金融株が下落率上位に、新政権の返済猶予検討や国際的規制強化を懸念

金融株が軒並み売られている。東 証1部の業種別33指数の値下がり率上位には銀行、証券・商品先物取 引、その他金融が並ぶ。中小企業に融資返済を3年程度猶予する政策が 検討されているのをはじめ、鳩山新政権の金融行政に対する不透明感、 金融各業界への規制強化への警戒感が強い。

TOPIXの銘柄別マイナス寄与度上位3社を三井住友フィナンシ ャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナン シャルグループの3大金融グループが占め、野村ホールディングス、住 友信託銀行、千葉銀行などがこれに続いた。

フォルティス・アセットマネジメントの清川鉉徳シニア・ファン ド・マネジャーは、銀行株への売りが目立つことについて「融資の返済 が猶予されれば、業績や財務面の悪化は避けられない。20カ国・地域 (G20)会議などで議論されている自己資本規制強化が実施された場 合の増資不安もくすぶり、投資家がいっせいに買い持ち高を手じまって いる」と話した。

亀井静香金融・郵政問題担当相は就任後初の記者会見で、返済猶予 を柱とした中小企業・個人向け資金繰り支援策の具体化作業に早急に着 手する方針をあらためて強調。「弱肉強食の市場原理・市場主義でがた がたになった日本経済を全力で立て直す」と述べた。

証券株の下落については、売買水準の低迷で手数料収入減への懸念 が強まっているほか、「新政権による証券優遇税制撤廃の観測が浮上し ていることも警戒されている」と、フォルティスの清川氏。また、プロ ミスが連日で上場来安値を更新するなど消費者金融株が下げ止まらない 背景には、民主党がこれまで消費者金融業界の規制強化に前向きだった 経緯があり、民主政権の今後の動きへの警戒があるという。

不動産株も弱い

この日は金融株と連動性の高い不動産株も軟調。三井不動産、三菱 地所、住友不動産といった3大不動産株がそろって下げている。仮に融 資返済が猶予される事態となれば、「銀行の貸し渋り・貸しはがしが横 行し、負債比率が相対的に高い不動産株にマイナスに働くことへの意識 も売りの一因になっている」と、清川氏は見ていた。

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