日本株は資源や素材中心上昇、市況高や米統計好感-金融行政警戒重し

東京株式相場は上昇。国際商品市 況の上昇や米国の8月の鉱工業生産指数の堅調を受け世界景気の回復期 待が広がり、資源、素材関連株中心に高くなった。東証1部33業種の 上昇率は鉱業や非鉄金属、卸売など。生産の回復期待が広がった鉄鋼は 上昇率1位だった。

日経平均株価の終値は前日比173円3銭(1.7%)高の1万443円 80銭と3連騰。TOPIXは8.09ポイント(0.9%)高の939.52と 反発。

DIAMアセットマネジメントの平川康彦ファンドマネージャーは、 「輸出関連は為替の懸念が残り、内需は金融中心に不安がある。資源関 連や素材株は中国がよほど変調さえ来たさなければ、市況強含みによる 恩恵を維持できるだろう」と話していた。

金融株が重しとなり、午後に伸び悩む場面もあったが、株価指数は 終始プラス圏を維持した。きのうの米国や欧州株は軒並み年初来高値を 連日で更新、MSCI世界指数はほぼ1年ぶりの高値を付けた。また、 ドル・円相場がやや落ち着きを示した点も、過度な不安感の後退につな がり、日経平均は4営業日ぶりに投資家の短中期的売買コストを示す 25日移動平均線を終値で回復。

16日に発表された8月の米鉱工業生産指数は前月比0.8%上昇と、 ブルームバーグがまとめた予想中央値0.6%上昇を上回った。丸三証券 の牛尾貴 投資情報部長によると、「米国はこのところ景況感が上振れ る傾向が出ている。先日の小売売上高やきのうの生産はいずれも自動車 を除いても堅調で、ドル安の恩恵を受けている面もある」という。

新興国の回復で日銀は景気判断引き上げ

世界2位の銅消費国の米国で景気回復の兆しが示され、ニューヨー ク銅先物相場は16日の取引で、直近3週間では最大の上昇率を記録し た。週間在庫統計で原油在庫が1月以来の低水準に減少し、ニューヨー ク原油相場も続伸。関連企業には市況上昇による業績期待が高まった。 一方、日本銀行は17 日の金融政策決定会合で、「新興国の回復などを 背景に輸出や生産も増加している」などとし、景気判断を引き上げた。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの吉野晶雄チーフエコノ ミストは、「車の販売がある程度回復してきたことでガソリン需要がそ れなりに強いと考えれば、原油価格は簡単には落ちない」と指摘。銅に ついても、世界全体での家電の普及を考えると、銅線需要は非常に伸び やすいとの認識を示す。

市場主義封じを懸念、亀井氏発言に戦々恐々

一方、金融株は株価指数の上値を抑えた。亀井静香金融・郵政問題 担当相は就任後初の会見で、返済猶予を柱とした中小企業・個人向け資 金繰り支援策の具体化作業に早急に着手する方針を強調。「弱肉強食の 市場原理・市場主義でがたがたになった日本経済を全力で立て直す」と 発言した。銀行やその他金融、証券・商品先物取引はそろって安い。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、 「民主党の政策イコール金融にネガティブというイメージが出来てしま っている」と指摘。格差是正のため、ノンバンクの規制が強化されるイ メージがあり、「ノンバンクを傘下に持つメガバンクの収益も圧迫され る恐れがある」という。

時価総額ウエートの大きい銀行などの下落で、TOPIXの上昇率 は日経平均を大幅に下回った。この結果、日経平均株価をTOPIXで 割って算出するNT倍率(日経平均株価÷TOPIX)は11.1倍と9 年ぶりの高水準。東証1部の売買高は概算で20億259万株、売買代金 は同1兆4414億円。業種別33指数の騰落状況は値上がり29、値下が り4。騰落銘柄数は、値上がり1133、値下がり442。

横河電が急反発、三井住友Fは急落

個別では、中東発のプラント投資回復に期待するとして、野村証券 が格上げした横河電機が4日ぶり急反発。第1四半期(6-8月)業績 の好調で通期業績上振れ期待が高まったアスクル、業績予想の下方修正 は織り込み済みとされた良品計画もそろって急伸。ハードディスクドラ イブ(HDD)の需要拡大から日本電産は1年ぶりの高値。業績予想を 引き上げたTPRは、東証1部の値上がり率1位となった。

半面、利息返還請求の増加傾向から、日興シティグループ証券が 16日付で目標株価を引き下げたアイフルが急落。プロミスは上場来安 値を連日で更新し、同社筆頭株主の三井住友フィナンシャルグループも 東証1部の売買代金首位で5%超下げた。普通株式と新株予約権付社債 の発行登録を行うことを発表したケネディクスは4日続落し、「エコ ナ・クッキングオイル」などエコナ関連製品の一時販売自粛と出荷停止 を決めた花王が5日連続安。

新興3市場安い

国内新興3市場は下落した。ジャスダック指数の終値は前日比

0.13ポイント(0.3%)安の50.11と続落。東証マザーズ指数は6.48 ポイント(1.4%)安の457.45と3日ぶり反落し、大証ヘラクレス指 数は2.73ポイント(0.4%)安の622.69と4日連続安。

個別では、高機能マスクや消毒液などの衛生医療商品が伸び、10 年3月期の業績予想を増額修正したケンコーコムが値幅制限いっぱいの ストップ高比例配分。10年2月期業績予想を上方修正したテイツーも ストップ高。売買代金上位ではフェローテック、三菱UFJ証券が新規 に最上級の格付けとしたセブン銀行が高い。

一方、抗がん剤の開発などを手掛け、東証マザーズ市場に新規上場 したキャンバスは、買い気配値を切り上げ初日は売買が成立しなかった。 前人気の高い同社が上場となったことで、ナノキャリアやそーせいグル ープ、医学生物学研究所などバイオ関連は値下がりが目立った。売買代 金上位ではグリー、VTホールディングス、SHO-BIなどが安い。

--取材協力:近藤 雅岐 Editor:Shintaro Inkyo Makiko Asai

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