FOMC:出口戦略はまだ始まっていない-市場関係者コメント

(7人目以降を追加します)

【記者:Michael McKee、Vivien Lou Chen】

9月23日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は 22、23の両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、住宅ロー ン担保証券(MBS)と住宅関連機関債の購入ペースを緩め、当初は 年末に終了する予定だった購入プログラムを3カ月延長して2010年 1-3月(第1四半期)末までとする方針を決定した。

FOMCはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0%-

0.25%の範囲に据え置くことも決めた。FRBは1兆2500億ドルの政 府機関発行のMBS購入枠のうち、これまでに約8620億ドルを買い取 っている。購入予定額2000億ドルの機関債の現在までの購入総額は 1292億ドル。

これについての市場関係者のコメントは以下の通り。

◎モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラナガン氏:

「FRBの住宅ローン関連資産の買い取りへの対応は、米国債買 い取りでの対応と同じだ。当局はこれを極めて慎重に進める方針だ。 これまで達成したことを台無しにしたくない考えだ。購入ペースを緩 めていけば、値上がりを維持しながら市場の混乱要因になることはな いと考えている」

「購入枠は変わらないだろう。FRBはここにきて公式に出口戦 略に取り組み始めた。今後進む次の段階は、リバースレポの話であり、 これは当局者が今後発言することになるだろう」

「これは出口戦略ではないし、まだ金融を引き締めてはいない。 買い取りを継続するという事実は、まだ金融緩和状態にあることを意 味している」

◎FTNファイナンシャルのチーフエコノミスト、クリストファー・ ロー氏:

○購入ペースを緩めることについて:

「購入プログラムをいきなり終了して市場に衝撃を与えることを 回避するのが第一の目的だ」

「当局が望んでいるのは、プログラムからゆっくりと手を引き、 ほかの買い手が現れてMBS金利の急上昇が避けられることだ」

○景気認識の改善について:

「市場関係者はFRBが引き締めに着手することを示唆する手掛 かりをしきりに探している。FRBはそれについて混乱を回避するた め、可能な限り修正を少なくし、早合点されるのを防いだ」

◎アラン・ブラインダー元FRB副議長:

○景気認識の改善について:

「景気認識を上方修正せざるを得なかった。そうしなければ注意 を払っていないかのように受け止められたであろう」

「状況は確かに改善しているようだ。当局はそれに関して非常に 興奮することはなかった。かなり控えめな表現を使っており、バーナ ンキFRB議長が先日、リセッション(景気後退)は終了したと発言 したときよりも抑制されていた」

○MBSの購入ペースを緩めることについて:

「これは広く予想されていたことだと思う」

◎ビンセント・ラインハート元FRB金融政策局長:

○景気認識の改善について:

「できる限り表現の変更を少なくした」

「妥協の声明だ」 ○MBSの購入ペースを緩めることについて:

「MBS購入に関しては、2つの面で安心感を高めるものだ。一 つは、終了日を3カ月延期することで、1カ月当たりの購入額を1500 億ドルではなく1000億ドル程度にすることができる。徐々に減らして いけば、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が「絶壁」効果と呼ぶ、特 定の証券購入の突然の終了で発生しかねない価格急落を避けることに なる」

「2つ目は、ブラインダー氏が指摘したように、今回はタカ派と ハト派でより多くの議論が交わされた会合だったことだ。タカ派が同 意できたのは、延期することで来年初めにもプログラムを予定より早 く終了できるよう論争していく時間が数カ月増えたためだ」

「だからこれは妥協の声明だ。しかし、それはよくあることだ」

◎BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サブラト・ プラカシュ氏:

○MBSについて:

「MBS市場の足元の懸念材料は、買い意欲が非常に乏しいこと だ。短期的に見て、FRB以外の買い手が見当たらない。将来のある 時点で、FRBによる人為的な需要でなく真の需要が必要になる」

「FRBが『購入ペースを徐々に緩める』方針を示したのを受け てMBSのスプレッドが拡大している。ただそれも全般的に見ればM BS市場にとってプラスだと思う」

○米国債について:

「米国債相場が上昇しているのは、FOMC声明が今回新たに『長 期的なインフレ期待が安定』していることに言及したためだ。FRB はこれまでよりかなり強い調子で『インフレは低水準にとどまってい る』との認識を示したことになる。FRBは、金利の大幅につながり かねないインフレに対して債券市場が不安を抱くことを望んでいな い」

◎ドイツ銀行のシニアエコノミスト、トーステン・スロック氏:

「最も重要なメッセージは、当局が低金利を長期にわたって維持 すると言い続けていることだ。市場に広がっていた年内の利上げ観測 は取り除かれた。ブルームバーグ端末でFFIPとタイプすれば、3 月の利上げの確率は30%に低下したことが分かる」

「当局は購入プログラムを開始するよりも終了する方がはるかに 難しいと分かっているのだろう。プログラム終了への反応を非常に心 配しているため、終了日を10年に延期した。これで問題も先送りされ た」

「プログラム終了後にMBSスプレッドの上昇を抑制するのは良 い考えだ。プログラムの全体的な目的は金利を低く維持することだ。 懸念されるのは、これほど大規模に買い取ったFRBが手を引いたら 誰が買い手になるかという疑問が市場に広がり始めることだ。それは 10年の市場の状況に左右されるだろう」

「MBS市場は現状では自立できない状態だ」

「当局はプログラムをどう終了していくかに関して市場と対話す る必要があるため、細心の注意を払っている」

「市場を管理することが当局のレーダーの中心にある。当局者は 今後、発言や文書などを通じて今後の方針に関する対話を続けると予 想される」

◎キャピタル・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、ポール・ アッシュワース氏:

「すぐに量的緩和策解除を検討する考えはおくびにも出さなかっ た」

「今回の発表は完全に驚きというわけではない。先週までの時点 で、FRBによる購入額は、MBSの購入枠の約半分と機関債の購入 枠の約3分の2にとどまっていた。あと3カ月余りで同じ額を購入す るのは難しいだろう。経済情勢が改善し30年物固定金利住宅ローンが 先週5%を割り込んでいるため、FRBは時間を稼ぐ余裕がある」

「購入プログラムの延長により、量的緩和策を終了させる際の市 場の混乱を最低限にとどめることもできる。失業率は依然として上昇 傾向にあり、資源のたるみが相当あって物価に下押し圧力がかかって いるため、FRBが引き締め策を遅らせる理由は多い」

「市場の来年の金利予想は最近、後退している。きょうのFOM Cの声明を受けてさらに低下すると考えられる」

◎バークレイズ・キャピタルの米国担当チーフエコノミスト、ディー ン・マキ氏:

「当局が今回行った変更は概して上向きだった」

「当局は経済指標に反応していると言えるだろう。発表されたデ ータは予想コンセンサスよりも著しく強い。恐らくFRBの予想も上 回っているため、当局はそれに対応している」

「当局は過去数回のFOMC声明で徐々に楽観的になってきた。 今回の声明は、昨年9月の金融危機の悪化以降で最も楽観的だ」

「今後数四半期で経済指標はかなり急速に改善すると考えられる。 そうなれば、FRBは10-12月(第4四半期)半ばまでに資産購入を 停止するだけでなく、さまざまな手段を使って超過準備を取り除き始 める準備が整う。われわれはFRBが来年9月に利上げに踏み切ると 予想している。長いプロセスになるだろうが、FRBは次第に引き締 めの方向に動いていくだろう」

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