強いだろう」と語った。

23日の5年債入札の規模は過去最高の400億ドル。22日の2 年債入札の発行額は430億ドルだった。

プログラム縮小

FRBは24日、商業銀行と債券ディーラーを対象とした2つの 緊急融資プログラムを縮小すると発表した。金融市場の改善が続いて いるためと説明した。

米労働省が24日に発表した19日に終わった1週間の新規失業 保険申請件数(季節調整済み)は53万件と、前週から2万1000件 減少した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は約2カ月ぶりの大幅安。ドルの反発を 受けて代替投資先としての金の需要が後退し、1オンス=1000ドル を割り込んだ。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は1年ぶり の低水準から上昇。金は年初から前日までに15%上昇した一方、ド ルは同時期に6.5%下げている。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラ ン社長は、「ドルが上昇し始めているため、かなりの金が売られてい る」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物12月限は前日比15.50ドル(1.5%)安の1オンス=998.90ド ルで取引を終了した。中心限月としては7月8日以降で最大の下げ幅 となった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続落し、1カ月ぶり安値を付けた。8月 の米中古住宅販売件数が予想外に減少したことから、米国のリセッシ ョン(景気後退)からの回復ペースに対し懐疑的な見方が広がった。

原油相場は一時、前日比4.9%下落。全米不動産業者協会(N AR)が発表した8月の中古住宅販売件数は、前月比2.7%減の 510万戸となった。前日発表の米エネルギー省の週間統計では、燃 料在庫が予想以上に増加。米国で燃料供給がだぶつき始めているとの 観測が高まった。

エナジー・セキュリティー・アナリシス(マサチューセッツ州ウ ェイクフィールド)の石油市場担当ディレクター、リック・ミュラー 氏は「需給ファンダメンタルズを注視すべき時点にきている」と指摘。 「これまで多くの芽吹き論があったが、人員削減はなお続き、原油需 要は今年200万バレル落ち込む見通しだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比3.08ドル(4.47%)安の1バレル=65.89ドルで終了した。 一時は8月17日以来の安値、同65.60ドルを付けた。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は8月17日以降で最大の下げを記録した。この日 発表された8月の米中古住宅販売件数が予想に反して減少したほか、 米連邦準備制度理事会(FRB)が2つの資金供給プログラムを縮小 すると発表したことを受け、売りが加速した。

スウェーデンの衣料小売り大手、ヘネス・アンド・マウリッツ (H&M)を中心に小売り関連銘柄が下げた。同社売上高が悪化した ことがきっかけ。英投資会社3iグループは3.1%安。同社の新規 投資ペースが鈍化したことが売りを誘った。

金属・原油相場の下落を背景に、オーストラリアの鉱山会社BH Pビリトンと、フランスの石油会社トタルが安い。

ダウ欧州600指数は前日比1.94%安の239.98と、先月17 日(1.98%安)以降で最大の値下がり。同指数は3月9日の水準か らなお52%上げている。

RBSクーツ銀行で約1億1400万ドルの資産運用に携わるルド ルフ・ブクストルフ氏は「市場は十分に成熟しており、数日間の連続 安もあり得る。相場上昇は飽和状態で、いかなる弱材料でも下落の引 き金となる。株価はもはや割安ではない」と語った。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、同指数構成銘柄の 株価収益率(PER)は50倍と、2003年以来で最高となった。

24日の西欧市場では、アイスランドを除く17カ国で主要株価 指数が下落。ダウ・ユーロ50種指数は前日比1.7%安、ダウ・欧州 50種指数は2%下げた。

ダウ・ユーロ50種株価指数が下落した場合の保険として使われ るオプションの費用に連動するVstoxx指数は5.9%上昇の

27.11と、3週間で最大の上げとなった。

H&Mは4.3%安。同社の8月の既存店売上高は11%減少し、 4カ月連続の下げとなった。ダウ欧州600指数の小売り銘柄は

2.6%低下した。

BHPは1.9%下げ、英豪系鉱山会社リオ・ティントは2.1% 安となった。トタルは3.4%下落した。ニューヨークの原油先物相 場が1カ月ぶり安値となったことが嫌気された。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場が続伸。ドイツ政府が10-12月 (第4四半期)の債券発行規模を縮小したことのほか、同国の企業景 況感指数が予想ほど伸びなかったことが背景にある。

独10年債利回りは一時、約1年ぶり低水準となった。この日の MSCI世界指数は軟調。ドイツ政府は「資金調達環境の改善」を理 由に、10-12月期の債券発行規模を従来計画から22%縮小し、590 億ユーロにすると発表した。ドイツのIfo経済研究所が発表した9 月の独企業景況感指数は91.3。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト40人の予想中央値では92.0と見込まれていた。

RBCキャピタル・マーケッツの債券・為替調査責任者のラッセ ル・ジョーンズ氏は、「市場関係者の間には懸念があり、いかなる回 復も足踏みするとの見方が根強い」と指摘。また、ドイツの債券発行 計画の縮小については「まれなことで、市場は明らかに非常に好感し ている。われわれは供給が重要な問題である環境下にある」と述べた。

ロンドン時間午後4時3分現在、10年債利回りは前日比8ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.30%。一時は

3.29%と、9月16日以来の低水準となった。同国債(表面利率

3.5%、2019年7月償還)価格は前日比0.62ポイント上げ

101.64。2年債利回りは1.19%と、7bp低下した。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。英米中銀が金融緩和策の解除を正当化できる ほど回復は強固ではないとの見方を示唆したことが背景。

2年債利回りは16日以来の低水準に押し下げられた。英国の銀 行は「悪い状況にある」とするイングランド銀行(英中央銀行)のキ ング総裁のコメントを引用した英ニューキャッスル・ジャーナルの報 道が背景。23日に公表された10日開催の金融政策委員会(MP C)の議事録からは、メンバーらが景気回復ペースが鈍くなる可能性 があるとみていることが明らかになった。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)は23日、米連邦公開市 場委員会(FOMC)会合で、資産購入プログラムの期限を3月まで 延長したほか、超低金利政策を長期間維持する方針を明らかにした。

RBCキャピタル・マーケッツの英金利商品開発責任者、ジョ ン・レース氏(ロンドン在勤)は、英中銀の慎重な姿勢は「債券にと りプラスとなっている」と指摘。FRBも「政策金利は長期にわたり 異例な低水準にとどまるとの見通しを示した」と語った。

ロンドン時間午後4時30分現在、2年債利回りは前日比7ベー シスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し、0.77%。 同国債(表面利率4.25%、2011年3月償還)価格は0.10ポイン ト上げ、105.01。10年債利回りは3.69%と、前日から6bp低下 した。

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