「富裕層」入りする方法教えます-敷居低くなったプライベートバンク

富裕層の資産を管理するスイスの プライベートバンクの敷居が低くなっている。

プライベートバンクは従来、100万スイス・フラン(約8840万円) 以上の投資資産を持つ富裕層を顧客の対象としてきたが、バンク・プ リベ・エドモンド・ド・ロスチャイルドやクレディ・スイス・グルー プなどはひそかに、この額の半分を下回る資産しかない人々にも仲間 入りを呼び掛けている。金融危機とスイスの銀行の守秘義務に対する 攻撃で、既存の顧客資産だけでは苦しいためだ。

ロンドンを拠点に富裕層の資産管理を助言するスコーピオ・パー トナーシップのディレクター、グラハム・ハービー氏は「2つの見え 透いた秘密がある」と指摘。「まず、特に金融危機を背景に、プライベ ートバンクでは顧客の多くがこれまでの投資水準を大きく下回る資産 しか持っていない。2つ目に、こうした顧客は資産を増やせる可能性 がある」と説明した。

いわゆる「富裕層市場」が大衆の一部も取り込んで大きくなれば、 金融機関には一段と資産を集めて手数料収入を増やすチャンスが回っ てくると、ボストン・コンサルティング・グループの調査が示してい る。世界の金融市場からは昨年、相場下落で12兆3000億ドル(約1120 兆円)超の資産が失われた。

それほど金持ちではない顧客を狙っているのはスイスの金融機関 だけではない。スコーピオの昨年の調査によれば、英国で資産運用を 手掛ける25社と契約する際に必要だった初期投資額は、最低とされる 額の半分だった。

50万フランでも検討

ジュリアス・ベア・ホールディングのスイスのプライベートバン ク部門のボリス・コラルディ最高経営責任者(CEO)は、口座開設 に「200万フランとか500万フランが必要と考えられているが、そう ではない」と語る。同CEOはチューリヒで今月開かれた会議で、資 産を数倍に増やせる「可能性」があれば、資産額が50万フランでも顧 客対象として検討することを明らかにしている。

こうしたパラダイムシフトは、富裕層資産管理の中心地として知 られるスイスが法律で定める銀行の守秘義務に対して米国やドイツ、 フランスが圧力をかけている時期に起きている。また、スイス国内で 地方銀行などとの競争が激化している事情も背景にある。

クレディ・スイスのプライベートバンク部門のワルター・ベルヒ トルトCEOもチューリヒの会議で「資産が100万フランを下回って もそれを増やす可能性を持つ多くの顧客をわれわれは世界中に抱えて いる」と述べた。

エドモンド・ド・ロスチャイルドの広報担当者も、顧客に求める 資産の「最低水準はない」と話している。

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