HSBC銀行:サムライ債1194億円起債-リーマン破たん以降最大

HSBC銀行が17日、発行を予定し ている円建て外債(サムライ債)の発行総額が1194億円に確定し、表面 利率など発行条件が決まった。同日、募集を行った。発行額は政府保証 が付いていないサムライ債では、2008年9月のリーマン破たん以降、最 大となった。同行がサムライ債を発行するのは今回が初めて。

リーマン破たん以降で最大-無保証債

ブルームバーグ・データの調べによると、政府保証無しのサムライ 債では、英大手銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RB S)の08年6月の起債(1410億円)以来、最大となる。政府保証債では 今年2月に豪ウエストパック銀行が2013億円、オーストラリア・ニュー ジーランド銀行が1800億円のサムライ債を発行している。

金融危機の影響で、民間企業によるサムライ債発行は途絶えていた が、7月にフランス電力が1104億円、英バークレイズ・バンクが527億 円、米ウォルマート・ストアーズが1000億円の起債を実現させており、 サムライ債市場がようやく、活気を取り戻してきた。

みずほ証券の石原哲夫シニア・クレジットアナリストは、「サムライ 債は、スプレッドなど国内社債などと比べると割安だ。信用力が投資基 準となるクレジット商品が少ないなか、選別意識が強い日本の投資家に とっては、高格付けで知名度がある発行体のサムライ債では非常に強い 需要がある」と語った。

財務状態で安心感

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンド マネジャーは、HSBCついて、「ネームがいい。商業銀行で財務状態 が比較的痛んでいない数少ない銀行だ。ウォルマートもそうだったが、 金融業界で最も安心感がある」とコメントした。

発行条件について、「現在は需給が良く、銀行は資金余剰の状態。 信用リスクが非常に低いHSBCは国債5年物と比較でき、5年国債の 金利が0.59%ということを考えると、金利上昇リスクの低い年限で

1.49%のクーポンは魅力的で飛ぶように売れる」(山崎氏)という。

発行額は倍増-強い需要反映

共同主幹事証券3社が発表した資料によると、HSBC債は5年物 (固定債)898億円と5年物(変動利付債)296億円の2本建てで、表面 利率はそれぞれ、1.49%、3カ月円LIBOR+70bp(1bp=0.01%) で決まった。固定債の円スワップレートに対するスプレッド(金利上乗 せ幅)は、+60bpだった。

同行が財務省に提出した有価証券届出書によると、発行額は当初、 2本とも各300億円を予定していたが、5年債の需要が強く、約3倍の 発行額となった。

主幹事は、HSBC証券(東京支店)、三菱UFJ証券、みずほ証 券が共同で務め、格付けは、ムーディーズのAa2、スタンダード・ア ンド・プアーズ(S&P)のAA、フィッチ・レーティングスのAAを 取得する。

HSBCグループでは、HSBCファイナンスが2005年から2007 年にかけて、発行総額1600億円のサムライ債を発行している。

HSBCホールディングスをめぐっては、サブプライム問題で損失 を被ったものの、英国政府による公的資金の注入は受けておらず、今年 4月には株主割当増資により125億ポンド(約1兆8500億円)の資本増 強を実施した。今年1-6月期決算では、33億5000万ドルの最終黒字を 確保した。

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