ドルじり安、G20で金融緩和の維持確認か-キャリー取引を意識

東京外国為替市場では午後の取引 にかけてドルがじり安に推移した。米国で24日から開幕する20カ国・ 地域(G20)首脳会議(金融サミット)で、各国の金融緩和維持があら ためて確認された場合は、ドル・キャリートレード(低金利のドルで調 達した資金を高金利通貨などに投資する取引)に圧力がかかりやすいと 警戒された。

大和証券SMBC金融市場調査部の長崎能英チーフFXストラテジ ストは、ドルの短期金利が0.3%を下回る水準まで低下しており、「ド ルは調達しやすい通貨」という格好になっていると指摘。今回の金融サ ミットを無難に通過した場合は、各国が現行の金融緩和を維持するとの 見方が補強され、リスク選好的な動きに伴うドル売りが進む可能性があ るとみている。

ドル・円相場は朝方の取引で一時1ドル=91円63銭と、2営業日 ぶりの水準までドルが上昇していたが、その後は上値が抑えられ、午後 の取引にかけてじり安となり、90円台半ば近辺まで下落している。

G20金融サミットはこの日から米ペンシルベニア州のピッツバー グで2日間にわたって開かれる。共同声明は現地時間25日午後4時ご ろに発表される見通し。金融機関の幹部報酬や銀行の資本規制の設定、 総額2兆ドル超の景気対策からの一致団結した出口戦略の策定が議題と なっている。

9月初めに開かれたG20財務省・中央銀行総裁会議では、市場へ の悪影響を避けるため、緊急措置からの出口戦略の実行に当たって、各 国が協調して取り組むべきだとの点で意見が一致。長崎氏は、金融緩和 状態の継続見通しにつながり、商品市況の上昇などリスク選好的な流れ が強まったと分析している。

欧州当局者の発言警戒

一方、23日にロイター通信が当局者の話を基に伝えたところによ ると、フランス政府はユーロの現行水準に懸念を持っており、金融サミ ットで、為替に関する今後の協議日程が決まることに期待しているとい う。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、サルコジ仏大統領 がユーロ高に言及する可能性があり、目先は「警戒感がある」と指摘。 ユーロが対ドルで高値を更新したあと、調整の動きが出やすいなかで、 ユーロの上値が抑えられていると説明している。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.4844ドル と、昨年9月22日以来、1年ぶりのユーロ高値を更新したあとに急落 した。連休明けの東京時間早朝の取引で1.4687ドルまで下値を切り下 げ、その後は1.47ドル台を中心にもみ合った。ユーロ・ドルの相対力 指数(RSI、14日ベース)は65を超え、買いの過熱感を示す70に 近い水準で推移している。

また、ユーロは対円でも下落。午後の取引で1ユーロ=133円台半 ばと、4営業日ぶりの安値を付けている。

ドル金利先安観根強い

米連邦準備制度理事会(FRB)は、22、23の両日に開いた連邦 公開市場委員会(FOMC)会合で、住宅ローン担保証券(MBS)と 住宅関連機関債の購入ペースを緩め、当初は年末に終了する予定だった 購入プログラムを3カ月延長する方針を決定した。購入総額は1兆 4500億ドルに据え置いた。

また、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標 はゼロから0.25%の範囲に維持され、「長期にわたり異例な低水準」 にとどまるとの見通しが示された。

みずほ証の林氏は、FOMCを受けて米国の金利低下傾向があらた めて見えてきたと指摘。為替市場の焦点が金利に移行しつつあるなかで、 ドルの上値を重くしていると分析する。

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