ドルがほぼ全面安、対ユーロ約1年ぶり安値-リスク選好の動き続く

東京外国為替市場ではドルがほぼ全 面安の展開となった。米景気の底入れを示す経済指標を背景に投資家の リスク許容度改善が意識される中、短期金利の低下傾向が続くドルから 相対的に利回りの高い通貨に資金が向かった。

みずほコーポレート銀行国際為替部の時田剛調査役は、潜在的に横 たわっていた「ドル安懸念」が先週あたりからにわかに噴出する格好に なっていると指摘。金融市場が落ち着けば落ち着くほど、焦点がドル安 に絞られていくと言う。

ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.4767ドルと、昨年9月25日 以来のドル安値を更新。また、主要6通貨に対するインターコンチネン タル取引所(ICE)のドル・インデックスは一時76.01と、同9月22 日以来の水準まで低下している。

午後4時10分現在、円は主要16通貨に対して全面安。ユーロ・円 相場は午後の取引で一時1ユーロ=134円35銭と、5営業日ぶりの円安 値を付けた。ドル・円相場は午前に一時1ドル=91円22銭までドル高・ 円安が進んだあと、午後は91円ちょうどを挟んでもみ合った。

米景気期待でリスク選好くすぶる

3カ月物のドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)と円建 てLIBORの低下傾向が続くなか、他通貨と比較した調達コストの低 さを背景にドルと円に売り圧力がかかりやすくなっている。

前日に発表された8月の鉱工業生産指数が予想を上回る伸びになる など、米経済指標の強含みが目立った。米株市場では、景気の回復期待 を背景に株価が3営業日続伸。原油相場を中心に商品市況も再び上昇基 調を強めた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の伊庭剛バイスプレジ デントは、これまで緊急避難的にドルに集まっていた資金が資源国通貨 や新興国通貨に戻っていると説明。好調な米経済指標や世界景気回復に 対する楽観的な見方が広がる中で、「ドルからリスク資産への移動が継 続している」とみている。

この日の米国時間には、住宅関連などの指標が発表される。景気の 楽観論を補強する内容となれば、株価の上昇につながり、リスク選好的 なドル売りを後押しする可能性がある。

半面、ユーロ・ドル相場は、昨年7月に付けたドルの安値1.6038 ドルから、同10月の高値1.2330ドルまでの上昇分の61.8%戻しにあた る1.4621ドルを突破。ドル・インデックスも低下傾向が続く中、伊庭氏 は、「大きなドル下げにも一服感が生じる可能性がある」との見方も示 している。

新政権の動向を見極め

前日のロンドン時間帯では、藤井裕久財務相が為替市場への介入に 慎重な姿勢を示したことを受けて、円買いが進行。対ドルでは一時90 円13銭と、2月12日以来の高値を付けていた。

BBHの伊庭氏は、欧米を中心として「マーケットに日本の為替政 策にある一定の先入観を持たせたことは事実」だと指摘。当面は、経済 関係を中心とした新閣僚の発言や中央省庁との関係などに一喜一憂しや すいとみている。

この日に財務省と内閣府が発表した7-9月期の法人企業景気予測 調査では、大企業・全産業の自社の景況判断指数(BSI)は前期比

22.7ポイント上昇のプラス0.3となった。4-6月期に続く改善で、 2004年4-6月期の現行調査開始以来の最低を更新した1-3月期 (マイナス51.3)に比べ、51.6ポイント上昇した。

また、日本銀行は17日午後、同日開いた金融政策決定会合で、政策 金利を0.1%前後に据え置くことを全員一致で決定したと発表した。情 勢判断については「景気は持ち直しに転じつつある」として、前月の「 下げ止まっている」から上方修正した。

--取材協力:吉川淳子 Editors: Hidekiyo Sakihama,Hidenori Yamanaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 三浦和美 Kazumi Miura

+81-3-3201-8583 kmiura1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift

+81-3-3201-2078 rswift5@bloomberg.net

円に関するニュース JPY <Crncy> CN ユーロに関するニュース EUR <Crncy> CN ドルに関するニュース USD <Crncy> CN

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE