英ロイズの保険会社:ヘッジファンド資金引き揚げ-リターン低下で

世界最古の保険引き受け組織、英 国のロイズ保険組合では、会員の保険会社が、リターン(投資収益率) が50%余り低下したことを受けて、ヘッジファンドやプライベートエ クイティ(未公開株、PE)投資会社から約5億ポンド(約750億円) もの資金を引き揚げた。

規制当局への提出資料によれば、カトリン・グループやブリット・ インシュアランス・ホールディングス、チョーサー・ホールディング ス、ビーズリーはヘッジファンドを含め最大4億3400万ポンド相当の 投資について、解約もしくは償還請求を行った。

カトリンのポール・ジャーディン最高執行責任者(COO)は電 話インタビューで、「ヘッジファンドに関してわれわれを含め世界が考 えた前提は、株式相場などとは相関関係のないリターンを提供すると いうものだった」とした上で、「だがそれが起こらなかった」と説明し た。

米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)のデータによれ ば、2008年のヘッジファンドの運用成績はマイナス19%と過去最悪を 記録。この影響で保険会社は大きな痛手を負った。ロイズの引き受け 会社が持つ口座の08年のリターンは、資産総額の2%に当たる合計5 億2200万ポンドで、07年の12億ポンドの半分以下だ。HFRによれ ば、09年4-6月(第2四半期)末時点でのヘッジファンドの運用資 産額は1兆4000億ドル(約127兆円)で、ピークだった07年末の1 兆9000億ドルから減少した。

チョーサーは昨年12月に1億5500万ポンド相当のヘッジファン ドを解約。これには、欧州最大のヘッジファンド運用会社である英 ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントが運用していた資産も 含まれる。チョーサーは昨年、投資で7100万ポンドの損失を出し、そ のうちほぼ半分がヘッジファンドによるものだった。

アクサ・インベストメント・マネジャーズのファンド・オブ・ヘ ッジファンズ責任者、クリス・マンサー氏は「保険会社がなぜ失望す るかは分かる」とし、「保険会社にとって、ヘッジファンドの価値命題 は安定したリターンと低いボラティリティ(変動性)だ。マイナス25% というような成績はその前提からは極めてかけ離れている」と指摘し た。

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