アイフル:事業再生ADR手続、金融機関に返済延期要請へ

経営再建中の消費者金融アイフル は、「事業再生ADR手続」という手法で私的整理を進めて経営再建を 目指す。リーマンショックなどを受けた資金調達環境の悪化で一段の 構造改革が必要になる中、債権者や顧客といった関係者への影響が最 も少ない手段を採用する。

東証で18日開示した資料によるとアイフルは、ADR手続につい て事業再生実務家協会(JATP)から仮受理を受け取った。民事再 生といった法的手続きの場合は全債権者に影響が及ぶが、ADR手続 は影響が主に金融機関に限られ、上場維持も可能。JATPが全取引 金融機関との利害調整を進めることになる。

アイフルはこの再建計画案で、金融機関に対して約2800億円の債 権残高の維持と返済期限の延期を要請する予定。債務免除や債務の株 式化(デット・エクイティ・スワップ=DES)は要請しない。アイ フル取引金融機関の住友信託銀行は、アイフルの再生計画について 「必要な協力について前向きに検討する」とのコメントを発表した。

野村証券の大塚亘アナリストは、アイフルの債務返済延長要請に ついて「債務がなくなるわけではなく厳しい環境は変わらない」と指 摘、「ポイントは金融機関が返済期間をどの程度猶予してくれるか で、アイフルには早急に事業規模の縮小が求められる」と予想した。 株価への影響については他の消費者金融を含めてマイナスとしている。

アイフルが返済期限延長を要請する債務は、本体で2000億円、子 会社ライフで800億円。この債権を保有している金融機関は住友信託、 あおぞら銀行、広島銀行、中央三井信託銀行、みずほ信託銀行など。 メーンバンクの住友信託が900億円強を持っている。

ブルームバーグ・データによるとアイフル筆頭株主は、福田吉孝 社長の資産管理会社「山勝」、2位は福田社長。またアイフルの社債 は円建てやドル建てで20銘柄前後が残存している。米格付け会社ムー ディーズ・インベスターズ・サービスは5月28日、アイフルの格付け を「Ba2」(投機的等級)に下げ、格付け見通しを「ネガティブ」 としていた。

アイフル株は取引開始から売り注文が相次いで、午前9時45分現 在で、ストップ安(値幅制限いっぱいの下落)に当たる前日比50円 (27%)安の134円で売り気配になっている。プロミス、武富士、ア コムといった消費者金融株も軒並み安。住友信託株も下落、同じ時刻 で19円(4.0%)安の458円で取引が進んでいる。

昨秋から可能になったADR手続はこれまで、コスモスイニシア や日本アジア投資が利用している。

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