米国債:上昇、連銀の雇用指数悪化で買い-10年債3.40%

米国債相場は上昇。フィラデルフ ィア連銀地区の製造業指数で項目別の雇用指数が悪化したため、リセ ッション(景気後退)からの回復ペースが鈍化するとの思惑から買い が入った。株式相場の下落も支援材料となった。

RBSセキュリティーズは国債相場が上値抵抗線を突破すること ができなかったため、入札を控えていることもあり、売りに押される との見通しを示した。財務省は来週、2、5、7年債の入札を実施す る。発行総額は過去最大の1120億ドル。政府のデータによると、国 債発行による米国の資金調達額は年初から1兆2000億ドルに達して いる。

HSBCセキュリティーズの金利ストラテジスト、ローレンス・ ダイヤー氏は「経済成長のペースは緩慢で低い金利を正当化している。 米連邦準備制度理事会(FRB)の支援策が縮小する2010年につい て不透明感が残っている」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時11分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.40%。10年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還)価格は21/32上げて101 28/32。

出口戦略

FRBは最大3000億ドルの国債購入を通じ、消費者の借り入れ コストの抑制に努めている。国債買い切りプログラムが始まった3月 25日からこれまでの国債購入総額は2851億6900万ドルで、10月に 終了する予定。

キャンター・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は「FRBの出口戦略をめぐる最近の憶 測を受け、市場は身構え、やや神経質になっている」と述べた。

フィラデルフィア連銀の製造業雇用指数は-14.3と前月の-12.9 からマイナス幅が拡大。仕入れ価格指数は前月の10から14.9に上昇。 景況指数は14.1と、前月の4.2から大幅に改善した。

入札

財務省によると、2年債入札の規模は430億ドル、5年債は400 億ドル、7年債は290億ドル。財務省短期証券(TB)の発行額は 850億ドル。

モルガン・キーガン(テネシー州メンフィス)の債券セールス・ トレーディング・リサーチ責任者、ケビン・ギディス氏は「債券への 需要が引き続き強い。経済指標が改善する中、継続的に良好な指標が あと数カ月続けば、投資家は安全と流動性を求めた国債の持ち高を減 らし、株高の動きに乗るだろう」と述べた。

S&P500種株価指数は前日に昨年10月3日以来の高値で終え た後、この日は0.3%安となった。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・ オドネル氏は17日付の顧客向けリポートで、10年債利回りが3.60% に上昇する可能性があると指摘した。価格の上値抵抗線に相当する

3.30%の利回り水準を割り込まなかったことが理由。同水準には売り 注文が控えているという。

国債相場の勢いを示す相対力指数(RSI、期間10日)は2日 に最近のピークとなる78をつけ、16日には50まで低下した。30を 下回るか、70を超えると、相場の方向転換を示唆する可能性がある。

雇用市場

新規失業保険申請件数は予想外に減少し、雇用市場の悪化ペース が鈍化していることを示した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の北米経済部門の責任者、イ ーサン・ハリス氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、労働 市場について「まだ深刻な悪化状況にある」と指摘。「克服するのは 至難の業で、傷みを伴うだろう」と述べた。

TB

1カ月物TBレートは4月以来の低水準を付けた。財務省が前日、 補完的資金調達プログラム(SFP)の借入残高を「向こう数週に」 150億ドルに減らすと発表したことが材料となった。同プログラムは FRBの危機対応の融資プログラムを支援することが狙い。

財務省によると、SFPの借入残高は保有TBが償還日を迎えた 後、借り換えないため、減少に向かうという。

米国大和証券の債券部門責任者、レイ・レミー氏は「現在は全体 のパイが小さくなっている。TBは四半期末まで堅調な地合いが続く だろう」と述べた。

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