9月23日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで上昇。米連邦 公開市場委員会(FOMC)の声明発表後も米景気に対する一段の信 頼回復にはつながらず、高利回り通貨への需要が減退した。

ドルは対ユーロで一時下落した。FOMCが低金利を維持する意 向を示唆したことに反応。一方、FOMCが総額1兆4500億ドルの 住宅ローン担保証券(MBS)と住宅関連機関債の購入プログラム終 了を3カ月延長すると明らかにすると、ドルは買い戻され、下落幅を 縮小した。米景気回復は想定ほど力強くないと示唆されたことが背景。

モントリオールに本社を置く為替ファンド、フィヨルド・キャピ タルのローラン・デボワ社長は「何も目新しいことはなくとも、ドル 安の継続はあり得るようだ。市場は外国通貨に対しある程度のロング (買い持ち)ポジションを建てていたのかもしれない」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時22分現在、ドルは対ユーロで0.4% 高の1ユーロ=1.4730ドル(前日は同1.4790ドル)。一時は08 年9月23日以来の安値となる同1.4844ドルを付ける場面もあった。 ドルは対円で0.3%高の1ドル=91円37銭(前日は同91円10 銭)。円は対ユーロで1ユーロ=134円60銭(前日は同134円76 銭)。

FOMC声明は、住宅ローン関連債の購入ペースを「徐々に緩 め」、2010年第1四半期末までに完了することを想定していると表 明した。当初計画では同購入プログラムは年末までに終了する予定だ った。FOMCでは政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利 の誘導目標をゼロから0.25%の範囲に維持すると決定。ブルームバ ーグがまとめたエコノミスト調査でも93人全員が金利据え置きを見 込んでいた。

出口「程遠い」

シュナイダー・フォーリン・エクスチェンジの市場分析担当責任 者、スティーブン・ガロ氏(ロンドン在勤)は「資産購入プログラム を来年3月まで延長することは、FOMCの政策は出口から依然程遠 いことを意味している」と指摘。「将来的に資産購入規模の拡大が必 要になった場合に備え、金融当局に余裕を与えたかっこうだ」と述べ た。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.4%上昇の76.404。同指数は3月に付けた今年の最高 水準89.624からは15%低下している。利回りの高い資産購入のた めドルが売られるとの観測が高まったことが背景。

FXコンセプツのポートフォリオマネジャー、スコット・エンス ベリー氏によると、一部投資家はFOMCが住宅ローン担保証券の購 入を減らすことを期待していた。

エンスベリー氏は「ドルの基調は継続する。変わる理由は何もな い」と述べた。

FF金利見通し

ブルームバーグがまとめたエコノミスト65人の予想中央値では、 FOMCはFF金利の誘導目標を09年1-3月(第1四半期)末ま で据え置くと見込まれている。別のエコノミスト調査によると、ドル は対ユーロで年末までに1ユーロ=1.45ドルまで上昇する見通し。

ドルは対円で下落する場面もあった。米ピッツバーグで今週開催 される20カ国・地域(G20)首脳会議で、世界的な貿易不均衡を是 正するためドル以外の通貨切り上げの必要性を示唆するとの観測が高 まった。

DBSグループ・ホールディングスのシニア為替ストラテジスト (シンガポール在勤)、フィリップ・ウィー氏は調査リポートで、「G 20首脳会議が国際金融システムの改革に向け取り組むなか、ドルは 引き続き売り圧力にさらされる」と指摘した。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。投資家は連邦公開市場委員会(FOMC) 声明を、米金融当局のリセッション(景気後退)対策が終わりに近づ きつつあることを示唆したと受け止めた。

JPモルガン・チェースとシティグループはいずれも下落。F OMCは声明で証券購入のペースを緩めていくと述べた。石油のエク ソンモービルとシェブロンも下落。S&P500種株価指数のエネル ギー株40銘柄すべてが値下がりした。資源株は産金のニューモン ト・マイニングとフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴ ールドを中心に売られた。

LPLファイナンシャルのバート・ホワイト最高投資責任者 (CIO)は、「今回のFOMC声明は基本的には、当局者はまだア クセルに足をかけた状態ではあるが完全に踏み込んではいないことを 示唆した」と述べ、「彼らはもはや、景気回復を促進させるためにあ らゆる可能な手段を講じるとは言っていない」と続けた。

S&P500種株価指数は前日比1%安の1060.87。ダウ工業株 30種平均は同81.32ドル(0.8%)下げて9748.55ドル。ナスダ ック総合指数は0.7%安の2131.42。

FOMC声明

今回の声明でFOMCは、「経済回復と物価安定の維持に向けて、 幅広い手段を引き続き活用する」と、前回の「可能な手段すべてを活 用する」から表現を変えた。

FOMCは、「フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0% から0.25%のレンジで据え置き、経済状況が長期にわたって、FF 金利の異例な低水準を正当化する可能性が高いと引き続き想定してい る」と繰り返した。

また、「経済活動は厳しい下降局面から上向いたと見受けられる。 金融市場の状況はさらに改善し、住宅セクターの活動も活発になっ た」と分析した。

さらに企業については「依然として固定投資を縮小し、人員を 削減しているが、そのペースは減速しているほか、売上高に合わせた 在庫調整には引き続き進展がみられる」と記述した。

金融株

79社の銀行、保険会社および投資会社で構成するS&P500種 金融株価指数は2.1%低下。値下がり率は産業別10指数の中で最大 だった。同指数は今年3月6日につけた17年ぶり安値から148%戻 した。

JPモルガンは3%安。シティグループは2.8%の下げだった。

生保大手のプルデンシャル・ファイナンシャルも下落。米モル ガン・スタンレーが米生保業界を「アトラクティブ」から「インライ ン」に引き下げたのが背景。プルデンシャルの株式投資判断は「オー バーウエート」から「イコールウエート」に変更された。

エクソン、シェブロン

エクソンとシェブロンはそれぞれ1.2%と1.7%安。ニューモ ントやフリーポートも下落した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は 前日比3.9%安の1バレル=68.97ドルで終了した。米エネルギー 省の週間統計で原油在庫が予想外に増加したことから売りが膨らんだ。 在庫増の背景には製油所が需要最盛期を控えた保守・点検作業で一部 操業を停止したことや、燃料需要の落ち込みがある。この日の銅相場 は3日ぶりの下げを記録した。

◎米国債市場

米国債相場は続伸。米連邦公開市場委員会(FOMC)は22- 23日の会合後、総額1兆4500億ドルの住宅ローン担保証券(MB S)と住宅関連機関債の購入プログラムを延長する方針を発表。これ を材料に買いが優勢になった。

FOMCは景気が上向いてきたとの認識を明らかにしたものの、 政策金利が「長期にわたり異例な低水準」にとどまるとの見通しを示 したため、短期債を中心に上昇した。政策金利はゼロから0.25%の 範囲。ただ、発行額が過去最高の400億ドルとなった5年債入札で 需要が予想より弱かったため、軟調になる場面もあった。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利責任者、 ブライアン・エドモンズ氏は「MBS購入プログラムの延長でFOM Cは必要な手を打った。市場は利上げ時期をめぐる議論が噴出するこ とを非常に懸念していたが、その記述がなかったため、落ち着いてい る」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時18分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.41%。3年債利回りは 5bp低下の1.47%。既発5年債利回りは5bp低下の2.37%。

FOMCは「委員会は市場の変化を円滑にするため、これらの購 入ペースを徐々に緩め、2010年第1四半期末までに完了することを 想定している」と表明した。購入プログラムの当初の終了期限は12 月末だった。

住宅ローン金利のスプレッド拡大も

FRBは1兆2500億ドルの政府機関発行のMBS購入枠のうち、 これまでに約8620億ドルを買い取っている。

ブルームバーグのデータによると、30年物住宅ローン金利の平 均と10年債利回りの差は1.58ポイントに縮小した。昨年12月19 日には1986年以来で最大の3.07ポイントに拡大していた。危機発 生前10年間の平均は1.75ポイントだった。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーデ ィング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は「購入ペースを減 速させれば、週間ベースではさほど違いはないとは言え、スプレッド は拡大する可能性がある」と指摘した。

FRBの政策を背景に借り入れコストは低下傾向にある。バンク レート・ドット・コムによると、米30年固定式住宅ローン金利は 22日に5.16%。6月には年初来の高水準である5.74%を付けてい た。

入札

財務省が23日実施した5年債入札(発行額400億ドル)の結 果によると、最高落札利回りは2.470%と、入札直前の市場予想の

2.463%を上った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.40倍と、 過去10回の平均2.23倍を上回った。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォー ド)のシニア国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「入札は 強弱まちまちの内容となった。FOMC声明の発表に近かったため、 リスクに備えて積極的な参加がなかった可能性がある」と述べた。財 務省は24日に290億ドル相当の7年債を発行する。

リバースレポ

FRBはプライマリーディーラー(米証券政府公認ディーラー) と、余剰資金吸収手段であるリバースレポの利用に関する意見交換を 開始した。協議に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。さらに、 同関係者は政策当局者が早期に資金を引き揚げるという話ではないと 付け加えた。

バーナンキFRB議長はリセッション(景気後退)から脱却する ために金融システムに注入した資金をインフレを引き起こす前に引き 揚げることは可能だと強調している。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は取引終了後の時間外取引で上昇。連邦 公開市場委員会(FOMC)会合が低金利政策を維持する意向を示唆 したことから、ドルが下落。代替投資先としての金の魅力が高まった。

金は年初から前日までに15%上昇し、過去最高値に接近した。 一方、同時期にドルは対ユーロで5.9%下げている。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドデ ィーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は「金はドル安に下支 えされている。市場では、欧州中央銀行(ECB)がFRBよりも先 に利上げに動くとみられている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物12月限は前日比1.10ドル(0.1%)安の1オンス=1014.40ド ルで取引を終了した。FOMCが声明を発表した後の午後2時42分 現在は、1オンス=1017.90ドルで推移している。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続落。米エネルギー省の週間統計で原油 在庫が予想外に増加したことから売りが膨らみ、5週間ぶり大幅安と なった。在庫増の背景には製油所が需要最盛期を控えた保守・点検作 業で一部操業を停止したことや、燃料需要の落ち込みがある。

先週の原油在庫は前週比で286万バレル増の3億3560万バレ ルだった。ブルームバーグがまとめたアナリスト17人の予想中央値 は140万バレルの減少だった。ガソリンと留出油はともに予想以上 に増加した。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「今回 の数値は全体的に弱かった」と指摘。「原油相場は7月初め以降バレ ル当たり60-75ドルのレンジで取引されてきた。データ発表を受け て価格は下落し、レンジの下値を試すことになろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比2.79ドル(3.89%)安の1バレル=68.97ドルで終了した。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は続伸。石油株が下落したものの、戦後初の同時リ セッション(景気後退)から世界経済が回復しつつあるとの兆候が高 まったことを受け、買いが優勢となった。

英高級ブランドのバーバリー・グループは大幅高。同社のアンジ ェラ・アーレンツ最高経営責任者(CEO)は、英事業が好調である ことを明らかにした。オランダの建設会社、ロイヤルBAMグループ は3.5%上昇。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グルー プ(RBS)が同銘柄の目標株価を従来から2倍超引き上げたことが 材料。

一方、英蘭系石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルなど石油株は下 落。米政府の23日発表で、米原油在庫が予想に反して増加したこと が売りを誘った。

ダウ欧州600指数は前日比0.2%高の244.74で終了。一時は

0.7%高となった。同指数は3月9日の水準から55%上げている。

ブリューイン・ドルフィン・セキュリティーズ(ロンドン)のチ ーフストラテジスト、マイク・レンホフ氏はブルームバーグテレビジ ョンに対し、「当社は回復に注目している。市場は将来的な景気見通 しに対する信頼度を示している。今四半期に国内総生産(GDP)改 善へのある種の指標を得られるだろう」と語った。

23日の西欧市場では、18カ国中11カ国で主要株価指数が上昇。 ダウ・ユーロ50種指数とダウ・欧州50種指数はいずれも0.2%上 げた。

バーバリーは5.4%上昇。アーレンツCEOは22日遅くのイン タビューで、「当社の英事業は現在までかなりの間、好調だ」と述べ、 金融危機発生から1年を過ぎた後で、高級品市場は「さらに改善して いくだけだ」との見方を示した。

米エネルギー省が23日発表した先週の米原油在庫は前週比286 万バレル増の3億3560万バレルとなった。アナリスト予想では140 万バレルの減少と見込まれていた。

シェルは1.6%下げ、英石油会社BPは1.5%下落した。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場が反発。独10年債相場は2006 年6月以降で最長の続落から上げに転じた。ウェーバー独連銀総裁が 同国紙ターゲスシュピーゲルとのインタビューで、国内経済はまだ 「持続的な上昇からは程遠い」と語ったことが材料となった。

反転前の相場下落局面では、独10年債利回りは一時、6週間ぶ り高水準まで1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に接近 する場面もあった。株式相場の上昇に加え、この日の5年債入札で応 札が振るわなかったことを受け、早い取引時間では国債相場は軟調と なった。ウェーバー総裁はまた、2009年の国内経済が5%のマイナ ス成長となるとの見通しも示した。

フランクフルト・トラストの資産配分責任者、クリストフ・キン ト氏は「ウェーバー氏はハト派ではなく、タカ派として知られてい る」と指摘。「欧州中央銀行(ECB)は出口戦略を決定する必要が ある一方で、早計な実行には踏み切らないことを明確にする必要があ る。ウェーバー氏の発言が早計な出口戦略をけん制したことから、市 場は安堵(あんど)したのだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時27分現在、10年債利回りは前日比3b p低下の3.37%。一時は8月13日以来の高水準となる3.44%ま で上げる場面もあった。同国債(表面利率3.5%、2019年8月償 還)価格は前日比0.19ポイント上げ101.03。2年債利回りは

1.26%と、1bp低下した。

◎英国債市場

英国債市場では10年債相場が上昇。2年債も朝方の下げ分をほ ぼ取り戻した。株式相場の下落や独連銀総裁の発言が背景。

ドイツ紙ターゲスシュピーゲルの報道によると、欧州中央銀行 (ECB)の金融政策委員会メンバー、ウェーバー独連銀総裁は、ド イツ経済はまだ持続的な上昇からはほど遠いと発言した。英FTSE 100指数は前日比0.1%下げて取引を終了。一時は0.3%下げる場 面も見られた。

ロンドン時間午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し3.74%。2年債 利回りは0.84%と、前日からほぼ変わらず。

メリルリンチ指数によると、9月の英国債の投資収益率はマイナ ス1.1%。これに対し、ドイツ国債はマイナス0.5%、米国債はほ ぼ変わらずとなっている。

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