月内物の短期金利が上昇、期末警戒感-日銀の金利抑制姿勢も限定的

短期金融市場では、日本銀行が実 施した期間が短めの資金供給オペの落札金利が上昇した。国債決済の 集中日や期末の接近を警戒してレポ(現金担保付債券貸借)金利が上 昇しているためだ。日銀の金融調節も、金利を無理に押さえつけるよ うな姿勢は見られないとの指摘が多い。

午後の本店共通担保資金供給オペ1兆円(25日-29日)の最低落 札金利は、前週末の同オペ(24日-25日)より2ベーシスポイント (bp)高い0.17%と、6月末以来の高水準まで2営業日連続で上昇。 平均金利も0.179%となり、5営業日で5bp程度切り上げている。

国内証券のトレーダーは、レポの上昇が止まらず、期末に向けた 警戒感が強まったという。東京レポレートのスポットネクスト物は前 週末比1.8bp上昇の0.168%と、6月下旬の急上昇に似た相場展開で、 実際の取引も午前の0.16-0.17%から、午後は0.17-0.18%に上昇し た。

これに対し、レポ市場に直接働きかける国債買い現先オペの供給 総額は3営業日連続で変わっておらず、スポットネクスト物平均金利 は0.162%と、2営業日で計2bp上昇した。

国内大手銀行の資金担当者は、日銀が前もって多めの資金を供給 していればレポの上昇は抑えられたが、無理に金利を押さえつける金 融調節は行っていないと指摘。資金需要が高まる期末なので、許容範 囲内での金利上昇を認めているのではないかとみていた。

レポは、国債の発行が集中し、利払い債の移転登録停止期間も明 けた24日の受け渡し分から上昇を始めた。一方で国債償還も多く、全 体としては5兆円弱の資金余剰だが、一部の金融機関に資金が偏在し ており、期末に向けたレポの高止まりを予想する声が多く聞かれた。

金融調節のバランス

一方、日銀のコマーシャルペーパー(CP)買い現先オペ4000 億円(期日11月9日)の最低落札金利は下限0.10%。応札額は4179 億円と札割れ寸前で、CP市場の需給の良さを示した。企業金融支援 特別オペ(期日12月17日)は金融機関の利用額が1兆265億円とな り、同オペ残高が7兆円を割り込むなど、資金需要は減退している。

国内証券の短期国債トレーダーは、企業金融支援策によってCP レートを下限に張り付かせる一方、レポ市場だけ金利の振れを許容し て市場機能を保とうとする金融調節は、短期金融市場全体としてはバ ランスに欠けると指摘した。

これに対して、国内大手銀の担当者は、レポを下限に張り付けな くても、全体として金融緩和姿勢が揺らいでいなければ問題ないとの 見方を示した。

TB0.15%台に上昇

財務省が実施した国庫短期証券(TB)3カ月物入札は、落札利 回りが上昇した。発行日が期末直前の29日で投資家の需要が不透明な うえ、レポ金利の上昇も警戒された。

TB57回債の入札結果は、最高利回りが前回比0.5bp高い

0.1521%、平均利回りも同0.5bp上昇の0.1509%と、8月5日以来の 高水準。入札前取引で0.15%の売り、入札後の業者間取引で平均水準 の買いが見られたが、それ以外の取引は閑散だった。

国内証券のトレーダーは、予想通り0.15%台に上昇したが、応札 は意外にしっかりしていたと指摘。レポ市場は10月第2週目ぐらいま で落ち着かない可能性もあるが、0.15%台のTBならいずれ販売でき るとの見方でディーラーが在庫を確保したのではないかという。ディ ーラーの資金調達コストであるレポが0.17-0.18%まで上昇し、TB 利回りとの逆ざやが鮮明になっている。

翌日物0.14%まで上昇

無担保コール翌日物は日銀の誘導目標0.1%を上回る0.12-

0.14%まで上昇した。国債決済の集中日で資金の出し手が慎重な一方、 大手銀行の調達が強まった。もっとも、最終的には大量の資金が余る 余剰日で、午後は調達意欲が弱まった。

国内大手金融機関の資金担当者によると、大手行がここまで資金 を取り上がるのは期末でも珍しく、無担保コール翌日物で調達して、 金利が上昇しているレポで運用する動きも関係しているのではないか とみていた。期末に向けたレポの高止まりは懸念材料という。

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