FRB:商業用不動産下落の影響で健全性審査-中堅金融機関が対象

【記者:Craig Torres】

9月16日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB) 当局者らは、商業用不動産市場に関連し、銀行システム全体に生じる 損失の規模を把握するため、中規模金融機関の相場下落に対する脆弱 (ぜいじゃく)性を審査している。

FRB当局者が匿名を条件に語ったところでは、5月にストレス テスト(健全性審査)の結果が公表された大手19社よりも規模が小 さい金融機関が対象となっている。審査プロセスでは、個別の金融機 関からデータを集め、他の金融機関と比較する「横断的評価」と呼ば れる手法が用いられているという。

政策当局者らは、緊急融資プログラムと過去最大規模の金融政策 による刺激をやめる時期を判断する上で、銀行融資が回復するタイミ ングを予想する必要に迫られている。当局が数十億ドルもの流動性を 金融機関に提供しているにもかかわらず、FRBのデータによれば、 8月の銀行の与信全体の伸びは前年同月比わずか2%にとどまって いる。

サンドラー・オニール・アンド・パートナーズのマネジングディ レクター、ケビン・フィッツシモンズ氏は「今後返済期限を迎える商 業用不動産融資をめぐる懸念はかなり大きい」と指摘。不動産価値が 下がれば、借り手から担保をさらに確保できない限り、借り換えに応 じようとする金融機関はほとんどなくなり、これが商業用不動産の価 値を一段と押し下げる「悪循環を招きかねない」と警告した。

米連邦預金保険公社(FDIC)のデータによれば、6月末時点 の金融機関の商業用不動産融資残高は合計で1兆800億ドル(約98 兆4000億円)に上っている。

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