国交相:日航改善案は実効性で満足できない、首相に判断一任

前原誠司国土交通相は24日、日 本航空の西松遥社長が示した経営改善策が実効性で満足のいくものでな いとし、鳩山由紀夫首相が帰国後に相談し、判断を一任する考えを示し た。また、この案件については内閣、全省庁が一丸で取り組む問題だと 強調した。

前原国交相は同日夕、記者団に対し、銀行団も現状の改善案に納 得していないと語った。同相は同日午後、日航社長のほか、取引先の銀 行関係者と相次いで会談している。また、日航に対しては改善案の再提 出を求めていないとしたほか、10月中にも判断するのかとの記者団か らの質問に対し、「そんな余裕はない」とし、あくまで「自立再生をや っていただきたい」と述べ、9月中にも何らかの判断を下す可能性を示 唆した。

日航社長が産業活力再生特別措置法(産活法)活用の検討を表明 したことに関して、前原国交相は「いますぐ、はい分かりましたという 状況ではない」との考えを示した。また、優良・不採算事業の新旧分離 などは「一切ない」とした。

日航の西松社長は同日、これに先立ち、前原国交相と会談後、記 者団に対し、産活法の活用を検討していることを明らかにし、公的資金 の投入を要請した。会談後、国交省で記者団に語った。

西松社長は「これからの返済を考えると、産活法を活用したほう が結果的に国への依存度を減らすことができる」と述べた。ただ、金額 については明らかにしなかった。

日本では、公的資金で資本支援する産活法の適用第1号として、 半導体メーカーのエルピーダメモリに対し、日本政策投資銀行が300 億円を出資している。

髙木証券投資調査部の勇崎聡次長は日航問題について、前原国交 相のこれまでの発言からは破たんという最悪のシナリオは回避させるつ もりだろうと指摘。また、産活法の申請については優先株などのスキー ムの詳細や金額の規模が分からないとコメントは難しいと述べた。

会談では経営改善計画に関して、6800人の削減と国内外の50路 線の廃止のほか、コスト削減について一歩踏み込んで報告したという。

22日付の日本経済新聞が、政投銀など主力金融機関が政府に対し て、日航の優良・不採算事業を切り分ける「新旧分離」を含む抜本策を 求める意向などと報じたことに対し、西松社長は良くないとの認識を示 し、むしろ顧客が離れていき、ビジネスが成り立たなくなるだろうと語 った。

企業年金の削減問題では、25日にも新しい仕組みの提案が行われ ることも明らかにした。この問題をめぐっては、OBから反発が出てい る。

今回の会談では、西松社長からの報告が中心だったほか、今後の 前原国交相との会談は特に約束しなかったという。

三菱UFJ証券の姫野良太アナリストは、優良・不採算事業の上 下分離という最悪の方式を日航首脳が採用に対して慎重だと明らかにな った点は大きいと指摘。既存株主には産活法申請の方がメリットと見て いる。ただ、産活法適用に関しては、今後のスキームなどの詳細が分か らず、現時点では株式市場が落ち着く可能性もあるが、断定的なことは まだ言えないとコメントした。

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