日本株は反落、厳しい経営環境受け消費者金融安い-不動産や倉庫も

東京株式相場は反落。アイフル の私的整理を受けて収益環境の厳しさが再認識された消費者金融のほ か、民主党の金融行政の不透明感から保険や証券株も売られた。地価 統計の下落を反映し、不動産や倉庫株も安い。

農林中金全共連アセットマネジメント運用部の中村一也次長は、 「民主党の消費者保護の観点からも、消費者金融は今後厳しい状況が 予想される。社会主義的要素が強い政策によって、金融中心に日本株 の上値が抑えられている」と指摘した。

日経平均株価の終値は前日比73円26銭(0.7%)安の1万370 円54銭、TOPIXは0.08ポイント(0.01%)安の939.44。

経営再建中の消費者金融アイフルが18日、「事業再生ADR手 続」という手法で私的整理を進めて経営再建を目指すことが分かった。 アイフルは値幅制限いっぱいのストップ安比例配分で、連想売りの影 響で武富士やプロミス、オリックス、三菱UFJリースなどノンバン ク銘柄に下げる銘柄が多かった。

大和証券SMBC金融証券研究所投資戦略部の高橋和宏部長によ ると、「消費者金融はなかなか過払金請求のめどがつかない。来年か らは総量規制も実行され、いよいよ経営が厳しくなる」という。

不動産や倉庫、セメント株も安い

また、不動産株も売られた。政策をめぐる金融界の波乱で財務環 境に悪影響が及ぶとの懸念に加え、国土交通省が17日発表した基準 地価(都道府県地価調査)では、東京と大阪、名古屋の3大都市圏の 地価が4年ぶりに下落し、収益環境の厳しさが嫌気された格好。地価 下落で評価損失の追加計上などが不安視され、中小不動産・住宅関連 株が東証1部の値下がり率上位に多数入った。含み資産関連の側面が ある倉庫株も安い。

三菱UFJ投信運用戦略部の石金淳シニアストラテジストは、 「アイフルは氷山の一角で、根っこには内需の低迷による不況の深刻 化がある。同社に加え、地価の下落で内需の弱さがあらためて認識さ れた」と話している。

東証1部の売買高はやや膨らんで23億4403万株と、ほぼ1カ 月ぶりに2日連続での20億株超えとなった。売買代金は同1兆 6584億円。値上がり銘柄数は583、値下がり953。

個別では、会社側が2010年3月期の業績予想を下方修正し、野 村証券も想定以上にセメント業界の国内民需は弱いと指摘した住友大 阪セメントが急落。太平洋セメントも売り込まれた。10年3月期の 連結最終損益は200億円程度の赤字になりそう、と18 日付の日本 経済新聞朝刊が伝えた三洋電機、モルガン・スタンレー証券が格下げ した住友電気工業も安い。

銀行指数は6日ぶり反発、電力には配当取りも

一方、金融株の中でも銀行指数は6日ぶりに上昇。アイフルと取 引がある住友信託銀行やあおぞら銀行は午前に急落したが、アイフル のADR申請準備に伴う今期業績予想の修正はない、と発表したあお ぞら銀が下げ幅を縮小。住友信は結局小幅ながら6日ぶりに反発した。 日興シティグループ証券では、債務株式化や債務免除を含まないスキ ームをアイフルが発表し、住友信について「アク抜けを確認した」と の見方を示している。

銀行株は、中小企業・個人向けの返済猶予政策検討に対する不安 が依然根強いものの、「契約社会の現代では最終的には現実なところ に落ち着くというのが一般的な見方」と、農中アセットの中村氏は指 摘。銀行経営に関し、「今は市場の懸念が一番強い時かもしれない」 と話していた。

このほか、東京電力や中部電力など電力株も堅調で、9月末の配 当権利取り最終日である24日まで残り2営業日となり、配当取りの 動きも見られたという。個別では、野村証券が買い判断を強調したド ワンゴ、夏期講習好調による業績上方修正や増配の観測からリソー教 育が上昇。円高影響を原料安と海外事業進ちょくで吸収できるとし、 クレディ・スイス証券が格上げした東洋水産、メリルリンチ日本証券 が新規に買いとした関電工も高い。JPモルガン証券が目標株価を引 き上げたJSRは1年1カ月ぶりの高値。

新興3市場まちまち、グリーはストップ高

国内新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日 比0.18ポイント(0.4%)安の49.93と3日続落。大証ヘラクレス 指数は4.25ポイント(0.7%)安の618.44と5日続落。半面、東 証マザーズ指数は4.11ポイント(0.9%)高の461.56と反発。

個別では、自社開発のゲームとソーシャル・ネットワーキング・ サービス(SNS)の組み合わせで利用が活発化している点を評価し、 野村証券が新規に投資判断「1(買い)」としたグリーがストップ高。 10年3月期の連結純利益は従来予想を上回る見通しのセゾン情報シ ステムズも急伸。売買代金上位では楽天、アルゼ、ミクシィも高い。

半面、9月末で21人を整理解雇することを決めたアイディーユ ーが大幅続落。売買代金上位ではクックパッド、田中科学研究所、ブ イ・テクノロジーが下げた。17日に東証マザーズ市場に新規上場し、 買い気配のまま初日を終えていたキャンバスは、上場2日目は一転売 り気配となり、結局公募価格比78%高の3730円の初値を付けた。

--取材協力:近藤 雅岐 Editor:Shintaro Inkyo Makiko Asai

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