関西ペイント社長:来期経常益は33%増も-中印経済回復

国内塗料メーカー首位の関西ペイ ントは来期(2011年3月期)業績について、日本やアジアでの経済回 復を支えに経常利益で今期(10年3月期)予想比33%増の200億円を 目標に掲げた。小林正受 社長が17日、ブルームバーグ・ニュースと のインタビューで明らかにした。

小林社長は、「日本経済が昨年度の上半期の8割くらいまで戻り 世界経済が緩やかに回復すれば200億円はリーズナブルなターゲッ ト」と述べるとともに、「インド、中国という橋頭堡」を軸に海外で の利益拡大を図っていくことで来期は30%超の成長が達成できる見通 しを示した。

関西ペイントは、8月に今期経常利益予想を期初予想比50%増の 150億円に上方修正した。インドや中国での景気回復が背景。インド は7月鉱工業生産指数が前年同月比6.8%上昇と7カ月連続で上昇し た。中国の8月自動車販売台数 は前年同月比82%増となった。自動 車用塗料は同社の売上高の約4割を占めており、同塗料の両国での需 要が想定を上回ったことが利益の回復につながっている。

スズキやトヨタ自動車などが関西ペイントの大口顧客で、インド 最大の自動車メーカー、マルチ・スズキ・インディア向けの自動車用 塗料をほぼ独占して供給するなど、インド・中国でのプレゼンスは高 い。中国国家発展改革委員会によると、中国では09年自動車販売が米 国を抜く見込み。両国の経済成長は今後も続くという想定から海外で の事業を強化する考えだ。

大和総研の竹内忍アナリストは経常利益200億円という目標につ いて、「簡単な数字ではないが、中国やインドでの自動車需要は強く 来期も市場は成長すると見ており十分達成可能な数字だ」と述べた。 ブルームバーグデータによれば、アナリスト4人の来期経常利益予想 平均値は178億円となっている。

利益の7、8割を海外で

アジア市場の成長から、今期経常利益予想の中でインド、中国へ の依存度は過去最高の40%まで高まる。小林社長は、今回の経済危機 を経て「日本にとどまるリスクが高まっていて海外でリスクテイクす ることでグローバル成長を取り込んでいく」と話した。その上で、海 外への利益依存度は近いうちに「7割から8割まで高まる」可能性が あると述べた。

竹内氏は、同社の海外事業について「日本の塗料メーカーの中で、 中国、インド市場の成長の恩恵を最も受けられる企業」と評価した。

関西ペイントは、リーマン・ショックに伴う日本の自動車メーカ ーの生産台数調整の影響を受け、前下半期に急激に業績が悪化。前期 経常利益は前の期比45%減の145億円となり、7期ぶりの減益となっ た。小林社長は、「今後、緩やかな回復が続くと思っているが、リス ク管理のために最悪の事態も考えていく」と話した。

中期計画仕切りなおし、来期から新計画へ

来期は関西ペイントの中期計画最終年度にあたるが、世界の経済 環境が激変したことを受けて、小林社長は中期計画を「今期で終了さ せ、環境前提を変えて新たに作り直す」ことを明らかにした。新中期 計画では国内構造改革と海外成長戦略の加速を目指すが、数値目標や 年限については言及しなかった。

小林社長は新中期計画を考える上での懸念材料のひとつに、製造 業派遣禁止や最低賃金引き上げで「国民の利益」を重点施策に掲げる 民主党政権の誕生を挙げ、「国民生活と企業成長を対立するものでな く車の両輪とする戦略を描いてもらわないと困る」と訴えた。

その上で、「EPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定) の締結を進め、官民一体でアジア太平洋地域の成長を取り込む戦略」 を打ち出すことを要望した。

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