09年基準地価、3大都市圏で4年ぶり下落-全都道府県下落

国土交通省が17日発表した基準地 価(都道府県地価調査)は、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の地価 が4年ぶりに下落した。大都市を中心に過熱していた不動産投資の反 動で土地需要が後退し、リーマンショック後の景気悪化と金融市場の 混乱が追い打ちをかけた。

全国の基準地価(09年7月1日時点)のうち3大都市圏は住宅地、 商業地とも4年ぶりにマイナスとなった。住宅地は前年の1.4%上昇 から5.6%の下落、商業地は3.3%上昇から8.2%下落に転じた。

地方圏の住宅地は3.4%下落と17年連続で下落、商業地は4.9% 下落と18年連続でマイナスだった。全用途の全国平均は4.4%下落と 18年連続で値下がりした。下落率は前年の1.2%から拡大、2005年以 降で最大となった。調査対象となった全国2万2435地点(林地除く) のうち、値上がりは3地点だった。

みずほ証券の石澤卓志チーフ不動産アナリストは「地価下落には 過熱した不動産投資の反動だけでなく、リーマンショックで不動産と 金融の市場がかなり混乱した影響が出ている」と指摘する。

東京都は今年3月、臨海副都心(江東区有明)の保有地の売却が 難航しているため、目標額を613億円から447億円に引き下げた。経 済情勢の悪化で不動産取引が低迷するなか、入札への応募がゼロだっ たため価格を見直した。

みずほ信託銀行系の不動産調査会社、都市未来総合研究所による と、上場J-REIT(不動産投資信託)の資産規模は08年上期以降 ほぼ横ばいが続き、09年上期(1-6月)は7兆5000億円と前期比 で変わらずだった。資産規模は01年下期から増加が続いていたが、初 めてストップした。

三菱地所の木村惠司社長は商業地について「企業収益の悪化に伴 い賃貸オフィス市場が弱含んでいることや、不動産投資市場の低迷が 続いていることが大きな要因」と指摘。分譲マンション市場について は「住宅ローン減税の拡充や価格調整が進んでいることを背景に在庫 調整が進展するなど、一部に明るい兆しも見えている」との見方を示 した。

全47都道府県で下落

厳しい景気を反映して地価の下落は全国に広がり、住宅地・商業 地の都道府県平均変動率は1975年の調査開始以来初めて、47すべて の都道府県で下落幅が拡大、またはプラスからマイナスに転じた。下 落幅が拡大またはマイナスに転じた都道府県は、前年は住宅地が15、 商業地は11だった。

昨年まで顕著な地価の上昇が続いていた東京都は下落が鮮明とな り、区部は住宅地が10.6%下落と5年ぶりに下落した。東京都心部の 商業地も14.0%下落と前年の6.0%上昇から下落に転じ、港区では30% 近く下落した地点があった。海外高級店が出店計画を撤回した中央区 では20%近い下落もみられた。

年後半では下落幅縮小

一方で、政府の景気対策効果などにより地価の下落幅が足元で縮 小している地点もみられる。1年間を半年で区切り、前半(09年1月 1日時点)と後半(7月1日時点)で比較すると、東京圏で後半に下 落幅が縮小した地点は住宅地が63.9%、商業地は65.5%に達した。ト ヨタショックが地域経済を直撃した名古屋圏の商業地も、後半での下 落幅の縮小が61.5%だった。

石沢氏は「東京など大都市では地価に下げ止まりの兆しも出てお り、来年には東京の地価は上昇に転じる可能性もある。しかし、地方 は地域経済の低迷で地価の下落が今後も続く」とみている。

下落率トップは福岡

全国の下落率トップは、商業地が福岡市中央区渡辺通1丁目の

31.8%、住宅地は東京都渋谷区神宮前3丁目の17.5%だった。福岡市 など地方の中心都市では不動産ファンドによる投資の減少が地価下落 につながった。

全国で最も地価の高い地点は、商業地が東京都中央区銀座2丁目 「明治屋銀座ビル」で、1平方メートル当たり2500万円。前年比16.7% 下落したが4年連続でトップとなった。住宅地は東京都千代田区五番 町で、同302万円と11.2%下落したが、14年連続トップだった。

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