債券相場は軟調、株価の上げ幅拡大で売り優勢-日銀政策決定予想通り

債券相場は軟調(利回りは上昇)。 前日の米国市場で、景気回復期待を背景に株高・債券安となった地合い を引き継ぎ、売りが先行した。その後は下げ渋っていたが、午後の取引 終盤に日経平均株価が上げ幅を拡大させたことで再び売りが増えた。

シュローダー証券投信投資顧問債券チームヘッドの塚谷厳治氏は、 「株価が値を戻してきていることを受けて、債券市場の楽観論に修正が 入った。日銀が景気判断を上方修正し、株価も強く、短期金利も強含ん でいることが影響している」と述べた。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比11銭安の138円69銭 で始まった後、徐々に下げ幅を縮小し、一時6銭高の138円86銭まで 値を戻した。午後に入ると水準を切り下げて、138円58銭まで下落し て、中心限月として8月18日以来の安値をつけた。結局、21銭安の 138円59銭で引けた。日中売買高は2兆577億円。

米債安・株高と外部環境の悪化が朝方からの円債の売り材料となっ た。16日の米国債市場では2年債が続落。過去3週間で最大の下げと なった。米株価が上昇したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が発 表した鉱工業生産指数が予想を上回り、比較的安全とみなされる国債の 売りが膨らんだ。世界的な株高の流れを継承して、日経平均株価は3日 続伸し、前日比173円高で高値引けした。

もっとも、朝方の売り一巡後は、週末からの大型連休であるシルバ ーウィークを前に小動きがしばらく続いた。BNPパリバ証券シニア債 券ストラテジストの山脇貴史氏は、「内外の株高などを手がかりに債券 には売りも出たが、国内株価は海外ほど力強い上昇となっていない。投 資家から決算対策の債券売りニーズも乏しい」と説明していた。

新発10年債利回りは1.34%

現物債市場で新発10年物の303回債利回りは、前日比1ベーシス ポイント(bp)高い1.33%で始まった後、徐々に水準を切り下げ、いった んは0.5bp低い1.315%をつけた。午後に入ると、再び水準を切り上げ ており、午後4時14分時点では2bp高い1.34%と8日以来の高水準で 推移している。

中期債も軟調。新発5年債利回りは3bp高い0.61%と、9日以来 の高い水準で取引されている。

日銀は景気判断を上方修正

日本銀行は17日に開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.1% 前後に据え置くことを全員一致で決定したと発表した。情勢判断につい ては「景気は持ち直しに転じつつある」として、前月の「下げ止まって いる」から上方修正した。

日銀の政策金利据え置きや景気判断の上方修正は市場の事前予想通 りで、債券相場の反応は限られた。JPモルガン証券シニア債券ストラ テジストの徳勝礼子氏は、「日銀は景気判断を上方修正したが、企業金 融支援に関しては何も出ていない。債券相場はそれほど反応していな い」と説明した。

一方、企業金融支援策について、三菱東京UFJ銀行円貨資金証券 部副部長の中山憲一氏は「日銀は12月に再度判断し、延長するのか若 干弱めるのかを決める。物価の見通しなどを考慮すれば、政策金利は当 面据え置きとみている」と述べた。

企業景況感が改善

財務省と内閣府が17日発表した7-9月期の法人企業景気予測調 査によると、大企業・全産業の景況判断指数(BSI)は前期比22.7 ポイント上昇のプラス0.3となり、2四半期連続で改善した。BSIは 10月1日に発表される9月調査の企業短期経済観測調査(日銀短観) を予測する上での参考的な統計と位置づけられている。

三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉氏 は、日銀短観で大企業・製造業DIを前期比20ポイント改善のマイナ ス28程度、大企業・非製造業DIを2ポイント改善のマイナス27程度 と予想。「景気は低水準ながら3月ごろを谷とする拡張局面にあること を裏付ける内容になる」とみている。

--取材協力:赤間信行 Editor:Hidenori Yamanaka,Nobuyuki Akama

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