野村:コモディティ事業で欧・アジアに拠点-世界3極体制

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野村ホールディングスはコモディ ティ(商品)事業で海外展開を本格化する。破たんした米リーマン・ ブラザーズから人員を引き継ぎロンドン、シンガポールに拠点を設置。 コモディティ事業でのコンピューター・システムの統一を10月末に終 える予定で、東京を含めた世界3拠点での事業体制を整える。

野村証券・金融商品部の神尾正彦次長がブルームバーグ・ニュー スとのインタビューで述べた。野村HDは2007年6月に豪マッコーリ ー銀行と業務提携し、コモディティ事業に本格参入した。しかし、昨 年10月にリーマンのアジア・欧州部門を買収後、マッコーリーとの業 務提携を今年3月末に解消。今後は旧リーマンの人材を活用して、独 自に世界規模での事業展開を図る。

ロンドンでは原油や非鉄関連、シンガポールでは石油製品や天然 ガスなどを対象にトレーディングを行う。コモディティ価格は総じて 世界的に回復傾向にある。こうした中で、東京から海外の国際商品市 場を管理する体制から、海外拠点に人員を配置することで欧米やアジ ア市場でのトレーディングや営業体制を強化する。

みずほ総合研究所の長谷川克之・市場調査部長は「旧リーマンの 人材や顧客ネットワークなどを持つことは潜在的な強み。中長期的に は中国などの新興国での需要増が期待でき、コモディティ事業のビジ ネス機会は広がっていく」と指摘する。

同社のコモディティ事業では、事業会社向けに原材料価格の高騰 リスクを回避するための手段としてスワップ取引などのデリバティブ (金融派生商品)を提供している。原油やジェット燃料などの石油製 品、銅、アルミなどの非鉄金属、砂糖、とうもろこしといった農産物 などが対象商品。石炭や天然ガスの取り扱いも始めた。

資源開発にヘッジ商品提供

神尾氏は、事業会社向けのリスクヘッジ商品の提供のほかに、機 関投資家や個人投資家向けのコモディティ運用商品の販売、さらに石 炭や石油といった資源開発事業に参加する企業向けのデリバティブ販 売に注力する方針を示した。

資源開発案件では石油などの埋蔵量を担保とした開発資金の調達 にあたり、野村証券がファイナンシャル・アドバイザーを務める案件 で、生産する資源の価格下落リスクを抑えるヘッジ商品を開発事業者 向けに提供していきたい考えだ。

神尾氏は「他の事業部門と連携して証券会社としての総合的なサ ービスを提供できる点が強み。特定の商品で強さを発揮できるよう差 別化を図っていきたい」と強調した。

原油や銅などの国際価格は年初に比べて2倍の水準に上昇。コモ ディティ価格の総合的な値動きを示すロイター・ジェフリーズCRB 指数は今年の最安値を付けた3月に比べて約3割上昇している。この ため、米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)傘下のメリルリンチや 英バークレーズなどはコモディティ担当の人員を拡大する計画だ。

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