9月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。対ユーロで1年ぶり 安値に接近した。朝方発表されたフィラデルフィア連銀景況指数が大 幅に上昇し、週間失業保険申請件数が予想外に減少したことから、ド ル売り、高利回り通貨買いが膨らんだ。

円は韓国ウォンに対して下落。世界景気回復見通しがリスク取引 を促した。スイス・フランは対ドルで昨年7月以来の高値に上昇。ス イス国立銀行(SNB)はデフレ懸念に対応してスイス・フランの上 昇を引き続き抑制すると表明した。

スコシア・キャピタルの通貨ストラテジスト、サチャ・ティハニ 氏は「ドル安傾向に逆らうのは難しい。経済指標は比較的良好で、今 の状況では反転を予想するのは困難だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、ドルはユーロに対して1ユ ーロ=1.4732ドル、前日は1.4709ドルだった。この日は一時、昨年 9月25日以来安値の1.4767ドルを記録した。円は対ドルで0.3%下 げて91円17銭(前日は90円93銭)。円はユーロに対して0.4%安 の1ユーロ=134円31銭、前日は133円78銭だった。

スイス・フランは対ドルで最大0.4%値上がりした。SNBは17 日開いた金融政策決定会合で、政策金利とする3カ月物ロンドン銀行 間取引金利(LIBOR)の誘導目標を0.25%に据え置くことを決 めた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は一時76.010と、昨年9月22日以来の低水準に落ち込む場 面もあった。ドル指数は今年3月の年初来高値89.624から約15%低 下した。

失業保険申請件数

米労働省が発表した12日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は54万5000件と、前週の55万7000件(速報 値55万件)から減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値は55万7000件だった。

米フィラデルフィア連銀が発表した9月の同地区製造業景況指数 は14.1と、前月の4.2から大幅に改善した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は8.0だった。

BNPパリバ・セキュリティーズの通貨ストラテジスト、セバス チャン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「経済統計の内容は非常 に良い。確実にトレンドに従ったほうがよい」と述べた。

ユーロ相場

テクニカル指標によると、半年間にわたるユーロの対ドルでの上 昇は反転する可能性がある。期間14日のユーロ・ドル相場の相対力 指数(RSI)は74と、3月19日以来の高水準を記録した。同指数 は70を超えると、相場反落の兆しととらえられる。

米投資会社ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任 者(CEO)はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「相 当な手持ち資金があるならば、今でも預け先はドルが最適だと確信し ている」と述べ、ユーロや円、英ポンドと比べても「私はドルを選 ぶ」と続けた。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。主要株価指数は11カ月ぶり高値から反落し た。小荷物輸送大手フェデックスやソフトウエア2位オラクルの決算 で、売上高が市場予想に届かなかったことから、株式相場の最近の上 昇は企業業績の見通しに比べ行き過ぎだったとの懸念が高まった。

フェデックスとオラクルはともに下落。石油ガス生産のチェサピ ーク・エナジーや油田採掘のネイバーズ・インダストリーズも安く、 エネルギー株指数を押し下げた。天然ガスの値下がりが嫌気された。 通信サービスのベライゾン・コミュニケーションズも下げがきつく、 同銘柄を含む通信株指数は主要10業種の下落率トップとなった。

S&P500種株価指数は過去10営業日では2回目の下落。3月 以降の上昇基調により、業績に比べた同指数構成銘柄の株価水準は過 去5年で最も割高になっている。

ナイト・エクイティ・マーケッツの機関投資家向けセールス部門 のマネジングディレクター、ピーター・ケニー氏は「ここのところ景 気に関する多くの好材料があり、多くの株が劇的に上昇した。ここで 一服が必要だ」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比0.3%安の1065.49。前日は昨年 10月3日以来の高値で終了した。ダウ工業株30種平均は同7.79ド ル下落の9783.92ドルで取引を終えた。

株式相場は朝方には上昇。新規失業保険申請件数が予想外に減少 したほか、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を上回 る改善を示したことなどを好感した。

「今が買い時」

ギャムコ・インベスターズのマリオ・ガベリ最高経営責任者(C EO)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、世界経済 は成長サイクルに入っており、「株は今が絶好の買い時だ」と述べた。

一方、一部投資家は過去半年の上昇基調が行き過ぎではなかった か疑問視している。ブルームバーグの週間データによると、S&P 500種構成銘柄の株価収益率(PER)は9月11日時点で19.3倍 (継続事業、実績ベース)と、2004年6月以来の高水準となってい る。

BNYコンバージェクス・グループの主任トレーダー、アンソニ ー・コンロイ氏は「市場での自信に経済成長が本当に追いついてこれ るのか、誰もが見極めたがっている」と指摘。「株高は実体経済より も先行し過ぎたのだろうか。実際、少し買われ過ぎたように思える」 と述べた。

フェデックスは2.2%安。同社6-8月(第2四半期)の売上高 は前年同期比20%減少の、80億1000万ドル。ブルームバーグがまと めたアナリスト予想平均の82億3000万ドルを下回った。

オラクルの売上高

オラクルは2.8%値下がり。同社6-8月(第1四半期)のデー タベースとミドルウェアプログラムの売上高は前年同期比22%減少 の7億1100万ドルだった。JMPセキュリティーズ(サンフランシ スコ)のアナリスト、パトリック・ウォルレイバンズ氏予想の8億 2600万ドルに届かなかった。

フェデレーテッド・インベスターズ(ニューヨーク)の主任株式 市場ストラテジスト、フィリップ・オーランド氏は、「世界的に景気 は回復しており、最新の経済指標はそれを確認する内容だ」と指摘。 「しかし投資家はさらに高い水準の改善を期待している。指標的な銘 柄であるフェデックスやオラクルの売上高が予想を下回り、失望され た」と述べた。

チェサピーク・エナジーは3.3%安。ベライゾンは1.3%値下が りした。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。フィラデルフィア連銀地区の製造業指数で項 目別の雇用指数が悪化したため、リセッション(景気後退)からの回 復ペースが鈍化するとの思惑から買いが入った。株式相場の下落も支 援材料となった。

RBSセキュリティーズは国債相場が上値抵抗線を突破すること ができなかったため、入札を控えていることもあり、売りに押される との見通しを示した。財務省は来週、2、5、7年債の入札を実施す る。発行総額は過去最大の1120億ドル。政府のデータによると、国 債発行による米国の資金調達額は年初から1兆2000億ドルに達して いる。

HSBCセキュリティーズの金利ストラテジスト、ローレンス・ ダイヤー氏は「経済成長のペースは緩慢で低い金利を正当化している。 米連邦準備制度理事会(FRB)の支援策が縮小する2010年につい て不透明感が残っている」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時11分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.40%。10年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還)価格は21/32上げて101 28/32。

出口戦略

FRBは最大3000億ドルの国債購入を通じ、消費者の借り入れ コストの抑制に努めている。国債買い切りプログラムが始まった3月 25日からこれまでの国債購入総額は2851億6900万ドルで、10月に 終了する予定。

キャンター・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は「FRBの出口戦略をめぐる最近の憶 測を受け、市場は身構え、やや神経質になっている」と述べた。

フィラデルフィア連銀の製造業雇用指数は-14.3と前月の -12.9からマイナス幅が拡大。仕入れ価格指数は前月の10から14.9 に上昇。景況指数は14.1と、前月の4.2から大幅に改善した。

入札

財務省によると、2年債入札の規模は430億ドル、5年債は400 億ドル、7年債は290億ドル。財務省短期証券(TB)の発行額は 850億ドル。

モルガン・キーガン(テネシー州メンフィス)の債券セールス・ トレーディング・リサーチ責任者、ケビン・ギディス氏は「債券への 需要が引き続き強い。経済指標が改善する中、継続的に良好な指標が あと数カ月続けば、投資家は安全と流動性を求めた国債の持ち高を減 らし、株高の動きに乗るだろう」と述べた。

S&P500種株価指数は前日に昨年10月3日以来の高値で終え た後、この日は0.3%安となった。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・ オドネル氏は17日付の顧客向けリポートで、10年債利回りが3.60% に上昇する可能性があると指摘した。価格の上値抵抗線に相当する

3.30%の利回り水準を割り込まなかったことが理由。同水準には売り 注文が控えているという。

国債相場の勢いを示す相対力指数(RSI、期間10日)は2日 に最近のピークとなる78をつけ、16日には50まで低下した。30を 下回るか、70を超えると、相場の方向転換を示唆する可能性がある。

雇用市場

新規失業保険申請件数は予想外に減少し、雇用市場の悪化ペース が鈍化していることを示した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の北米経済部門の責任者、イ ーサン・ハリス氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、労働 市場について「まだ深刻な悪化状況にある」と指摘。「克服するのは 至難の業で、傷みを伴うだろう」と述べた。

TB

1カ月物TBレートは4月以来の低水準を付けた。財務省が前日、 補完的資金調達プログラム(SFP)の借入残高を「向こう数週に」 150億ドルに減らすと発表したことが材料となった。同プログラムは FRBの危機対応の融資プログラムを支援することが狙い。

財務省によると、SFPの借入残高は保有TBが償還日を迎えた 後、借り換えないため、減少に向かうという。

米国大和証券の債券部門責任者、レイ・レミー氏は「現在は全体 のパイが小さくなっている。TBは四半期末まで堅調な地合いが続く だろう」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は下落。1年半ぶり高値から反落した。 金相場が前日に終値ベースでの過去最高値を更新したことから、宝飾 品販売の落ち込みが懸念された。

UBSは今月8日、世界最大の金購入国インドの金需要は前年と 比べると5-10%低いと述べた。またボンベイ・ブリオン協会は先月、 所得減やコスト高を理由に今年の金輸入は37%減少するとの見通し を示した。年初来の金相場は15%上昇している。

HSBCセキュリティーズ(ニューヨーク)のアナリスト、ジェ ームズ・スチール氏は「宝飾品需要はなお弱く、そのほかの実需も伸 びがみられない。中期的には上昇基調が損なわれる可能性がある」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比6.7ドル(0.7%)安の1オンス=1013.50ドル取引 を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場はほぼ変わらず。米国がリセッション(景 気後退)から脱しつつあるとの楽観な見方と、米国の石油在庫は十分 にあるとの思惑が拮抗した。

原油相場は株式市場の動きを眺めながら、1.50ドルのレンジ内 で推移した。新規失業保険申請件数や住宅指標、製造業指標は景気回 復を示す新たな兆候となった。米エネルギー省が前日発表した週間在 庫統計では原油在庫は減少したものの、過去5年の平均を7.9%上回 った。ガソリンと留出油はともに前週から増加した。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ (マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は 「原油相場は金融市場の動向にかなり左右されている。需給要因から 見れば原油の地合いは弱い。いつかは市場の注目が需給要因に向かう だろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比4セント(0.06%)安の1バレル=72.47ドルで終了した。この 日の高値は8月31日以来の高水準となる73.16ドル。安値は71.66 ドル。年初からは62%高で引けた。

◎欧州株式市場

欧州株式市場では、ダウ欧州600指数が3日続伸。アイルランド 政府が銀行から不良資産を買い取る計画の詳細を明らかにしたほか、 エクサネBNPパリバが建材・建設銘柄の投資判断を引き上げたこと が買いにつながった。

アイルランドの銀行株、アイルランド銀行とアライド・アイリッ シュ銀行は大幅高。同国政府が540億ユーロで不動産ローンを買い取 る計画を打ち出したことが買いを誘った。フランスの建材メーカー、 サンゴバンは2.9%上げた。エクサネが建設関連銘柄の投資判断を 「アウトパフォーム」に上方修正したことが好感された。

英航空会社のブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は5.5%上 げた。ゴールドマン・サックス・グループがBA株を「コンビクショ ンバイ(確信的な買い)」リストに追加したことがきっかけとなった。

ダウ欧州600指数は前日比0.5%高の246.10と、11カ月ぶり高 値で終了。過去11営業日のうち、上げはこの日で10日目。同指数は 3月9日の水準から56%上げている。

ブリューイン・ドルフィン・セキュリティーズ(ロンドン)のチ ーフストラテジスト、マイク・レンホフ氏は、「銀行は非常に重要な ので、どのような好材料も株式にとって支援要因となるのは明らか だ」と述べた。

アイルランドの銀行

17日の西欧市場では、18カ国中16カ国で主要株価指数が上昇。 ダウ・ユーロ50種指数とダウ・欧州50種指数はいずれも前日比

0.5%上げた。

アイルランドのISEQ全株指数は3.1%上昇した。同国のレニ ハン財務相は議会で、新設の国家資産管理機構(NAMA)が簿価で 770億ユーロに相当する不動産ローンを3割低い価格で買い取る案を 提示することを明らかにした。

アイルランド銀は18%上げたほか、アライド・アイリッシュ銀 は30%高と、1月以降で最大の値上がりとなった。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場が4日続落。株式市場の上昇に加 え、フランスとスペインで総額120億ユーロを超える規模の入札が実 施されたことが背景。欧州地域の今年の記録的な国債発行額に、需要 が追いつかないとの懸念が台頭した。

独10年債利回りは上昇し、1カ月ぶり高水準まであと1ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)に迫った。MSCI世界指数は 3日続伸した。フランスは2011年と2014年に償還期限を迎える国債 約80億ユーロと、指数連動債18億ユーロの入札を実施。スペインは 償還期限が2019年の国債24億5000万ユーロを発行した。

INGグループの債券ストラテジスト、ウィルソン・チン氏(ア ムステルダム在勤)は、「今週は国債が大量に供給されており、国債 価格を圧迫している。株式市場と逆相関の関係にあることも国債相場 の重しになっている」と述べた。

ロンドン時間午後4時43分現在、独10年債利回りは前日比3ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.36%。同国債 (表面利率3.5%、2019年償還)価格は0.24ポイント下げ101.10。 独2年債利回りは同3bp上昇の1.29%。

◎英国債市場

英国債市場では、10年債相場が3日続落。製造業受注が8カ月 ぶり高水準となったのに加え、株式相場が上昇したことを受け、安全 資産としての国債需要が後退した。

2年債に対する10年債の上乗せ利回りは拡大。ブルームバーグ のデータによれば、少なくとも1992年1月以来で最大の幅となった。 人材紹介会社モルガン・マッキンリーが17日発表した調査で、8月 のロンドン金融業界の求人数は前月比18%増加し、年初来で最大の 伸びを示した。これを受けて、景気底打ち感が強まった。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニコラ ス・スタメンコビッチ氏は、「この日の株式と英国債の両相場間では 極めて堅固に反作用する動きがみられた。リスク許容度の改善が英国 債の妙味を減退させた」と語った。

ロンドン時間午後5時25分現在、10年債利回りは前日比4ベー シスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し3.73%。同国債 (表面利率4.25%、2019年3月償還)価格は0.32ポイント下げ

106.10。2年債利回りも4bp上昇の0.83%となった。2年債と10 年債の利回り格差(スプレッド)は289bpに拡大した。

英株式の指標であるFT100種指数が0.8%上げたほか、MSC I世界指数もプラスとなっている。

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