政府:国家戦略室を設置、経済運営の基本方針を企画・立案

政府は18日午後、内閣の重要事項 を決める首相直属の機関である国家戦略室を設置した。鳩山由紀夫首 相、菅直人副首相・国家戦略担当相らが内閣府内の事務所前で看板の 除幕式を行った。国家戦略室長には、古川元久内閣府副大臣が就き、 政治主導の態勢を整えた。

発表された国家戦略室の設置規則によると、税財政の骨格、経済 運営の基本方針、その他内閣の重要政策に関する基本的な方針などか ら、首相に特に命じられたものに関する企画、立案ならびに総合調整 を行うとしている。当面の課題は、財務相や行政刷新会議と連携しな がら、閣僚委員会を通じ、2009年度補正予算の見直し作業を行う。

菅国家戦略担当相は18日の閣議後会見で、国家戦略室について 「大変、重大な任務だと思っており、まさに国家戦略の名にふさわし い役割を果たしていきたい」と抱負を語った。また戦略室のスタッフ については、政策参与に民間人を起用する考えを示した。一方、戦略 室内に、どの程度官僚を起用するかについては「すでに霞が関から、 いろいろな形で必要であれば要員を出すとのシグナルが届いている」 ことを明らかにした。

その上で、民間人や党職員、官僚を起用する「この順番を間違え ると、気がついてみたら、かつての橋本政権下で官邸機能強化といい ながら10年たってみると、官邸内の官僚機能が強化されただけで、政 治機能は全く強化どころか減退していと同じことになりかねない」と 警戒感を示した。

平野博文官房長官は18日午前、官邸で、法改正を伴う国家戦略局 への昇格については、「法律でしっかり担保し、強い権限を持つ仕組み をつくりたい」と述べる一方、国会の協力が不可欠であるため、国会 日程などを踏まえて検討していく姿勢を示した。

菅国家戦略担当相は16日の就任会見で、前政権下で行われてき た経済財政諮問会議について、「内容的にも形式的にも役割は既に終わ っている」と述べた上で、国家戦略室が「それに代わってという見方 もあるが、私は必ずしもそれに代わってとはみていない」としていた。

8月7日まで内閣府大臣官房審議官として経済分析や諮問会議を 事務方として支えてきた日本総合研究所の湯元健治理事は、諮問会議 が果たした大きな役割の1つとして、議事要旨が3日以内に公表され るなど政策決定の過程が「透明でオープンなプロセスだった」ことを 挙げる。湯元氏は新設される戦略局(当初は戦略室)で議論の中身が 公表されず、「水面下ですべて決定し、結論だけ出すような大本営発表 になるとすれば良くない」との懸念を示す。

-取材協力:広川高史:Editor:Hitoshi Ozawa,Masaru Aoki

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