「緊縮時代」待つ世界経済、債務増加懸念の中でG20首脳会議開幕へ

世界の指導者は過去70年で最 悪の金融危機から世界経済を救出するために膨らませた9兆ドル(約 820兆円)の勘定書を支払うつもりなら、第2次大戦後で最も弱い景 気回復を覚悟しなければならないだろう。

オバマ米大統領ら各国指導者は24日、米ピッツバーグで20カ 国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)を開き、景気回復が依 然として弱いため金融機関や経済全般に提供した生命線の引き揚げに 着手することはできないと警告する見通しだ。次の課題は、景気対策 で膨らんだ政府債務を債券利回りの上昇や政府の信用力低下を招く前 に削減することだろう。

ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は「リセッション(景気 後退)から脱する際の最も重大な脆弱(ぜいじゃく)な部分は間違い なく政府債務の急増だ」と述べ、「政府が非常に膨れ上がっており、 政府債務が次の危機の引き金になる可能性は極めて高い」と指摘した。

政府債務の削減には増税や歳出削減が必要になる公算が大きく、 英HSBCホールディングスのチーフエコノミスト、スティーブン・ キング氏が言う「緊縮時代」が到来し、景気が回復しても数年は経済 成長見通しの弱い状況になるとみられる。

債務急増

経済協力開発機構(OECD)の予測では、世界経済成長率は 来年1.1%と、危機前の10年の2.4%を下回る見込み。国際通貨基 金(IMF)はG20の債務の対国内総生産(GDP)比率が2010年 に82.1%と、2年前よりも20ポイント近く増加し、約37兆ドルに 達すると試算している。

HSBCのキング氏は「経済は安定化してきたため政府は今後、 財政混乱に関してより明確に考える必要がある」と指摘する。グリー ンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今月16日、米国 の債務は既に対GDP比で84%に達して「非常に危険」な状態にあ り、米国債とドルを脅かしていると警告している。

G20首脳会議は現地時間午後6時(日本時間25日午前7時)の オバマ大統領主催夕食会で開幕し、25日午後4時ごろの共同声明の 発表と記者会見で閉幕する。金融機関の幹部報酬や銀行の資本規制の 設定、総額2兆ドル超の景気対策からの一致団結した出口戦略の策定 が議題となっている。

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