東京の高級ホテル、新規開業で稼働率低迷続く-価格引き下げ圧力も

外資系の進出が過去数年間続いた東 京の高級ホテルで、平均客室稼働率の低迷が続いている。日本の景気は 持ち直しつつあるが、現在改修中のホテルの再稼動が今後も相次ぐこと で供給過剰の状態が払拭されない。

香港系高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」のマルコム・トンプソ ン総支配人はブルームバーグ・ニュースのインタビューで8日、都内の 高級ホテルについて「新規開業による供給過剰で来年初めは非常に市場 が緩む」と述べ、当面は需給緩和が不可避だとの見通しを示した。

東京では2010年にザ・キャピトルホテル東急(約250室)、11年 には東京ステーションホテル(客室数未定)、12年にはパレスホテル(290 室)の建て替えによる再開業が予定されている。今年3月にはシャング リ・ラ・ホテル東京(202客室)がオープンしたばかり。

米調査会社スミス・トラベル・リサーチによると、東京の高級ホテ ルの1-7月の客室稼働率は62.1%(前年同期は70.0%)に低下、全体 の売上高は9億2400万ドルと5.9%減少した。ホテル投資の助言をする ジョーンズ・ラング・ラサールホテルズのエグゼクティブバイス・プレ ジデントの寺田八十一氏は「東京の高級ホテルの稼働率は07年に4年ぶ りに低下した」と語った。

マリオット・インターナショナルの国際ホテル開発担当エグゼクテ ィブ・バイス・プレジデントのポール・フォスキー氏は9日、香港での インタビューで、稼働率の低下の理由について「金融関連ビジネスのか なりの部分を示す米国のビジネス需要が減っている」と指摘した。

値下げ圧力

好調な世界景気を背景に02-07年には外資高級ホテルの東京進出 が相次いだ。02年にフォーシーズンズホテル丸の内東京、03年にグラン ドハイアット東京、05年にはマンダリンオリエンタル東京、07年には ザ・ペニンシュラ東京とザ・リッツ・カールトン東京が新規開業した。

フォーシーズンズホテル丸の内東京の総支配人のマイケル・ブラン ハム氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで9日、「高級ホ テルは供給過剰で、買い手市場であるのは確かだ」と指摘する。みずほ 証券の石澤卓志チーフ不動産アナリストも「外資高級ホテルはまだ厳し い状態が続き、価格を下げる調整が引き続き必要だ」と語った。

実際にザ・ペニンシュラ東京も今年に入り飲食料金や宿泊料金の値 下げをした。トンプソン支配人は「今回の経済危機で、顧客の需要を引 き起こす価格の適性水準を知ることが出来た」と述べた。2008年の稼働 率63%、平均客室料金は3759香港ドル。

08年秋のリーマン・ショックとそれを契機にした世界的な景気悪化、 豚インフルエンザ感染拡大が高級ホテルの需要低迷に拍車をかけた。日 本政府観光局の資料によると、09年7月の訪日外国人客数は12カ月連 続で減少、昨年11月以降は2ケタ減が続いている。ここに新規開業が続 くことで高級ホテル稼働率に押し下げ圧力がかかっている。

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